スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第446号]2017/8/29□ □配信数 732□
スペーシア・メールマガジンの第446号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆名古屋まちづくり情報◆
・中庭を介して共存する木の薫る小学校と住民の交流施設−新城市作手
◆視察レポート◆
・FUKUOKA growth next〜旧小学校の跡地活用〜
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○中庭を介して共存する木の薫る小学校と住民の交流施設−新城市作手○
木造都市研究会「木愛の会」の見学会で、この4月に完成した新城市作手地区のつくで
交流館と作手小学校、及び 2015年6月に開所した新城市作手総合支所を訪問した。
この3つの施設は、作手総合施設整備事業として実施されたもので、旧開発センター
跡地に作手総合支所が建てられ、旧作手総合支所跡地に開発センターの代わりの
つくで交流館と旧作手地区の4小学校の統廃合に伴う作手小学校が建設された。設計に
あたっては事業者選定のプロポーザルが実施され、東畑建築事務所名古屋事務所が
選定され、住民ワークショップを行いながら設計が取りまとめられた。
作手総合支所は木造平屋。その北側に木造を基調とした一体的な施設として、木の香りが
薫る小学校と住民たちが文化芸術に親しむ憩いの場が芝生の中庭を介して共存している。
木造の校舎とするため、1000平米以下に分棟し、RCの渡り廊下でつなぐという手法が
とられている。木を美しくみせており、随所に木へのこだわりが感じられる。
児童は全校で80名。6学年の教室がグランドに面して並び、それぞの教室の前に玄関が
ある。反対側に広い廊下があり、特別教室や体育館、給食室、職員室、さらにはつくで
交流館につながる。教室はやや狭いが、廊下と一体的に使うこともできる。
つくで交流館のホールは当初、多目的ホールとして想定されていたものが、そのような
施設はほかにもあるというワークショップでの議論を受け、音響にこだわったホールとして
作られた。コンサートや住民の音楽活動に使われるほか、小学校の授業でも使われるという。
様々な工夫が各所にあり、見所満載といった感じであったが、それとともに興味深かった
のが、「そうじ世界一」という貼り紙。色違いの名前の書かれた紙が校舎の図面に貼ってある。
1年から6年の縦割りグループが分担して掃除をしているのだ。
学年1クラスの場合、仲間が固定されてしまって好ましくないといわれる場合もあるが、
縦割りグループであれば毎年新しい仲間が加わる。こんな小学校で子どもを学ばせたい
と思わせる小学校だった。
(石田富男)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2017/tsukude/
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◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○FUKUOKA growth next〜旧小学校の跡地活用〜○
近年、名古屋市内でも小学校の統廃合とその後の跡地活用が課題となっており、
その関連で他都市の活用事例を幾つか視察してきている。今回、福岡市で旧小学校を
活用した「FUKUOKA growth next」を訪問した。
FUKUOKA growth next は、福岡市中心部の天神地区にある旧大名小学校(2014年3月
閉校)の跡地に2017年4月にオープンした官民共働型のスタートアップ(創業)支援施設
である。福岡市と福岡地所(株)、さくらインターネット(株)、(株)アパマンショップホール
ディングスの3社が主体となり、常駐するスタッフも出して創業した企業、第二創業への
支援などを行っている。施設内にはチームルーム(個室・42室、7m2〜30m2)、コワーキング
スペース(フリー席・100席程)、シェアオフィス(固定席・60席程)が整備され、1階には
カフェ・バー、DIYスタジオなどが設置され、学生や一般の人でも入りやすい空間となって
いる。
また、1階に設置されたスタートアップカフェは2014年10月に天神地区内の別の場所に
オープンしており、民間のコンシェルジュが常駐し、起業の準備や相談ができる場所として
これまでに3000名以上が相談し、50社以上が創業してきている。スタートアップカフェには
2014年11月に厚生労働省の関連である福岡市雇用労働相談センターも併設され、創業者の
運営を円滑にするための弁護士、社労士に無料で相談することができる。スタートアップ
カフェと雇用労働相談センターは、FUKUOKA growth nextのオープンとともに移転開設された。
FUKUOKA growth nextができた要因の一つに、先行してスタートアップカフェや雇用
労働相談センターを開設しており、官民共働による創業・雇用支援の仕組みが充実して
いたことが挙げられると思う。施設内の構成、リノベーションの仕方など参考になる施設
だった。
(浅野健)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2017/fukuoka_gn/
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・今回の記事は、統合した小学校・市役所支所・交流館の新規施設と、廃校となった
旧小学校の跡地活用の事例でした。小学校跡地活用の事例としては、他にも最近、
四日市市三浜文化会館(旧三浜小学校)に訪れる機会があり、市民の芸術文化活動の
練習、発表の場としてよく利用されていました。
貴重な公有地を活用した好事例について、今後も出張で立ち寄ったりする時のテーマの
一つとしたいと考えています。
(T.A)
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を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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