スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第362号]2014/5/29□ □配信数 739□
スペーシア・メールマガジンの第362号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・都市住宅学会中部支部2014年度第1回研究交流会
「福島・原発被災地の震災復興まちづくり報告会」
◆名古屋まちづくり情報◆
・こども文化財体験(名古屋市緑区有松・棚橋家住宅)
◆住まい・まちづくりコラム◆
・統計データの困った話
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○都市住宅学会中部支部2014年度第1回研究交流会○
「福島・原発被災地の震災復興まちづくり報告会」
■講師
間野 博 先生
(福島大学 うつくしまふくしま未来支援センター 特任研究員、広島県立大学名誉教授)
【内容】
福島第一原発立地自治体である双葉町の復興推進委員会の委員長と
その北隣りの浪江町の復興推進アドバイザーをしています。
それを通じて分かってきた、原発被災地の過酷な現状と、
その中で策定されている「復興まちづくり計画」について紹介し、
その特殊性・厳しさ等について報告したいと思っています。
■日時
2014年6月5日(木) 午後2時〜4時
■会場
名城大学名駅サテライトMSAT・多目的室
(KDX 名古屋駅前ビル13 階、052-551-1666)
■備考
参加費無料、事前申し込み不要
■案内チラシ
以下よりダウンロードできます。
http://www.uhs.gr.jp/chubu/kiroku/2014/140605/140605.pdf
主催:都市住宅学会中部支部
〜スペーシア・喜田〜
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○こども文化財体験(名古屋市緑区有松・棚橋家住宅)○
活動のお手伝いをさせていただいている愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会
(略称:愛知登文会)が、平成23年設立以後継続実施している小中学生を対象にした
「こども文化財体験事業」の今年度1回目が先日名古屋市緑区有松にある「棚橋家住宅」
で開催された。
この「こども文化財体験事業」は、こども達に身近にある文化財建造物に親しんでもらい
地域への愛着を高めてもらうとともに、これをきっかけにして文化財の保存・活用や
まちづくりの将来の協力者に育ってもらおうという目的で実施され、国登録有形文化財の
建物についてのお話と文化体験を組み合わせたプログラムを提供している。
今回実施された棚橋家住宅は、元は有松を代表する絞り問屋服部家の住宅であったが、
昭和7(1932)年に無医村であった有松で開業することになった棚橋家が当時空き家で
あった服部家住宅を購入し医院を開業、以来約50年に渡って地域住民にも親しまれてきた
建物だ。医院は昭和63(1988)年に移転しその後長年空き家となっているが、建物は旧状を
維持し、正面2階と側面の白い塗籠(ぬりごめ)の外壁は有松の商家の特徴をよく表している。
平成21(2009)年の国登録文化財登録を契機に、今後も大切に守っていきたいという所有者の
想いから改修工事が行われた。築138年のこの建物は、所有者や使用用途の変化に伴い、
特に内部は様々な改造が行われてきたが、今回の改修工事では棚橋家が購入した時点を
改修の焦点とし、医院開業で改造されていた1階点滴室部分等は元の座敷の姿に
戻されている。
今回実施した「こども文化財体験事業」では、『見たり、聞いたり、伝えたり 〜有松の
古民家で再発見〜』というテーマで、はじめに、大梁がみえる2階の空間で所有者及び
改修工事を担当された建築士より、棚橋家住宅のお話や建物の特徴をわかりやすく
解説いただき、後半は1階の座敷でNPO法人さわやか絵手紙の会による絵手紙教室を
実施した。建物解説では、内部だけでなく外観も見学し、復元された鬼瓦には服部家の
屋号「大井桁」の紋と棚橋家の紋が施されていることなどを伺った。こども達からは
「138年もほぼそのまま残っていてすごい」「天井の上が空洞になっていて骨組みが
見えて驚いた」といった感想が聞かれた。
現在、建物の通常公開はされていないが、年に数回は地域のお祭りや特別の時に
貸し出しが行われている。所有者の意向で今後はさらに活用を広げていきたいとの
話もあり、どのような形で活用が進められるか、愛知登文会でも考えていきたいと思う。
(喜田祥子)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2014/tanahashike/
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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○統計データの困った話○
仕事柄、統計データをよく扱います。例えば、まちを見るとき、過去の統計データを
集めてきて10年、20年など経年的に同じ数値を追って、動向を把握したりします。世間が
感覚で言われているまちの変化が数値的にみるとどうなのか、客観的に判断するためにも
データによる分析は欠かせません(データだけで十分かというとそうではないですが・・・)。
しかし、最近困ったことにデータそのものがないとか、あっても使えないということが
ありました。具体例を2つ挙げます。
ひとつは商業統計の件です。経済産業省が昭和27年から全国の卸・小売業の事業所を
対象に行ってきた統計調査で、まちの商店数や年間販売額などが把握できます。3年くらい
おきに長らく実施されてきたのですが、平成19年以来実施されておらず、次回は平成26年と
なっています。6年も間が空きます。その間の数値は追えません。代わりに、経済センサス
という「経済の国勢調査」とも言われる国の産業構造全体を一斉に明らかにする新しい
統計調査がはじまり、21、24年に調査が行われました。それまであった産業分野の統計
調査は包含されて、廃止されたり、中止になったりしました。商業統計もこの期間、中止
された調査のひとつです。ちなみに経済センサス(24年活動調査)でも商業統計と同じように
商店数、販売額は調べていますので、経年的に数値を見たいのであれば、センサスと
商業統計をつながればいいのではと思ったのですが、ことはそう単純ではなく、調査が
違うために「集計対象が異なる」ので、単純に数値を横並びでは比較できないのです。
補正方法も見当たらず、今のところ参考値扱いです。19年から24年といえば、その間には
リーマンショックがあり、経済はとても大きく変動した期間です。なのに、その変化を同じ
目線(調査)で追えない、もどかしさがあります。何とかしてほしいものです。
ふたつ目は、国勢調査など国の調査結果をもとに、自治体が独自に再集計して、学区
などオリジナルの細かい地域単位で数値を推計して公表したりしています。昼間人口や
先の商業統計がそうでした。また、交通量など自治体が独自に調査機関を雇って、定期
調査を行っているものもあります。これらもまちを見るための貴重なデータでした。しかし、
昨今の厳しい懐具合が影響してか、そういった独自集計や独自調査を今後止める(もしくは
もう止めた)という声を聞きました。大袈裟ですが、データが途絶えるということはまちを
見る視点をひとつ失うということで、非常にもったいないことです。単純に切るのは簡単
ですが、まちを見る視点を再度見極めた上で、要る調査(統計)、要らない調査(統計)を
分類し、体系立った視点から調査(統計)を再考してもらえればと思いました。
(櫻井高志)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・先日、名古屋市営地下鉄のバリアフリーに対するお話しを聞く機会がありました。栄駅で
50年前にエスカレーターを設置したのに始まり、昨年5月に地下鉄全駅でエレベーターが
設置されて、バリアフリールートが備わったとのこと。知られざる歴史を知ることが
できました。(T.A)
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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