スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第264号]2010/8/16□ □配信数 760□
スペーシア・メールマガジンの第264号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・公開シンポジウム NPO・企業の連携からみた「都市と生物多様性」
◆名古屋まちづくり情報◆
・高島屋南市街地再開発事業
◆視察レポート◆
・富弘美術館
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○公開シンポジウム NPO・企業の連携からみた「都市と生物多様性」○
【日 時】 平成22年9月1日(水) 午後2時から5時
【場 所】 名古屋都市センター 11階 ホール
(名古屋市中区金山町一丁目1番1号 金山南ビル)
【内 容】
■第T部(14時 5分から15時25分)
講演:NPO・企業の連携からみた「都市と生物多様性」
ミサワエクステリア株式会社(経営管理部) 小田辺統一
WWFジャパン(自然保護室) 橋本 務太
中日信用金庫 (業務統括部) 五十川 裕記
財団法人日本不動産研究所(東海支社) 湯城 誠
■第U部(15時40分から17時)
パネルディスカッション:NPO・企業の連携からみた「都市と生物多様性」
コーディネーター:特別研究員・COP10アドバイザー 香坂 玲
パネリスト:小田辺統一、橋本務太、五十川裕記、湯城誠
岡靖明(ミサワホーム株式会社)
【定 員】80名 (先着順、無料)
【申込方法】
「9月シンポジウム参加申込み」と題してメールをmachisemi@nui.or.jp に送付、
本文には、「参加者氏名(フルネーム)」「連絡先(住所、TELなど)」「所属」を
記入してください。
参加券は発行しませんので、定員超過によるお断りがなければ当日受付にお越し
下さい。当日は、応募のお名前で受付します。
【問合せ】名古屋都市センター 調査課 鈴木
TEL:052-678-2216 (月曜休館) FAX:052-678-2211
また、名古屋都市センターのHPでも紹介しております。
http://www.nui.or.jp/
〜名古屋都市センターの鈴木宏文さんから情報提供いただきました〜
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 高島屋南市街地再開発事業 ○
岐阜市内初の再開発事業で高島屋が開業してほぼ10年、昭和63年にその南に隣接
する4街区からなる高島屋南地区では、商店街組合を中心に再開発の話が持ち上がり、
一時は準備組合設立の動きまで起こったが、権利者の対立もあり、事業が進まなかった。
平成9年3月に「柳ケ瀬21世紀ビジョン」において再開発地区に位置付けられたことを契機
に、再度、再開発の検討が始まった。権利者の意向を確認した結果、4街区のうち一部を
除外したエリアで多くの権利者の賛同が得られたため、平成14年9月に準備組合を設立した。
その後、事業推進協力者や設計協力者を選定、これらの協力も得て、施設計画案の
検討や住宅ディベロッパーへの意向調査などを実施、平成18年6月に商業・住宅・公益的
施設からなる緑豊かな再開発ビルの構想案を公表した。岐阜市も、市内では初となる
再開発ビルの保留床を活用した公益的施設の整備方針を固めた。
準備組合では、都市計画決定をめざし、近隣周辺を含めた説明会の実施や準備組合
設立時に同意を得られなかった権利者を中心に意向調整を行った。その結果、事業に
対する理解者が増加したものの、昭和63年以降の長い歴史の中で権利者の再開発に
対する様々な思いが根深く、都市計画決定ができるまでの同意を得るには至らなかった。
準備組合では、8年の歳月をかけて努力してきたが、このままでは事業進展が困難との
判断から、この8月に開催された総会において、都市計画法21条の2の規定に基づき、
都市計画の決定を岐阜市に申請するための手続きに入ることを決議した。この決議を
受け、準備組合役員は、事業の成否をかけ、権利者と再度話し合い、改めて法に基づく
同意の取り付けに入ることになる。本地区は、市街地再開発事業が大きく進展するか
否かの山場を迎えている。
(浅野 泰樹)
準備組合ホームページ http://www.tmk-yanagase.com/
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◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 富弘美術館 ○
富弘美術館は、星野富弘の故郷、群馬県はみどり市東町の山深い草木湖という湖の
ほとりにある。星野富弘は1970年、24歳の時に中学校の体育教師に着任するが、体操部の
指導中、宙返りの模範演技に失敗し頸随を損傷、手足の自由を失ってしまう。絶望のどん
底から、口で筆をくわえて書いた文字が友人の励みになったことに気付き、徐々に絵や
詩を書くようになる。彼の描くのは身近な自然をモチーフにした、自分への励ましや生きる
ことの喜びを表現した詩画作品で、それらが多くの人に勇気と感動を与え1991年には旧
富弘美術館の建設にまで至る。そして、予想以上の来館者のため、1999年頃より新美術館の
建設検討が始まり2005年に新しい富弘美術館の開館を迎えることとなる。
新富弘美術館の設計は当初、世界的な建築家レム・コールハース氏に依頼する予定で
あったが、交渉が不成立に終わり、急遽国際設計競技の開催となる。このコンペではイン
ターネットで世界から設計案を公募するという画期的な手法が取られ、世界54カ国から1200点
以上の応募が集まる。応募作品はすべて体育館に展示し村民に公開した。村民の美術館
建設の気運は一気に高まり、住民意見交換会が活発に行われ、子供による審査会なども
開催された。最終審査では、村内外から400人が傍聴に訪れ、ボランティアによる炊き出し
まで行われた。審査の結果、すべての部屋を円筒形の鉄板構造による現代的な空間で
構成したヨコミゾマコト氏の提案が最優秀賞に選ばれた。人口4000人足らずの町で国際
コンンペを開催すること自体珍しいことであるが、ここではさらに施工者もコンペで選定する
「富弘美術館施工計画提案競技」も開催された。このコンペでは、価格と技術を切り離した
二段階で審査を行うという方式が取られた。一次の価格審査では、有効最低入札者から
数えて7社を選定するという方式が取られ、最低価格もダンピングや手抜き工事を牽制する
ため、設計価格の80%とされた。二次審査では、価格を審査の対象とせず、施工技術や
問題解決の方策、住民参加の取り組みなどを公開で審査した。審査の結果、価格は一番
高かったが、設計意図をくんだ改善策が高く評価され鹿島建設選ばれた。
このような建設プロセスは、通常の公共建築の建設と比べれば多く費用や、時間、労力が
必要とされ、無駄と思われることもある。しかしその結果、星野富弘というかけがえのない
存在を地域資源として最大限に活かせるかけがえのない施設を手に入れることができたと
言えよう。さらに、ともすれば冷たく排他的な表現を好む現代建築に、星野氏の作品のような
人間の手のぬくもりが感じられるやさしい作品が違和感無く展示できる世界でも珍しい美術館を
誕生させたと言えよう。
(堀内 研自)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://spacia.co.jp/Mati/sisatu/2010/tomihirogunma/
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・今年もインターンシップで、来月までに2人の学生さんが弊社に来ます。せっかくの
機会なので、できるだけ様々な業務を経験していただこうと考えています。
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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