スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第430号]2017/1/20□ □配信数 735□
スペーシア・メールマガジンの第430号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・次世代へつなごう!まちの未来
◆名古屋まちづくり情報◆
・着物de文化財−愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会(愛知登文会)の取組み−
◆図書紹介◆
・生き返るマンション死ぬマンション−あなたのマンションは資産かお荷物か−
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 平成28年度 (公社)愛知建築士会 女性委員会事業 ○
セミナーテーマ
「縮退社会における建築再生と不動産コミュニティ
〜不動産についてもっと識ることで拡がる新たな可能性〜」
平成28年度女性委員会 「第26回わたしらしい住まいづくり」事業の一環で、毎年
恒例のセミナーを開催いたします。講師には、建築企画分野のパイオニアである
田村誠邦氏をお迎えし、縮退社会の課題解決のカギとなる建築再生やコミュニティ
の活用を進めるコツやこれからの時代の建築士の役割や可能性について、また、
不動産オーナーや管理者の皆さんがキーマンであること等、不動産について識る
ことで拡がる新たな可能性について、お話いただきます。
相続した空き家や空きビル等を持て余しているオーナーや、建築再生のアイデア
はあるけれど資金集め等事業化に困っている建築士等、まちを魅力的にしたいと
おもう多くの皆さまにご参加いただき、交流の機会にもなれば幸いと存じます。
開催概要につきましては以下の通りです。
・開催日時 : 平成29年2月19日(日)14:00〜16:00
・会場 : 名古屋都市センター まちづくり広場 ホール
名古屋市中区金山一丁目1番1号.金山南ビル11F
TEL : 052-678-2200
・講師 : 田村誠邦氏 (愛称「困った時の田村さん」) 建築コンサルタント
潟Aークブレイン代表取締役、明治大学工学部特任教授、
工学博士、一級建築士、不動産鑑定士、
森ビル「アーク都市塾」講師、企画・マネー・建築再生の素進め方等著書多数。
・対象 : 一般市民 ( 建築・まちづくり関係者、学生、不動産のオーナー・管理者ほか)
・定員 : 100名程度
・資料代 : 500円
・主催 : (公社)愛知建築士会女性委員会 (お問合せ TEL : 052-201-2201)
※詳細は、主催者HP をご覧ください。
◎お申込み
・主催者HP (http://afa.asanet.or.jp/)内のメールフォームから
・或いは、チラシの申込書を FAX 052-201-3601 へ
〜 晴ハレ住環境設計の江上 一枝様より情報提供いただきました〜
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○着物de文化財−愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会(愛知登文会)の取組み−○
「着物で街歩き」といった取組みが歴史的町並みの残る地区でよく行われている。歴史的
景観と着物がよくマッチし、参加する人もその姿をみる人も心地よい感じがするからだろう。
街歩きのみならず、文化財建造物とそこにマッチした文化的体験を組み合わせ、文化財の
魅力を知るとともに楽しんでもらおうというのが「着物de文化財」である。愛知登文会の
新規事業として実施したもので、文化財の活用を推進にむけたビジネスモデルを検討
するためのモニターツアーという位置づけである。
半田市の小栗家住宅を会場とし、外国人をモニターとして、@着物体験(女性のみ)、
A文化財に対するレクチャー(英語、日本語)、B習字体験(名前の記帳)、Cお茶体験、
D写真撮影を実施した。@Dは着物レンタルと写真撮影を行う事業者が担当し、ABCは
所有者が講師となった。
参加者にとっては、どれもが初めての体験だったようで満足度が高く、楽しんでいる様子が
うかがえた。撮影写真では習字体験の写真が好評であり、真剣な眼差しで記帳している
写真はよい記念となったようだ。参加費はいくらぐらいが適当かという問いかけには「3,000円
程度」という回答が最も多く、一定の費用負担をしてもこのような体験をしたいというニーズは
あるといえよう。
しかし、ビジネスモデルとしては今回の実施経費を3,000円という参加費だけで回収する
ことはできない。着付けには時間もかかり、多くの参加者を受け入れることができないという
課題もある。一方、着物のレンタルを行っている事業者にとっては、着物レンタルの機会が
増えることは望ましく、PR効果があることを考えると赤字がでなければよいという考え方も
できる。民間事業者が取り組みたいと思えるようなモデルの構築の検討が必要だと感じた。
(石田富男)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2017/tobunkaikimono/
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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○生き返るマンション死ぬマンション−あなたのマンションは資産かお荷物か−○
萩原博子 著/文藝春秋/2016年12月20日
近年、首都圏を中心にマンション建設が進むが、あわせて中古マンション大量供給
時代へ突入し、ストックは623万戸、うち築年数30年以上は162万戸を数える(本書より)。
近い将来これらが建替え時期を迎えるが、そうしたマンションの今と今後が本書のテーマ
である。
本書のタイトルからでも、マンションの行く末が気になるが、本書前半では問題を抱える
マンションとその所有者の今が紹介されている。マンションに明るい未来や夢を託し
購入した人も多い中、近年は不安になる話題が続いた。設計士による耐震偽装問題や
大量供給によるマンションバブル 、リーマンショックによるローン破綻、更には安心と
思われた大手販売会社物件での偽装データ基礎工事により傾くマンション等だ。
また、そうした諸問題とともに、築年数の経過とあわせて住民の高齢化による二重の
老いも話題になりつつあり、将来的な法整備も含めその対策が求められている。
何かと問題を抱えながらもなお建設され続けるマンションだが、将来に亘り資産価値を
高め維持していくための一案として、マンション管理に経済的視点をもち所有者主導の
管理(自主管理)をあげている。自主管理は、他人や業者に任せず自らの手で資産を守る
手法として理想的な取組だが、現実的に自主管理が機能している組合がどれほどあるのか
未知数だ。その中でも住民の高い意識のもとで自主管理に取組んだ管理組合が、取組み
内容を交え紹介されている。マンションへの価値観は様々でも、管理への意識は共通認識を
もち、主体的な関わりが求められる。それにより、住まいとしての魅力や資産価値向上に
つながることが示されている。
マンションを生かすも殺すも居住者の意識と行動力が大きいといえるが、最近では
マンション住民間の挨拶禁止のルール化や国土交通省が示す最新の標準管理規約では
管理組合業務から「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」が削除
されるなど、適切なマンション管理には欠かせないと思われてきた住民同士のコミュニケイション
について不安を感じる動きもある。
本書に登場したある管理組合理事長は、50年前には人々の暮らしがあったが今は廃虚と
なった長崎の軍艦島を例にあげ、「自分達のマンションが50年後も健在し、愛されているよう
今から布石をうたなければならない」と語っている。将来、未来版軍艦島が現れていない
ことを願う。
(村井亮治)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・東海地方で先週末に本格的にあった積雪ですが、名古屋周辺ではほぼ雪は溶けて
いますが、昨日三重県方面に行く機会があり、近鉄線の車窓から見た景色はまるで
雪国のようでした。訪問先でお聞きしたら、2、3日雪かきに追われたとのことでした。
まだしばらく、積雪には注意が必要なようで、みなさま、お気をつけください。
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル8階
TEL 052-242-3262 FAX 052-242-3261
URL http://www.spacia.co.jp/
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