スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第265号]2010/8/30□ □配信数 761□
スペーシア・メールマガジンの第265号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・移り住むなら滋賀県・湖北 田舎暮らしフェスタ(9/26)
◆名古屋まちづくり情報◆
・今も変わらぬ“ごった煮の街”大須
◆図書紹介◆
・「ぼくらが夢見た未来都市」/五十嵐 太郎・磯 達雄 著
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 移り住むなら滋賀県・湖北 田舎暮らしフェスタ ○
昨年から、田舎暮らしフェスタを開催しています。
今年は、伊吹山麓の山間にある集落を主会場に開催します。
田舎暮らしに関心のある方は一度のぞきに来てください。
にちじ: 9月26日(日) 11:00〜16:00
ところ: 滋賀県米原市甲津原
(東草野小中学校甲津原分校)
フェスタの入場料は無料です。
このほか、体験プログラムが8コース用意されています。
体験プログラムは要予約・体験料別途です。
詳しくは、“いざない湖北定住センター”のブログ↓をご覧ください。
http://cohokstyle.shiga-saku.net/e478341.html
〜(有)押谷地域設計の押谷茂敏さんから情報提供いただきました〜
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○今も変わらぬ“ごった煮の街”大須○
このメルマガは、スペーシア10周年の節目の2000年にスタートし、今年で10年を迎えた。
今回で265号目となるが、自分が最初に担当したのは、5号(9月11日)で大須再開発の
本組合設立の話題を扱っていた。この事業は、スペーシアが永年携わり組合設立を迎え、
その後無事に完了したが、最近は景気低迷の折、商業テナントの充実が難しく、厳しい
経営が続いている。
その再開発ビルに面する大津通りと赤門通りの一角で、当時から立地していた銀行が
建替えられオフィスビルが誕生した。この場所は、大須三丁目30番街区の一連の再開
発事業の中で最後の未開発となっていた。当時は、街区全体の開発を想定し、壮大な
計画が描かれていたが、その後、街区を5地区に分割し段階的開発の道を選び、前述の
再開発ビルを第1地区と呼び、この銀行は、第5地区として将来的な開発(建替え)を
期待するということでこれまできていたが、今回建替えられたことで当時の構想が一応
完結することになる。
大須商店街の活気や賑やかさは、当時と変わらない印象だが、店舗内容は随分と
様変わりしてきた。かつての大須は、PCやそのパーツ、家電、ゲーム関連の店舗が
中心だったが、その後古着、雑貨、最近ではメイド系などあるらしく、多様に変化して
きている。また飲食店は、少ないと言われながらも、行列のできる人気店や和菓子系の
庶民派ファーストフードが増えた一方で、世界規模の某ハンバーガーチェーンは依然
として立地していない。この夏は、連日の猛暑だが、大半をアーケードで覆われた商店街
は、比較的快適に過ごすことができ、週末も多くの人で賑わっていた。
大須は、あの当時毎日のように通った思い入れのある街で、10年近く経ってもその良さは
変わらない。事業に携わっていた頃、“大須らしさ”が話題になったことがあり、権利者は
ごった煮の街と呼んでいたが、今でも変わることなくごった煮の街として親しまれている。
大須商店街は、このごった煮が故に新しい物も比較的受け入れられやすい環境でもあり、
今はテナントが厳しい再開発ビルも、新しい業種、店舗の導入で、再びその存在感が
示される方向へと流れが変わることに期待したい。
(村井亮治)
大須商店街公式HP http://www.osu.co.jp/
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2010/osu/index.html
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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○「ぼくらが夢見た未来都市」/五十嵐 太郎・磯 達雄 著○
PHP新書/2010年6月29日発行
超高層ビル群や宙に浮く空中都市、空飛ぶ車などに代表される「未来都市の歴史を
探り、時代や地域による変遷を章ごとに追って」いるのが本著である。一つのテーマに
ついて、まず五十嵐氏が建築家による実際の構想や計画といったどちらかといえば
リアルな未来都市を紹介し、その次の章で磯氏がSF小説や映画、アニメなどに登場
する未来都市を紹介するという繰り返しにより構成されている。
両者の違った視点から考察がされているだけでなく、「多少の領空侵犯は互いに行って
いる」と書かれているように、フィクションとして描かれる未来都市の変遷の合間に、
建築家による実際の計画も紹介されている。特に、第5章「近代ユートピアの系譜」と
第6章「ユートピアから科学へ」で紹介されている「移動する都市」の変遷はとても興味
深い。多くのユートピア小説は「島」を舞台にしていたが、1895年の科学ロマンス「動く
人工島」の舞台は海の上を自由に移動する島であり、「移動する都市」という未来都市の
ひとつの概念がつくられた。1964年には、現実の世界で建築グループであるアーキ
グラムによって「ウォーキング・シティ」構想が発表され、群れになって砂漠を移動したり、
パイプで繋がれた複数の都市が海洋をわたったりするドローイングが存在するのである。
世界中を自ら動き回る都市と聞いて、宮崎アニメの「ハウルの動く城」などを連想された
方もいるかもしれないが、その原作である「魔法使いハウルと火の悪魔(1986年)」などの
SF小説にも「移動する都市」の概念が繰り返し登場しているのだ。
万博は建築の実験場で、建築が未来的なユートピアを表現しえた最後の舞台が大阪
万博だったかもしれないそうだ。また、かつてのSF漫画に描かれた曲面や多角形が
組み合わさる複雑な形態の超高層ビルが上海やドバイで建設され、未来都市は夢で
はなく現実のものになっている。それゆえに本著のタイトルは「ぼくらが夢見た」と過去形に
なっているのであろう。残念ながらターニングポイントとなった大阪万博を体験することは
できなかったが、都市が変化していくことをより深く理解するためにも、SF小説の読まず
嫌いを改めたいと思わせる一冊であった。
(山崎 崇)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・新聞報道で9月末に廃止されることが決まったと、以前にこのコーナーで紹介したことが
ある伊勢湾フェリーですが、関係自治体の努力によって10月以降も存続される方向に
なったそうです。公共交通の場合、一度廃止が決まると、なかなか復活することが
難しいケースが多いようですが、三重県と愛知県を結ぶ貴重な海のルートとして、
当面存続されることは喜ばしい限りです。(T.Asano)
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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