スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第228号]2009/3/30□ □配信数746□
スペーシア・メールマガジンの第228号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・名古屋駅地区街づくり協議会シンポジウム「目指せ!名古屋駅地区のもてなしパワーアップ」(4/8)
◆住まいまちづくりコラム◆
・まちづくりと福祉と男と女
◆視察レポート◆
・美の条例の町 真鶴町巡る
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 名古屋駅地区街づくり協議会シンポジウム ○
「目指せ!名古屋駅地区のもてなしパワーアップ」
名古屋では、開府400年にあたる2010年にCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が
開催され、世界約190の国と地域から約700名の方が集まることになります。また、8月から10月
にはあいちトリエンナーレ2010、秋には名古屋城の本丸御殿の一部公開が予定されるなど、
ますます広域からの来客を迎え入れる国際都市としての性格を強めようとしています。
このような中、名古屋駅地区は名古屋の玄関口として、今後どのように魅力をアップし、来客を
もてなすかが問われています。
今回は、「にぎわい」「盛り場」といった独特の視点から都市の魅力について発信を続ける、橋爪
紳也氏(大阪府立大学特別教授)に「名古屋駅地区のもてなしとブランド化」をテーマに基調講演
をしていただき、トークセッションで名古屋に詳しいお三方に、都市の魅力と名古屋駅地区の未来
について語り合っていただきます。
主 催:名古屋駅地区街づくり協議会
日 時:4月8日(水)14時30分〜17時00分(14時受付開始)
会 場:ミッドランドスクエア5F ミッドランドホール
プログラム:
基調講演「名古屋駅地区のもてなしとブランド化」
橋爪紳也(大阪府立大学特別教授)
トークセッション「名古屋駅地区の未来を考える」
出演者
橋爪紳也(大阪府立大学特別教授)
佐藤久美(英文情報誌「アベニューズ」編集長)
入倉憲二(名古屋市住宅都市局長)
コーディネーター
井澤知旦(鞄s市研究所スペーシア代表取締役)
定 員:200名(定員になり次第締め切らせていただきます)
参加費:無 料
申込方法:氏名・所属(会社名、役職)・電話番号を明記し、
メールにて下記にお申込みください。
申込先: 名古屋駅地区街づくり協議会 事務局 藤井宛
メール office@nagoyaeki.org
〜名古屋駅地区街づくり協議会事務局 藤井さんから情報提供いただきました〜
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◆住まいまちづくりコラム◆ −名古屋から情報発信−
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○ まちづくりと福祉と男と女 ○
最近、福祉を組み込んだまちづくりをいかに展開していくのかを検討するため、福祉関係NPO
との付き合いが増えてきた。統計的に調べてはいないが、概してまちづくりNPOは男性が、
福祉NPOは女性が中心となって組織を運営し、社会活動を展開しているように思える。
まちづくりNPOは前述したように男性中心のためか、企業社会の延長上で、手続き論に従って
物事を進めていく傾向がある。いままで会社で苦労してきたので、第二の人生は理事などの
肩書を持ちつつも、あまり責任を負わない擬似会社のなかで生きていこうとしているようである。
よって、研究会的・勉強会的ではあるが、リスクを負う事業的なものではない。
他方、福祉NPOは、自身の親たちの介護の辛さを経験して、若い女性たちに同じ思いを味わ
わせたくないという動機で活動を始めた女性が多いようである。まさに、「今そこにある危機
(苦難)」を解決するために活動しているので、研究会的・勉強会的なものでは役に立たず、
リスクを負いながらも事業的展開をせざるを得ない。
ある介護サービスを提供するNPO(関東)の女性理事長は、5億円の資金を調達(借金)して
小規模多機能型介護施設を整備しているが、おそらくは担保なしで銀行は貸さないので、個人
保障をしている。それでもやり切る度胸と自信があるようだ。また、介護サービスを提供する
NPO(愛知)のある女性代表理事は2億円以上の介護事業を展開しながら、元気ハツラツで
ある。いずれも65歳を超えている。
彼女「私、今、死ぬ気がしないわ!」
私 「何歳まで生きるつもりです?」
彼女「いつも、200歳まで生きるわと言ってるの。」
私 「(心の中で)それは妖怪だわ!!」
プロデューサーの残間里江子氏は「それでいいのか蕎麦打ち男」(新潮社)のなかで、団塊
世代の男性が定年前後になると、蕎麦打ちや陶芸かNPOの世界に走るほどパターン化して、
発想が貧困な引退生活を送ろうとしていくことを批判している。小さな趣味の世界に引きこもる
のでなく、いろんな分野の主役に躍り出ろと鼓舞しているのである。
現役社会でエネルギーを使いすぎたせいか、定年後は枯れた発想しかない男性に対し、
これからが私の人生と張り切る女性のパワーは圧倒的である。団塊世代の定年がピークを迎
える今年、特に男性諸君がどんな生きざまをするのか、後に続くものとして興味津津である。
(井澤知旦)
*タイトルは、小中高と同級生であった、今は亡き河島英五の「酒と泪と男と女」の歌に因んでいる。
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◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 美の条例の町 真鶴町巡る ○
先日、神奈川県真鶴町を訪れる機会があった。真鶴町は、面積7ku、人口1万人弱、海抜
0〜700mの起伏に富んだ町である。真鶴町は、1994年に「まちづくり条例」を定め、全国にも
類を見ない独自のルールとして「8つの美の原則」とデザインコード「美の基準」を位置づけた
「美の条例」の町として知られている。また、2004年に施行された景観法に基づき、政令指定
都市、中核都市以外の市町村としては全国初の景観行政団体となっている。
実際に町を巡ると、デザインコード「美の基準」で掲げられているように、車で通れない「背古
道」、地場材料の小松石を用いた「石垣」、木々の合間から海を見下ろす「垣間見る風景」、
段々畑やみかんの直売所、魚市場など「山の仕事 海の仕事」の風景が見られ、昭和30年代、
40年代から時が止まったような懐かしさを感じる。木造、非木造の建物が混在し、デザインも
在来のものから洋風なものまで様々であるが、箱根や熱海・伊豆など国内有数の大観光地に
挟まれた中、視界をさえぎるような大規模な建物の立地が少なく、風景がよく保たれていると思う。
真鶴町のように急勾配な傾斜地が広がる地域では、仮に高さ制限のような数値による規制を
したとしても地下階の位置の解釈によっては高層建物の建設が許可されてしまう可能性があり、
デザインコードによる手法を選択した意味が理解できた。
デザインコードに似た取り組みとしては、真鶴町のように条例や景観法への位置付けるまで
には行かないまでも、地元の人たちにより地域資源や景観資源を再評価する試みとして全国
各地で増えてきていると思う。このような中で、まちづくり条例の制定から15年が経過した今
だからこそ、町を巡ってその条例の効力を肌で感じられる。小さな町の身の丈にあった景観へ
の取り組みの先進的なケースとして大いに参考になった。
なお、観光面では、観光案内情報センターや魚座などの拠点施設や、真鶴半島の先端の
ケープ真鶴、丘の上から海を眺められる美術館、ヨットハーバーなどの諸施設が立地し、随所
に見られる観光案内版、地元の石を使った案内表示、地元産の石で化粧した護岸・遊歩道
などの整備が進んでいる。毎年7月に行われる貴船まつり(国指定重要無形民俗文化財)、
源頼朝船出の浜である岩海岸、幕末に品川台場に真鶴産の石が使われたなどの歴史の
香りも随所に見られる。横浜方面のハイセンスな来訪者に磨かれていることもあり、歴史と
現代の文化が融合する観光地としても参考になる点が多い。 (浅野健)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2009/manaduru/index.html
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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