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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)   [第290号]2011/8/15□ □配信数 774□


スペーシア・メールマガジンの第290号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆まちのトピック◆
  ・つかさのまち夢プロジェクト 第1期複合施設設計シンポジウム
  ・団地再生設計賞展・シンポジウム
  ◆住まい・まちづくりコラム◆
  ・三重県のバリアフリー・ユニバーサルデザイン事情
  ◆図書紹介◆
  ・小舟木エコ村ものがたり 〜つながる暮らし、はぐくむ未来〜
  ◆読者の声◆
  ◆スペーシアのこの頃◆

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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○つかさのまち夢プロジェクト 第1期複合施設設計シンポジウム○

 岐阜大学医学部等跡地の北側に(仮称)中央図書館、(仮称)市民活動
交流センター、展示ギャラリー等からなる複合施設を建設し、併せて
(仮称)憩い・にぎわい広場も整備していく計画です。
  その設計を世界的に著名な建築家である伊藤豊雄氏とともに進めています。
 
日時:平成23年8月27日(土) 13:30〜(13:00開場)
場所:長良川国際会議場メインホール(さらさ〜ら)

第1部 伊藤豊雄氏による基本設計(案)の説明
  説明者:伊藤豊雄氏(株式会社 伊藤豊雄建築設計事務所 代表取締役)

第2部 パネルディスカッション
     「つかさのまち夢プロジェクト第1期整備が果たす役割」    
  コーディネーター:北川原 温氏(東京藝術大学美術学部教授)
  パネリスト:伊藤豊雄氏
        大竹寛子氏(日本画家 東京藝術大学美術学部助手 岐阜市出身)
        林正子氏(岐阜大学 副学長・地域科学部 教授)
        山田法胤師(法相宗大本山薬師寺管主)

主催:岐阜市
お問い合せ:岐阜市都市建設部拠点整備課
       〒500-8701 岐阜市今沢町18番地
       TEL 058-265-4141(内線2881)

●基本設計(案)を公表!
  パネルなどを展示しています。
  併せて市民の皆様のご意見を募集しています。
場所:岐阜市役所本庁舎1階 市民ホール
時間:午前8時45分〜午後5時30分
期間:平成23年8月8日(月)〜8月25日(水)(※土日、16日(火)、17日(水)を除く)
内容:模型、説明パネル、小学6年生によるイメージ画 など

〜岐阜市 市街地再開発課から情報提供いただきました〜

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○団地再生設計賞展・シンポジウム○

●展示概要
「第8回団地再生卒業設計賞展・名古屋展」
期間:2011.9.6〜19
場所:名古屋都市センター11階
入場無料・9/12定休

●シンポジウム概要
「高蔵寺ニュータウンの未来像」
日時:2011.9.14(水) 午後14時〜17時半
場所:名古屋都市センター 11F 大研修室(定員80名程度)
主催:都市住宅学会中部支部住宅市場研究会住宅再生部会
一般公開・無料
プログラム:(敬称略)
  ○「団地を活かすための周辺地域の活性化 多摩ニュータウンの場合」
    角田誠(首都大学東京 教授)
  ○ドキュメンタリー映画上映
   「42年目!宝人たちの挑戦〜高蔵寺ニュータウン物語」
  ○高蔵寺ニュータウンに関する報告
   報告1「(仮)住民による高蔵寺NT再生の試み」
    曽田忠宏 NPO法人高蔵寺 再生市民会議代表
   報告2「(仮)生活者の観点から見た現在の高蔵寺の現状と問題点」
    河合 忠 春日井市商工会議所会長
   報告3「(仮)高蔵寺NTの変遷と現状」(研究報告)
    伊藤義浩 名古屋大学大学院生
  ○ディスカッション
  パネラー:角田、曽田、河合、村上心(椙山女学園大学)
  コーディネーター:納村信之(名古屋商科大学教授)

〜スペーシア・石田〜

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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○三重県のバリアフリー・ユニバーサルデザイン事情○

 NPO法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海は、2003年の設立以来、愛知県を
主な活動エリアとして「ひとにやさしいまちづくり」に取り組んできており、年1回程度、
各地の「ひとにやさしいまちづくり」「福祉のまちづくり」の視察を行う先進地スタディー
ツアーを行ってきている。その一環として、本年6月に三重県のバリアフリー・ユニバーサル
デザイン(UD)事情について視察した。

 まず、三重県健康福祉部のユニバーサルデザイングループの方へのヒアリングを実施した。
三重県では、平成11年4月に「三重県バリアフリーのまちづくり推進条例」を施行、その後
「バリアフリーからユニバーサルデザインへ」という時代の流れの中で、平成19年3月に
条例を改正して「三重県ユニバーサルデザインのまちづくり推進条例」とし、UDのまちづくりを
推進してきている。主な取組については、条例に適合した施設への適合証の交付、地域での
担い手を育成するためのUDアドバイザー養成講座やフォローアップ講座、UDアドバイザー
による学校等でのUDの講座を推進するためのUD推進担い手育成研修等がある。また、
三重県のUD条例では、その対象が施設整備だけでなく製品・情報・サービスの提供も
含んでいることが特徴だと言える、しかし、UD条例の中では、施設の整備基準が明確に
規定されているのに対し、製品・情報・サービス提供については明確な規定がなく、ようやく
今年になって県のホームページで3社4件が紹介されたという程度である。したがって、
三重県のUD施策でも主力は施設整備であろう。

 三重県のこのようなUDへの取組の思想は、今回の訪問先でも見ることができた。
具体的には、日本古来の木造寺院建築でありながらバリアフリー化整備を進めて
適合証を受けた「真宗高田派本山専修寺」(津市)、商店街全体でユニバーサルデザインの
まちづくりに取り組む「高柳商店街」(伊勢市)、まちなみ保存に取り組むNPOの活動拠点に
なっている「伊勢河崎商人館」(伊勢市)、海に関する数々の資料を所蔵し建物が建築家
内藤廣氏の設計で有名な「海の博物館」(鳥羽市)等を見学した。いずれの施設も
観光やまちづくりの面で拠点的な施設であるが、バリアフリーの点から見ても大半を
車いすで見学できるため評価できる。

 一方、まちなかに目を向けると、主要駅の駅施設のバリアフリー化工事は進みつつある
が、鉄道の高架化あるいは自由通路の整備が進んでおらず、鉄道によるまちの分断の
解消に至っていない。象徴的なのは、桑名、津、松阪、伊勢、鳥羽といった主要駅で、
いずれもJRと近鉄が接続していて鉄道の選択や乗り継ぎには便利だが、鉄道を利用せず
線路を越えて反対側に抜けたい人にとっては移動距離が長くて不便を強いられる。

 また、このツアーでは車いす使用のメンバーも参加するため、客室がバリアフリーである
宿泊施設の手配も必要である。今回は、メンバーが訪問先である津、松阪、伊勢、鳥羽、
志摩などの宿泊施設のホームページを個別に調べ、1日目は松阪駅周辺、2日目は志摩
横川駅周辺の宿泊施設を選んだ。ツアー後に改めて三重県のホームページでこれらの都市の
適合証交付施設を調べたところ、交付を受けた宿泊施設は志摩市にわずか1施設しかなく、
今回利用した宿泊施設は掲載されていないかった(三重県ホームページより最新情報を元に
確認)。新築、増築、改築、用途変更、大規模な模様替え等、いわゆる建築行為を行った
時にはUD条例の整備基準を遵守するように指導を受け、それはすなわち適合証の交付
の対象になり得るのだから、適合証施設がもっと増えてよいはずである。今回の訪問先で
交付を受けた宿泊施設が1つしかないのは少なすぎで、適合証の意義をもっと民間に啓発して
いくべきではないだろうか。

 このように、三重県としてはUDのまちづくりについて着実に取り組んでいるものの、民間への
浸透度合いを考えると更なる普及啓発を引き続き行う必要があるだろう。しかしこれは三重県だけの
課題でなく、愛知県をはじめ他の都道府県でも似た様な課題を有していると思われる。バリアフリー・
ユニバーサルデザインのまちの実現に向けては、今後も息の長い取組が必要であると改めて
感じた3日間だった。
(浅野健)

<参考>
→三重県ユニバーサルデザインのまちづくり
http://www.pref.mie.lg.jp/UD/HP/index.htm

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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○小舟木エコ村ものがたり 〜つながる暮らし、はぐくむ未来〜/NPO法人エコ村ネットワーキング○
  サンライズ出版/2011年5月30日発行

 小舟木エコ村は滋賀県近江八幡市で展開されている環境共生住宅開発プロジェクト
である。2月に視察する機会に恵まれ、そのコンセプトと開発手法に興味を覚えた。その
仕組みを学びたいと思っていたところに発刊されたのが本書である。
  本書ではエコ村での暮らしが豊かに描かれている。短時間の視察では伺い知れない
住民の活き活きとした姿がそこにある。「とりあえず、菜園をやるような人にそんなに悪い
人はいない」。「エコ村」というネーミングが、いろいろな約束事があり、敷地が広いために
価格も高いとまちに一定の意識の高い人々を集めたのだ。  「菜園」「太陽と水」「里山と
森」など、様々なつながりがエコ村を育んだ人たちからのメッセージとして語られる。
  最後の解説編が「エコ村がどのようにできたのか?」だ。興味深いのは、このまちの最も
特徴となっている「10坪以上の菜園を設置すること」というのが、農工団地計画の塩漬け地
という経緯から「農」を活かした企画として必須となったことだ。また、エコ村でありながら、
維持管理ができないという市の財政事情から街路樹が1本もない。様々な法規制や行政の
縦割りの中で紆余曲折した経緯が伺われるが、簡単な記述のためわからない部分も多い。
開発の経緯に絞った「ものがたり」をぜひ書いてほしいものだ。
(石田富男)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・8月に入り暑い日々が続いているものの通勤途中では自転車をよく見かけるのですが、
  弊社が面している久屋大通の自転車駐車スペースにある自転車の台数が減少して
  います。周辺の専門学校等が夏休みに入ったからでしょうか。
  (T.A)

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  を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
  ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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