スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第267号]2010/9/27□ □配信数 763□
スペーシア・メールマガジンの第267号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・まちとすまいの集い「使いこなす・住みこなす −都市、建築、そして資源−」
・許浚撰著『東医宝鑑』完成400年記念 国際シンポジウムのご案内
・都市住宅学会研究交流会「分譲マンションは今後どうなるのか?」
◆住まい・まちづくりコラム◆
・木造復権−木造都市づくりを考える−
◆図書紹介◆
・電柱のないまちづくり 電線類地中化の実現方法
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○まちとすまいの集い「使いこなす・住みこなす −都市、建築、そして資源−」○
毎年秋に開催しております「まちとすまいの集い」(名古屋大学建築学教室主催)が
今年は10月30日(土)に開催されます。
テーマは「使いこなす・住みこなす −都市、建築、そして資源−」です。
限られた資源をうまく使い、かつ次世代に禍根を残さない、そんな生活の仕方。ここでは
これを「使いこなす・住みこなす」生活と表現したいと思います。リユースやリサイクルが、
主に資源や材料といった、物の使われ方に主眼を置いた表現である一方で、人の物の
扱い方や利用の方法に主眼を置き、人が物の特性を生かすことを通して、使いこなし、
住みこなすことで、上手に生活することに目を向ける。ここではそんな生活の仕方を
「使いこなす・住みこなす」生活と表現しています。
前世紀で繰り広げられた、際限のない拡大再生産と資源の使い捨てによる膨大な浪費は、
私たちの生活をある面で便利にはしましたが、次世代にもそのまま引き継いで行けるような
真の豊かさをもたらすことはありませんでした。私たちはもうそのことに気づいてしまっています。
それでは、私たちの生活はこれからどのように変わっていくのか、変えていけばよいのでしょうか。
その答えの一つとして、私たちは「使いこなす・住みこなす」生活をめざそうと思います。
ところで、そんな生活の仕方はどのようにしたら実現できるのでしょうか。今回の企画
「まちとすまいの集い」では、環境や心理の評価、建築や都市の計画、構造や材料の科学の
領域で、先端的な研究を続けてきている専門家が「使いこなす・住みこなす」生活へ向けて、
それぞれの立場から今後を展望します。
タイムテーブル
12時30分〜 環境シミュレーションラボ・地域防災交流ホールの開放
13時20分〜 開会挨拶
13時30分〜 講演1「地球環境時代、どうやって暮らして行くか」(久野覚)
14時20分〜 講演2「大学キャンパスからサステナブルな都市・建築へ」(恒川和久)
15時10分〜15時20分 休憩
15時20分〜 講演3「既存建築物よよみがえれ」(勅使川原正臣)
16時10分〜 全体の質疑応答
16時30分 閉会挨拶
詳しくは、http://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/machi/ をご覧ください。
申し込みは上記HPから、もしくはお名前、ご所属、連絡先等をお書きいただいて、
machi(アット)nuac.nagoya-u.ac.jp までお送りください。(←(アット)は@にしてお送りください)
〜名古屋大学大学院・准教授 小松尚様から情報提供いただきました〜
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○許浚撰著『東医宝鑑』完成400年記念 国際シンポジウムのご案内○
韓国ドラマで人気を博しました許浚(ホジュン)が編集した『東医宝鑑』が完成して、今年は
400年に当たります。また『東医宝鑑』は昨年にユネスコの世界遺産に登録されました。
400年と世界遺産登録を記念して、「東アジアの文化交流―『東医宝鑑』 許浚、そして
東洋医学を語る」をテーマに、国際シンポジウムを下記の要項で開きますので、ご参加を
お待ちしています。
記
主催 NPO法人フレンド・アジア・ロード(略称 FAR)
理事長 貫井 正之 (名古屋外国語大学講師)
月日 2010年11月14日(日)
会場 名古屋国際センターホール
名古屋市中村区那古野1丁目47−1
内容 第1部 シンポジウム 13時〜16時30分 (参加費 1000円)
基調報告 貫井正之(FAR理事長)
特別講演 全世一氏(韓国チャ医学大学校教授)
パネルディスカション
パネラー 小川晴久氏(東京大学名誉教授)
金夬正氏(韓国許浚博物館長)
菫福慧氏(中国中医研究院骨傷科研究所主任医師)
安井廣迪氏(安井医院長)
第2部 交流会 18時〜20時 (参加費7000円・予約制)
東天紅(名古屋国際センタービル25F)
事務局
星原 幸次郎 〒483-8162 江南市尾崎町屋敷80
(FAR 副理事長) ?0587−55−8174
Email hoshihara@keh.biglobe.ne.jp
〜郷土史家・西羽晃様から情報提供いただきました〜
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○ 都市住宅学会研究交流会「分譲マンションは今後どうなるのか?」 ○
講師は、関東圏のマンション研究に、この50 年間を打ち込んでこられま
した。客観的な統計資料に基づく分析とともに、地方都市における問題
マンション事例について、数多くご紹介いただきます。その迫力あるお
話は、中部圏における今後のマンション対策を考えていくために多くの
示唆をいただけるものと思われます。
都市住宅学会員以外の方の参加も歓迎しています。ぜひご参加ください。
【日時】2010年10月9日(土) 13時〜15時
【場所】MSAT(名城大学名駅サテライト)多目的室(名古屋駅前SIA ビル13F)
http://www.meijo-u.ac.jp/campus/shisetsu/sate.html
【テーマ】「分譲マンションは今後どうなるのか?―時代の変化が予想する成立と存続の条件」
【講師】松本恭治氏(元高崎健康福祉大学大学院教授、元国立公衆衛生院住宅衛生室長)
【参加費】無料
【申込】下記からちらしをダウンロードしてお申込みください。
http://www.uhs.gr.jp/chubu/kiroku/2010/101009/101009.pdf
主催:(社)都市住宅学会中部支部
後援(予定):一般社団法人日本マンション学会
〜スペーシア・石田〜
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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○木造復権−木造都市づくりを考える−○
「学校、庁舎 低層は木造に」とする記事が中日新聞9月21日朝刊の一面を飾った。
5月に「公共建築物木材利用促進法」が成立し、その施行を控えての記事だ。建築雑誌
では最近、「木造復権」「循環・再生する木造建築」「進化する木造建築」「ここまでできる!
火に強い木造建築」などの特集が組まれ、木造に対する注目が集まっているが、広く
一般にも関心が高いことを示しているといえよう。
そもそも学校が木造で建てられないということ事態が日本人の心情としては理解しがたい
ことだ。戦時中の空襲で焼け野原になったという経験が都市の不燃化を第一に考え、
官公庁施設木造禁止令までだされた。そんな状況が大きく変わったのが2000年の建築
基準法の改正。木造でも耐火建築物をつくることが可能となり、規模による制限はなくなった。
一定の性能基準を満たせば、どんな大きな建築物でも木造でつくることが可能となったのだ。
今回の法律の背景には林業振興があり、林野庁が主管庁となっているが、戦後植林した
木材のCO2の吸収力が低下してきている中で木造建築物としてCO2を固定化し、第2の
森林とするとともに、新たな森林を育てることでCO2吸収による地球温暖化防止のねらいも
あり、基本方針は農林水産大臣及び国土交通大臣が策定することになっている。都市づくり、
まちづくりの中で木造を位置づけていくことが重要だ。コミュニティの希薄化が課題となる中で、
木の持つあたたかみがコミュニティの再生にもつながっていくのではないだろうか。
木造都市研究会「木愛の会」は、建築やまちづくりの立場から木を見つめなおし、街に、
暮らしに木を取り戻したいと考え活動しており、今年度の取組みとして10/9〜15に
「ティバライズ建築展−都市木造のフロンティア inなごや」を開催する。本年5月に東京青山で
開催され好評を博した建築展の巡回展であり、会場は新しい木造建築といえる木質ハイブリッド
5階建の丸美産業本社ビル。名古屋市長に出席いただくトークセッションも予定しており、
都市木造の可能性、特に公共建築のあり方について語っていただくことになっている。新しい
木造の可能性を知っていただくよい機会になるのではないだろうか。多くの来場者を期待したい。
(石田富男・木愛の会世話人)
→「ティバライズ建築展−都市木造のフロンティア inなごや」ちらしはこちら
http://www.kiainokai.org/event/101009/ken.pdf
→参考:建築物への新たな木材利用の事例(林野庁)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/pdf/jirei.pdf
(民間事業施設での木材活用の事例として丸美産業の本社ビルが紹介)
→ホームページに5月の展覧会の様子、丸美産業本社ビルの写真を紹介しています
http://www.spacia.co.jp/Topic/column/mokuzofuken/
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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○電柱のないまちづくり 電線類地中化の実現方法 ○
NPO法人 電線のない街づくり支援ネットワーク 編著/2010年6月30日
ヨーロッパのまちなみが綺麗だと言われる要因を考えると、趣のある古い建物、綺麗に
並んだスカイライン、ゆったりとした歩道などが思い浮かぶが、電柱や電線がないことも
その一つではないかと思う。本書をみつけたときに、ふと、以前ヨーロッパを旅行したときに
そう感じたことを思い出し読んでみることにした。
本書は、電線類地中化の実現方法という副題があるように、どうすれば電線類地中化が
実現されるのか、国内外の事例を示しながら課題となる点や学ぶべき点を記述している。
同時に、日本での地中化がそれほど進行していないこと、まだ地中化の必要性が広く
周知されておらず議論の対象になることが少ないことから、電線類地中化の素晴らしさ、
地中化の必要性についても説いている。確かに、まちを見た時に景観として電柱や電線が
気になる人がいたとしても、その中で地中化を強く訴える人はどれくらいいるだろうか。
一般的には、電柱や電線が空を覆っていてもごく当たり前の風景として捉えられ、景観を
考えたときに初めて問題視される。それも、景観を考えるのは行政や専門家、企業、景観
保全等に関わる市民や団体などで、実際のところはわからないが、市民から電柱・電線が
景観的に気になるといった訴えがあったとはあまり聞かない。日本では、電柱や電線のある
風景が当たり前で、別の視点からすると、電線や電柱のある風景が日本らしい風景なのかも
しれない。その点について筆者は、日本人のまちの景観に対する意識として、「自分の利益や
目先の利益を最優先する点」を指摘している。確かに、目先の利益を考えると、景観という
分野は後回しになってしまうのかもしれない。しかも、ごく当たり前の風景である電柱や電線の
地中化となればなおさらであると思う。しかし、阪神・淡路大震災の時に電柱の倒壊により
避難路が塞がれ、非難する人々の行く手を阻んで災害を増幅させた原因になったことから、
地中化はただ単に景観だけの問題ではなく、安全なまちを実現する上でも重要だと著者は
説いている。そういった点では、景観の観点からよりも、災害時の対策として市街地の住宅
密集地など地中化が求められる場所から実施していくことが、日本で地中化を進める一つの
方法とも考えられる。
ロンドンの無電柱率が100%、パリでは99.2%、ニューヨークでは72.1%(数値は1977年時点。
本書より抜粋。)という状況を考えると、電柱や電線は、日本人の景観に対する意識の在り方
とともに、ごっそりと取り残された課題のようにも感じられる。景観を考える際、これまでは
建物のデザインや高さ、周辺の自然との調和などに目が向きがちであったが、これからは
電柱や電線のある風景ない風景にも注視してみたいと思う。本書には地中化が実施された
国内事例が写真とともにいくつか掲載されているので、実際にそのまちを歩いてみるのも
よいかもしれない。(喜田祥子)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・前回第266号で紹介した愛知県の「公共交通利用促進モデル事業」が現在募集中です。
愛知県が進める「エコモビリティライフ」の一環で、公共交通の利用促進のモデル
ちなる事業を県が支援・協力するというものです。10月1日の締切まであとわずかと
なりましたが、ご応募お待ちしております。
問合せ先・応募書類の提出先:ecomobi@spacia.co.jp(弊社Eメールアドレス)
→詳しくは愛知県のホームページをご覧ください。
URL:http://www.pref.aichi.jp/kotsu/ecomobi
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
http://www.spacia.co.jp/mm/
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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