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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)   □[第461号]2018/3/30□    □配信数 733□


スペーシア・メールマガジンの第461号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
 ◆名古屋まちづくり情報◆
 ・空の旅をより楽しむために「MRJミュージアム・あいち航空ミュージアム」/愛知県豊山町
 ◆住まい・まちづくりコラム◆
 ・時代の転換点で「私たちはどう生きるか」を考える
 ◆読者の声◆
 ◆スペーシアのこの頃◆

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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○空の旅をより楽しむために「MRJミュージアム・あいち航空ミュージアム」/愛知県豊山町○

 2017年11月30日、「MRJミュージアム」が愛知県豊山町にオープンした。MRJ(三菱
リージョナルジェット)とは、三菱重工業が中心となって開発を進める国産初のジェット
旅客機であり、YS-11以来約半世紀ぶりの国産旅客機である。
 三菱重工グループがMRJの開発に着手したのは2008年である。現在は米国で4機が
飛行試験中、名古屋空港で1機が地上試験中であり、2018年末までにはさらに2機が
完成予定である。航空機が商業運航されるためには、安全性や操作性が基準を
満たしていることを証明する「型式証明」を取得する必要がある。型式証明検査は、
設計段階、製造段階、完成後の各段階で行われ、国土交通省が審査し、証明書を
発行する。MRJの開発においては、基準不適合にともなう設計変更等によりこれまでに
5度の納期延期をしており、2020年の初号機納品をめざしている。世界の航空会社からは
これまでに407機の受注があり、YS-11の生産が182機にとどまったことからしても、現在の
日本の航空機産業に大きな期待がかかっていることがわかる。
 中部地区は日本の航空機産業の中心地である。中部5県(愛知、岐阜、三重、富山、
石川)の航空機・部品生産額の全国シェアは50%を超える。特に愛知県には、MRJの
設計・開発拠点をはじめとして、ボーイング式航空機の生産を行う重工メーカーや航空
機部品メーカーなどの製造企業が集積する。また、研究面においても、国立研究開発
法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)名古屋空港飛行研究拠点をはじめ、航空宇宙工学や
素材の研究を担う大学・研究機関が多数存在する。
 MRJミュージアムは、名古屋空港に隣接して建つMRJの最終組み立て工場内にある。
入館は完全事前予約制で入場者数を制限しており、展示フロアと工場をめぐるツアーでは
丁寧な解説が受けられる。展示フロアでは、機内を体験できる実物大の機首模型や本物の
部品が展示され、客室の高さが小型旅客機の中では最大に設計されていること、機体の
軽量化をはかるために接合部品を削減した部材形状をしていることなどが間近に体感
できる。工場見学では、機体組み立ての作業場を見下ろすように見学でき、平日は実際の
作業風景が見られる。
 同日にオープンした県立博物館「あいち航空ミュージアム」では、ゼロ戦やYS-11を
はじめとした県内で開発された6機の航空機が展示されている。機内公開イベントなどが
開催されるなど、より間近で航空機を体感することができる。MRJミュージアムとのお得な
セット券が販売されているので、ぜひあわせて見学してみてほしい。
 両ミュージアムの見学で航空機の歴史や新型機開発の試行錯誤を知ることで、空の旅が
より一層魅力的なものになることだろう。MRJの運航を心待ちにしたい。
(日高史帆)

関連ホームページ
MRJミュージアムHP http://www.mhi.co.jp/mrjmuseum/

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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○時代の転換点で「私たちはどう生きるか」を考える○

【1】重老齢社会
 超高齢社会は良く見聞きする言葉であるが、最近、新聞で「重老齢社会」という言葉を
知った(日経新聞20180318)。これは65歳以上の高齢者のうち、後期高齢者(75歳〜)が
前期高齢者(65〜74歳)を上回る社会を指している。「老齢をさらに重ねる」という意味で
あろうか?今年の3月には「重老齢社会」に突入する。この社会では、当然介護が必要な
高齢者、認知症を患う高齢者が、劇的に増加する社会となることを意味する。ちなみに
前期から後期へと年齢が移行すると、要介護認定比率は3%から23%に増加し、認知症は
3〜5%が10%に跳ね上がる。
 個々人や各々家族の問題というよりも、地域としてどう対応していくのかの大きな問題
提起なのである。地域空間管理としてのエリアマネジメントがあり、地域福祉システム
としての地域包括ケアがあるが、それらを統合した地域総合マネジメントを構築していくことが
必要となろう。
 例えば、空き家を例にとろう。空き家がこれから確実に増加していくが、地域空間管理
としてそれを捉えるならエリアマネジメント的アプローチ(空き家の把握と入居者・利用者の
斡旋)になるが、他方で、高齢者のための共同生活(ハウスシェアやグループホーム)の場
として捉えるなら地域包括ケア的アプローチとなり、それらの統合こそ地域に求められている。
【2】EVシフト
 今、自動車産業は構造転換期にある。主要な自動車メーカーは、○○年までに販売台数の
□□%、あるいは△△△万台数を電動車にするとの目標を掲げるようになった。米国
カリフォルニア州のZEV法や中国のNEV法がそれを後押ししている。その目標年が2030年
まで担っているところが多い。内燃機関が電動モーターに代わるならば、3万点の部品
(ある記事では10万点とも言われている。部品の数え方の違いか)のうち4〜5割は電動車に
よって、部品は不要になる。裾野が広い自動車産業だけに、その影響は多大なるものに
なろうと予測される。例えば日本碍子のガソリンやディーゼルの排ガス触媒であるセラミックス
ハニカムや日本特殊陶業のスパークプラグなども不要になる。それに代わる新商品開発が
急務となり、危機感を持っている会社は必死になっている。全固体電池や燃料電池の開発に
余念がない。トヨタをはじめ大手企業は生き残るであろうが、部品メーカーは開発力を高め
ない限り、生き残れないのではないか。そうなると愛知の自動車王国は構造的に崩れていかないか?
【3】時代の転換点
 以上のたった二つの事象であるが、これだけでも時代の転換点に生きている気持ちを
持つ。これは衰退の兆しと見るか、活性化転換の始まりと見るか?若者にとっては閉塞感を
打破するビジネスチャンスにつながっていくのではないかと期待している。
本屋では吉野源三郎著の「君たちはどう生きるか」の漫画本が200万部を突破したようだ。
他方で、高齢者版「君たちはどう生きるか」改題「私たちはどう余生を送るか」が求められて
いるのではないか。後世に借金でなく、どのような資産を残していくのか、それを問題提起
する本をだれか書かないかなあ。「魁より始めよ」と言われてもなあ。
(井澤知旦)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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