スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) [第248号]2010/01/06□ □配信数 745□
新年明けましておめでとうございます。
スペーシア・メールマガジンの第248号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・愛知県内のまちの魅力スポットをコンサルタントが紹介
◆住まい・まちづくりコラム◆
・新年・信念・やりまんねん
◆図書紹介◆
・成功するコミュニティバス−みんなで創り、守り、育てる地域公共交通
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○愛知県内のまちの魅力スポットをコンサルタントが紹介○
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まちの魅力を多くの人に知ってほしい、そんな思いから愛知すまい・まち
づくりコンサルタント協議会(まちコン)では、まちコン10周年企画として、
「まちの魅力スポット写真」募集を行いました。10周年記念大交流会に
おいて参加者で投票を行い、大賞1点、入賞10点を決定しました。
様々なまちの魅力写真が集まっています。撮影者の思いもコメントとして
記載しています。すべての応募作品をホームページに掲載いたしました。
1度、ごらんください。
http://www.interq.or.jp/japan/ai-machi/
〜スペーシア・石田〜
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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○新年・信念・やりまんねん○
あけまして、おめでとうございます。
■新年の新聞やテレビ
2010年元旦の新聞を見ても、目を惹くキャッチフレーズもなく、むしろ人口減少や介護、
破たん回避や企業再生、デフレや減給、非正規社員や派遣村といった、ありふれた
ネガティブキーワードが並ぶ。正月三ケ日のテレビもお笑い番組花盛り(嫌いでは
ないのだが)で、昼間はTVドラマの再放送や自社の番組宣伝ばかり。スポンサーが
つかないのか、安上がり路線と番宣レピートまっしぐらであった。
■貧困ビジネス!?
そんな中で、昨年末(12/29&30)に「『貧困ビジネス』 5億円の所得隠し 宿泊所業者ら
告発へ 名古屋国税局」という記事が朝日新聞に掲載された。テレビでもときどき批判的に
報道していたが、今回脱税という視点からメスを入れたことになった。つまり、約2千人の
生活保護受給者から月平均12万円の保護費のうち約9万円を「無料低額宿泊所」の
家賃や食費名目で受け取り、07年度には約20億円の売り上げがあったという。これらの
運営者(3人)は07年度までの数年間で5億円の所得隠しがあったと名古屋国税局は
判断したのである。「無料または低額」とあるが、実態は「高額低級」宿泊所になっている
ようだ。福祉の世界ではニッチな分野なのだが、「貧困」を「ビジネス」にするという、
いずれの世も抜け道を探して儲ける人がいるものだと感心する反面、きちっと対応してきた
NPO法人等にとっては、「不当な営利」をむさぼった団体と同じような目で見られ、迷惑
この上ない事例であろうとも思う。
■高齢者の区分と呼称
最近老人の集まりに参加する機会をよく得るが、前期高齢者(65歳〜74歳)の方は
「これからいかに生きるべきか」を語り、後期高齢者(75歳以上)は「いかに死ぬべきか」を
語る傾向がある。2000年に75歳以上高齢者が1,000万人いたのが2025年には2,200万人に
増加する。2,200万人が「いかに死ぬべきか」を語っていては、墓国日本になってしまう。
平均寿命が男79歳、女86歳になった現在、生涯現役を通し、95歳を超えてようやく
「いかに死ぬべきか」を語ろう。そうすると、前期・後期の区分は機械的すぎていけない。
65歳〜74歳を老人性蒙古斑が残るヤングオールド、75歳〜84歳をオールドオールド、
85歳から89歳をスーパーオールド、90歳から94歳をプレミアムオールド、95歳以上を
プレヤゴトと呼ぶことによって、ウィスキーのように時間とともに熟成するイメージが
喚起される。そして高齢者、老人と呼ぶなかれ。そこにはなんら評価が含まれていない。
「人生の師匠」と呼ぶことにしよう。
■地域の元気は老若男女の元気
今から約40年近く前の話。小中高の同級生が大学生になり、空手部に入部した。
日夜練習に励みクタクタになって帰宅する。それまでレッドツェッペリンやジミーヘンド
リックスのようなヘビメタな音楽を聴いていたが、疲労困憊の時はとても重くて聴いている
ことができないという。何を聴いたか。心地よい演歌だった。聴くだけでエネルギーを
消費する音楽があり、若者はそれを好む。大音響のなかで踊り狂うクラブ(ディスコ)は
有り余るエネルギー発散の場なのである。体力が落ちるとうるさいだけである。つまり、
「人生の師匠」の元気は「人生の師匠」の元気であって、若者の元気とは質が異なる。
老若男女がバランスよく住んでこそ、「地域の元気」が担保される。それゆえ、子育て
支援や共稼ぎ世帯支援を含め、地域の総合力が問われている。
■まちづくりエンターテーメントをやりまんねん
死ぬまで安気に暮らせるまちづくりを推進していく必要がある。人々が元気になる
仕掛けをまちづくりに組み込んでいかなければならない。「新たな公」の一翼を担う
NPOも増え続けている。男は肩書欲しさにNPOを作り、「あーでもない、こーでもない」と
議論するばかりで結果を出さないマイナスイメージを抱いていたが、最近はそうやって
人々が元気になるなら、「あーでもない、こーでもない」もありではないか考えるように
なった。議論が刺激を与えるという算段である。ハード(コンクリート)なまちづくりは予算が
カットされそうで、地域総合力を高め、人と地域が元気になるまちづくり、すなわち
「まちづくりエンターテーメント」が求められる時代になっているようだ。この「まちづくり
エンターテーメント」を「やりまんねん」の信念で取り組んでいきたいものである。
(井澤知旦)
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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○成功するコミュニティバス−みんなで創り、守り、育てる地域公共交通○
中部地域公共交通研究会編著/学芸出版社/2009年11月30日
公共交通分野における2000年以降の規制緩和により、鉄道やバスの需給調整
規制が廃止されたことにより、地域の鉄道やバスの路線の廃止・撤廃が相次いでいる。
それに伴い、公共交通空白地などでの地域の移動手段の確保が重要視され、武蔵野市
のムーバス(1995年導入)などを先駆けとし、各地でコミュニティバスが導入されている。
本書は、地域公共交通を市町村や地域が自ら創り、育てていくことを目的とし、
コミュニティバスの導入により地域の求める公共交通を実現し、存続するための基礎
情報を網羅・詳述している。例えば、対象地域の特性とニーズを把握する際には、統計
資料、アンケート、ヒアリング、ワークショップといった基本的な調査方法を紹介するに
とどまらず、それらの調査結果をふまえてコミュニティバス運行の妥当性を検討する
必要がある。すなわち、コミュニティバスの導入自体が目的ではなく、導入が困難で
あれば、タクシー、スクールバスなどの他の移動手段にするといった見極めが重要だと
指摘している。費用負担の計画については、コミュニティバスの運賃の決め方や運行に
かかる費用から収入見積もり、資金調達、サービスと費用の関係などの要点を経済学的
観点を交えて解説している。バスの運賃を無料あるいは100円にすることが必ずしも効果を
挙げているわけでなく、バス沿線の地域住民や企業から含めた費用負担、サービス改善
などをふまえて運賃を決めるべきであるとしている。さらに、導入に対する地域での共通
理解を得るため、地域参画の方法についても解説している。地域住民や利用者、市町村、
バス事業者、国・都道府県といった各主体の役割を整理した上で、地域公共交通会議
制度(2006年の道路運送法改正に伴い制度化)や地域公共交通活性化・再生法(2007年
施行)などの新たな制度の活用方法を説明している。
本書はこれからコミュニティバスを考えている地域だけでなく、現在運行している地域で
見直す際にも参考になる一冊である。
(浅野 健)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・本日が弊社の2010年の仕事始めです。7月には創立20年を迎え、弊社にとっては
節目の年。新たな展開も模索しながら、当地域のまちづくりに貢献していきます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
・年末年始を挟んだこともあり、発行が遅くなり申し訳ありません。
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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