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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)   □[第384号]2015/4/3□  □配信数 736□


スペーシア・メールマガジンの第384号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
 ◆まちのトピック◆
 ・愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会 4月交流会
  公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりをみる!!
  〜富山市グランドプラザと富山駅周辺整備を通して〜
 ◆視察レポート◆
 ・長崎は今日もいい街だった
 ◆図書紹介◆
 ・「3.11以後の建築 社会と建築家の新しい関係」/五十嵐太郎・山崎亮 編著
 ◆読者の声◆
 ◆スペーシアのこの頃◆

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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会 4月交流会○
 公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりをみる!!
 〜富山市グランドプラザと富山駅周辺整備を通して〜

【場所】富山市
【時間】8:00〜20:00(8時に名古屋駅太閤通口集合:貸切バスにて移動)
【主な内容】
 1.富山市による取り組みのご説明
 2.中心市街地活性化事業の視察
 3.富山駅周辺整備の視察
【参加費】おひとり3,000円
(現地視察の際に路面電車で移動しますので、別途交通費400円をご用意ください)
【定員】30名程
【申込先】協議会事務局machi@ai-machicon2014.sakura.ne.jp
【申込締切】 4月20日(月)

→愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会ホームページ
http://ai-machicon.com/

〜スペーシア・浅野健〜

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◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○長崎は今日もいい街だった○

 本年2月、久しぶりに長崎を訪れる機会を得た。タクシーに乗って運転手さんに話し
かけると40分の乗車している間、お国自慢と郷土解説が止まらなかった。なにしろ長崎は
江戸時代には天領であり、海外貿易(対オランダ、中国)の唯一の場所である出島があり、
昭和の時代は原爆が投下された唯二の都市でもあり、郷土愛は非常に強いものが
あるようだ。
 歩くと至る所に“日本初”のキーワードを掲げる看板がある。缶詰製造、バトミントン、
ボウリング場、鉄橋、西洋料理、コーヒー、気球飛行、英字新聞、けん玉、じゃんけん
等々。確かに鎖国してからの海外窓口は長崎なので、“日本初”の多さは納得できる。
教会めぐりも観光資源になっている。県下の教会数は多くないが、人口当たりでは第5位で
ある(ちなみに第1位は沖縄県で、教会密度は長崎県の倍近い)。そこは量でなく質
(物語)が重要である。キリシタンの町「東洋のローマ」と言われながらも1644年の禁教令の
もとで弾圧された歴史がある。しかし、そうした厳しい時代220余年を潜り抜け、1865年、
浦上の信徒が発見されて、「世界宗教史の奇跡」と呼ばれ、浦上の丘に東洋一の浦上
天主堂が建てられるも原爆で壊滅し、また復興を遂げる……。こうした歴史的背景の
ものに「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産への暫定登録がなされ、
本格的登録にむけて準備が進められている。
 坂道の多い独自の風景・景観と数多くの物語が詰まった長崎市は、観光のあり方として
「長崎さるく」(長崎を「うろつきまわる」という意味)を打ち出した。当初は博覧会形式で
実施(2006年)し、今は観光手法として定着している。マップを片手に特色ある長崎を
自由にまち歩きする「遊さるく」、地元名物ガイドといっしょにまち歩きを楽しむ「通さるく」、
専門家による講座や体験を通して深く探求できる「学さるく」、美味しい長崎を味わう「食さるく」
などがある。最新データ(2012)では、統計的に把握できない「遊さるく」を除いて3.7万人
であった。なお、ここ5年間では2010年の5.1万人が最大である。
 長崎にはいろいろ観光資源があるが、忘れてならないのは、いわゆる「軍艦島」(正式には
端島)である。1810年に端島で石炭が発見され、本格的採鉱される1869年から閉山される
1974年までの105年間の歴史を有する。長崎港から18km、現在の面積6.3ha(うち居住地
3.78ha)、そこに最大5,300人が暮らしていたので、居住地面積あたりは世界一になるそうだ。
香港も人口密度では負けるのである。ここにも日本初がある。鉄筋コンクリート造の高層
アパートがそれだ。教会群とどうようにこの軍艦島も世界遺産暫定リストに組み入れられて
いる。軍艦島上陸ツアーも開催され、30分で長崎港から軍艦島まで行き、周遊・上陸で
80分、帰港で30分の所要時間であり、土日や夏休み等では4,200円/人の費用がかかる。
上陸と言っても奥まで入れず、外周を少し歩きながら、建物を眺望するという感じである。
いつ何時崩壊するかもしれないリスクを負うから仕方がない。バルセロナのサグラダ
ファミリア教会は今だ建設途上の世界遺産であるが、軍艦島はその対極にある時間
とともに朽ちていく世界遺産になるのであろうか。
 長崎は多くの歌にうたわれ、映画や小説の舞台にもなり、郷土愛を奮い立たせる素材
には事欠かない。当事者意識を持った市民が支える長崎は、ある意味シビックプライドの
代表的な都市ではないか。今でも、運転手さんの声が頭の中で響いている。
(井澤知旦)

→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2015/nagasaki/

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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○「3.11以後の建築 社会と建築家の新しい関係」/五十嵐太郎・山崎亮 編著○
 学芸出版社/2014年11月15日発行

 東日本大震災から4年が経過し、自分自身も含めて社会は何が変わって、これから
何を変えていかなくてはいけないのか改めて考えてみたいと思い、手に取ったのが
本著である。本著は、金沢21世紀美術館で開催中(2014年11月1日〜2015年5月10日)の
展覧会「3.11以後の建築」に関連し出版された図録であり、ゲストキュレーターである
五十嵐氏と山崎氏が東日本大震災以後に、より重要視されることになった建築家の
取り組みを7つの傾向に分類し、20以上の取り組みが紹介されている。
 「災害後に活動する」、「使い手とつくる」など7つの傾向に分類された取り組みは、
建築家ボランティアがまちの人とつくった「逃げ地図」や建築家が使い手とともに考え
設計する公共施設など、どれも社会や建築家の役割が変化している中で建築家が
挑戦している新しい取り組みであり、現在進行中のプロジェクトも含まれている。また、
携わっている建築家自身の言葉で紹介されており、取り組みの経緯だけでなくその
思いも十分に感じることができる。中でも復興作業に携わっている小野田泰明氏が
述べている「もちろん本展覧会に取り上げられた試みは、良質なものばかりであるが、
それでも復興の現実やそこにおける建築人の役割全体を表象しているわけではない」
という一文が非常に印象に残った。
 東日本大震災について改めて考える機会を与えてくれる一冊であり、展覧会にも
足を運んでみたいと思う。
(山崎 崇)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・まちのトピックでも書きましたが、4月23日に愛知まちコンの交流会があります。会員向けの
 交流会ですが、会員以外の方も受け付けますので、よろしければご参加ください。

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を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル8階
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URL http://www.spacia.co.jp/
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