スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第460号]2018/3/19□ □配信数 733□
スペーシア・メールマガジンの第460号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆名古屋まちづくり情報◆
・ものづくり文化の館 in 伊藤家住宅
〜地域のコンテンツを生かした文化財建物の公開への取り組み〜
◆視察レポート◆
・大湫宿−登録文化財と空き家活用−(岐阜県瑞浪市)
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
☆**********************************************************************
◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
**********************************************************************☆
○ものづくり文化の館 in 伊藤家住宅○
〜地域のコンテンツを生かした文化財建物の公開への取り組み〜
名古屋市西区南部地域は、友禅、扇子、提灯、大正琴、和凧、革細工、菓子製造・
菓子問屋などの職人技や産業を有し、ものづくり文化の道と呼ばれている。このものづくり
文化をPRしようと、体験型イベント「ものづくり文化の館」が西区内の円頓寺商店街と、
大型ショッピングセンターのmozoワンダーシティなどで毎年開催されている。
一方、伊藤家住宅(県指定文化財)は、開発が進む名古屋駅からほど近い四間道エリア
にある。この周辺は名古屋城下町の面影を残す貴重な歴史的町並みエリアで、近年は
町家を活用したリノベーションが進みつつある場所としても注目されている。
伊藤家住宅はこのエリアの象徴的な文化財建物であり、建物公開の機会に合わせて、
地域のコンテンツである職人技をPRする催し「ものづくり文化の館in 伊藤家住宅」が
まちづくり協議会の主催で先月2018年2月に開催された。当日は、友禅、扇子、大正琴、
提灯、革製品の展示があり、友禅の職人による説明があった。また大正琴とハンドベルの
演奏会が行われ、見事な庭を背景にさわやかな音色を聞くことができ、来訪者は演奏に
聞き入っていた。
江戸時代から建つ「和」の空間に伝統的な職人技の展示PRがマッチし、建物は見る
だけでなく活用されてこそ価値があると再認識した催しだった。
(浅野健)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2018/itoke/
☆**********************************************************************
◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
**********************************************************************☆
○大湫宿−登録文化財と空き家活用−(岐阜県瑞浪市)○
昨年から1月にかけて大湫宿に係る複数の機会があった。昨年6月から中山道の徒歩の
旅を始めたのだが、その7回目と8回目に大湫宿を訪問。その間に愛知登文会(登録文化財
所有者の会)の視察で訪問し、1月には都市住宅学会のセミナーで大湫町コミュニティ推進
協議会による空き家対策の話を伺った。
大湫宿は中山道の細久手宿と大井宿の間のかなりの高台に位置しており、140世帯、
340人ほどの小さなまちである。徒歩の旅で2度訪問しているのは、鉄道駅の関係でここを
中継点とせざるを得なかったのだが、最寄り駅は徒歩で1時間近くかかる釜戸駅。最初は
延々とした下りを歩き、2回目はその坂道を延々と歩く。そのおかげで大湫宿がどれほどの
高台にあるかを実感できた。
この大湫宿には登録有形文化財が4件あり、その1件が市に寄贈され、活用事業者を
市が募集していたことから活用事例として視察対象にとりあげた。外観の修理は市が行い、
集客ポイント(飲食店、ギャラリー、体験学習施設、創作活動施設、文化施設等)として
活用する事業者を9/20〜11/20にかけて募集し、3件(東京、名古屋、瑞浪)の応募が
あったという。登録文化財4件のうち3件が空き家で、うち2件が市に寄付され、1件は
H29.1より観光案内所として活用されていた。かなりの費用をかけて修復が行われ、
訪問した時は着物の展示が行われていた。
大湫町の取り組みは、昭和40年代末に第1期の転入対策の取り組みがあり、現在は
第2期の取り組みとして転入対策委員会が空き家対策に取り組み、陶芸家など10件の
転入があった。さらに、空き家の1件は区長会に寄付され活用が始められているという。
空き家問題は全国的に関心が高まってきており、もてあました所有者から市に寄付したい
という話も増加している。登録文化財においても空き家となるものが増加している。瑞浪市が
寄付を受け入れたのは登録有形文化財であるということが大きい。修復にはかなりの
費用がかかるということで、今後このような形での受け入れは難しそうだ。そのため、
区長会が引き受けるということになったということだと思われるが、区長会としてもはじめての
取り組みでまずは1ヶ所という段階のようだ。地域の人々による活用は空き家対策の
今後の方向性を示していると考えられ、注目していきたいと思う。
(石田富男)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2018/okutejuku/
☆**********************************************************************
◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
**********************************************************************☆
(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
☆**********************************************************************
◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
**********************************************************************☆
・先日は東日本大震災から7年が経ち、来月は熊本地震から2年が経過します。
日々の暮らしの中で震災の記憶が薄れていく中、毎年、地震など自然災害への備えを
確認するいい機会だと思い、我が家でも再確認しました。
(T.A.)
#######################################################################
◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
http://www.spacia.co.jp/mm/
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
-----------------------------------------------------------------------
(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル8階
TEL 052-242-3262 FAX 052-242-3261
URL http://www.spacia.co.jp/
#######################################################################