スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第306号]2012/3/26□ □配信数 798□
スペーシア・メールマガジンの第306号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆名古屋まちづくり情報◆
・名進研小学校 見学会
◆住まい・まちづくりコラム◆
・観光ボランティアガイドを対象とした登録有形文化財・見学講習
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○名進研小学校 見学会○
この春に開校する名進研小学校を見学した。名進研小学校は東海地区では初となる
進学塾が運営する小学校で、進学塾のノウハウを活かし、公立の小学校より1,345時間も
多い授業時間を確保することで、塾へ通わせなくても有名校への進学率が高い教育が
受けられる。1クラス30名、各学年3クラスの編成で総児童数は540名の予定。平日は
6時限、土曜3時限のカリキュラムが組まれている。また、情操教育にも力を入れており、
施設にはその意気込みを随所に感じ取ることができた。場所は名古屋市守山区の自然が
多く残っている丘陵地にある。敷地はもともと山林で、自然環境とうまく調和する建物を
作ることがコンセプトとなった。
建物は教室棟と体育館を含む管理棟から成り、それらが谷を挟んでブリッジで結ばれて
いる。教室棟は地形の傾斜に合わせセットバックしていく階段状の構成が魅力的な教室を
生み出している。各教室には目の前のテラスに専用の庭が設けられ、さらにはグランドへ
直接出られる階段も作られている。建物後ろ側は地下となるが、換気ピットが設置されて
おり、外気を取り入れ循環させる仕組みが施されているため湿気や結露に悩まされる
心配がない。また、建物の奥が暗くならないように、上部のテラスからトップライトで光を
入れ、さらに一部には最新式の光ダクトというシステムも採用されている。屋外には元の
谷地を利用したビオトープをはじめ、多くの自然観察の場を整備している。管理棟にある
ランチルームには能舞台や茶室も設けられており、子供にはあまりなじみの無い日本の
伝統文化に接する機会も増えるだろう。さらに教室棟北側には乗馬場も作られている。
名古屋の私立小学校としては椙山女学園大学付属小学校、南山大学付属小学校に続
く3校目であるが、名進研小学校には直営の中学校がないため受験も必要となる。しかし、
この学校にはただ受験勉強のための施設という雰囲気は無く、自然の中で伸び伸びと
勉強ができる環境を創造している点が魅力的である。
(堀内 研自)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2012/meishinken/
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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○観光ボランティアガイドを対象とした登録有形文化財・見学講習○
昨年6月に発足した愛知県国登録文化財建造物所有者の会(略称:愛知登文会)では
登録有形文化財の保存と活用に係る活動として各種活動を行っているが、その1つとして
観光ボランティアガイドの方を対象として、登録有形文化財の魅力を知ってもらうための
見学講習を行っている。所有者や建築についての専門家の話を聞きながら建造物を
みてもらうことによって、その魅力を肌で感じてもらい、まち案内の際に多くの市民の方に
伝えてもらおうという取り組みである。
今年度は県内4カ所(碧南市:九重味淋、豊橋市:安久美神戸神明社、犬山市:井上家
住宅・伊藤家住宅、名古屋市:名古屋陶磁器会館)において、地元の観光ボランティア
ガイドの方に呼びかけ、建物所有者の協力のもと見学講習を実施した。
九重味淋は日本最古のみりん専業メーカーであり、本社工場の大蔵が登録有形文化財に
なっている。碧南市大浜地区の景観を特徴づける建物であり、大浜てらまち案内人の会の
方々にとっても馴染みの建物であるが、大蔵の2階にあがったのは初めて。登録の際に
所見を書かれた河田先生(名工大教授)から、この建物が220年前に名古屋市緑区から
移築改造され、その痕跡が残っていることが解説された。九重味淋の関係者も初めて
知ったということで、建物の価値が再認識される場となった。
安久美神戸神明社は豊橋公園の南に位置しており、天下の奇祭「鬼祭」で有名である。
周辺には豊橋ハリストス正教会(重要文化財)、豊橋市公会堂(登録有形文化財)があり、
ほの国豊橋案内人の方々にとっても馴染みのある建物であるが、社寺建築の専門家で
ある杉野先生(愛工大教授)から、他の神社建築と比較する中で神明社の建物について
解説していただき、日本の社寺建築の中での位置づけというものについても理解して
いただくことができた。
犬山市は愛知県内で最も登録有形文化財の数が多いところであり、城下町の16の
町家も登録有形文化財となっている。そのうちの2つの町家で、普段見せてもらえない
中庭や建物の内部、蔵などを見せていただいた。どちらも建物の一部をテナントとしており、
犬山城下町の賑わいづくりに貢献している。所有者から建物保存に対する思いを聞かせて
いただくことができ、犬山の城下町に詳しいナイスで犬山の方々からも多くの質問が出され、
関心の高さが示された。
名古屋陶磁器会館は愛知登文会の事務局があり、陶磁器の展示や体験教室のほか
ALWAYS三丁目の夕日’64の映画ロケの場所としても活用されるなど、歴史的建築物の
保存・活用に先進的に取り組んでいる。登録の際に所見を書かれた畔柳先生(元名城大
講師)から表現主義的建築の建築様式の魅力を解説いただき、日頃建物を目にしている
なごや歴史ナビの会・郷土史会の方々も建築当時の建物と現在の建物の違いなど認識を
新たにする場となった。
今回、この事業の実施を担当させてもらったわけだが、いずれの建物も所有者が愛着を
持ち大事にされていることを感じるとともに、観光ガイドボランティアの方が高い関心を持ち、
熱心に質問されていた姿が印象的であった。興味深い取り組みに関わらせてもらったことを
感謝したい。
(石田富男)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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