スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第317号]2012/8/27□ □配信数 803□
スペーシア・メールマガジンの第317号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆名古屋まちづくり情報◆
・伝統を今に伝える「のんぼり屋」
・名古屋市での舟運復活の動き
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○伝統を今に伝える「のんぼり屋」(愛知県岩倉市)○
先日、岩倉市にある「のんぼり屋」の工房を見学させていただく機会があった。
日本さくら名所100選にも選ばれている五条川の桜並木で有名な岩倉市だが、毎年2月
から4月初旬にかけて五条川で行われる鯉のぼりの糊落とし「のんぼり洗い」も、その
時期の風物詩となっている。五条川に浮かぶ色鮮やかな鯉のぼりを見ようと、毎年多くの
人が見物に訪れている。この「のんぼり洗い」から、鯉のぼりを制作する旗屋は「のんぼり屋」
という愛称で呼ばれている。
「のんぼり屋」はかつては五条川沿いに4軒続いてあったという話だが、現在は五条川
沿いに2軒のみとなっている。今回見学させていただいた「旗屋中島屋代助商店」は、
嘉永元年(1848年)に紺屋(こうや=染め物屋)として創業され、明治初年にのぼり屋を
始められた旗屋だ。現在は、鯉のぼりだけでなく、旗、幕、のぼり、暖簾、風呂敷などが
制作されている。
鯉のぼりづくりの工程では伝統的な技法が守られており、当然ながら「のんぼり洗い」も
数百年前から続く光景である。川で洗い落とされる糊は、染色しない部分に防染の役割
として描かれるものだが、材料は米ぬかと塩で作られており、生物に無害のため川の
魚が餌として食べることで川の浄化も自然となされている。先人がそこまで考えていた
ことに大変驚いたが、お話をうかがう中で、現代の技術に頼ることなくそれらの伝統を
守り受け継いでいる職人の強い気持ちがひしひしと伝わってきた。次に「のんぼり洗い」や
のんぼり屋の鯉のぼりを見かけたときは、これまでとは違った気持ちで眺めてみたい。
(喜田祥子)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2012/iwakura/
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○名古屋市での舟運復活の動き○
名古屋市では6月に、中川運河、堀川、名古屋港、また海を挟み七里の渡しで結ばれて
いた桑名をルートに想定した水上交通、舟運の運航復活を進めるべく「水上交通網推進
プラットフォーム」を立ち上げた。民学官がメンバーとなっており、舟運の関する情報共有や
課題、将来運航イメージの検討を行っていく。何度かの社会実験を経て、○年後には
本格的な舟運を走らせたいという。
名古屋市では、中川運河再生計画、堀川まちづくり構想がもうすぐ策定され、ようやく
水辺活用に注力していくことになる。舟運をはじめ、計画が進めば、川という新たな魅力が
まちに加わり、市民の関心も高まるだろう。
かつて明治初期までは舟運は主要な交通手段であった。また現代のような治水のための
堤防もないため、人々は川と正面から向き合っていた。川に向くことで、川沿いにある山や
森をはじめ自然のこと、まちのことを今より多く理解していた。ある研究者は、日本人の
自然観は川に堤防を造ったときに崩壊した、と言っている。また、川を見れば、そのまちの
文化度がわかる、ともよく言われる。名古屋市の川は今どうか?
舟運復活が観光やまちづくりのツールとして大いににぎわうことは当然期待することだが、
同時に川と向き合い、自然を知る、まちを知るきっかけにもしてもらいたいと思う。
(櫻井高志)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・先日、愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会の8月交流会で、車いす体験を実施
しました。AJU自立の家のご協力を得て車いすを8台お借りし、16人の参加者が2組に
分かれて約1kmの道のりを往復しました。車いす体験の経験がある参加者は少なく、
道路上のわずかな水勾配(水を流すため傾斜)でも車いすでまっすぐ進むのにみなさん
苦労していたようです。普通に歩くのなら全く気にならない道路を車いすで通ることにより、
バリアフリーの重要性を改めて考える一日となりました。
なお、道路の水勾配のために、右手だけで車いすをこぐ箇所が多く、右手の親指に
マメができました。(T.A)
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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