現在の位置:TOPスペーシアメールマガジン>227号 WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第227号]2009/3/17□ □配信数738□


スペーシア・メールマガジンの第227号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆まちのトピック◆
   ・金山南ビル10周年記念企画展 フォトモで甦る金山の記憶と風景(3/17〜5/17)
  ◆名古屋まちづくり情報◆
   ・各務原市の景観計画 〜景観地区「グリーンランド柄山」を訪問して〜
  ◆読者の声◆ 
  ◆スペーシアのこの頃◆

☆**********************************************************************
◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
***********************************************************************☆
○ 金山南ビル10周年記念企画展 フォトモで甦る金山の記憶と風景 ○

  市民の皆様などからご提供いただいた昭和時代の金山のまちの写真を素材に、美術家で
あり写真家である糸崎公朗氏が独自の技法で立体化した「復元フォトモ」によって、金山の
記憶と風景がリアルによみがえります。

※「フォトモ」とはフォトグラフ(写真)+モデル(模型)からの造語で、写真に写ったモノを切り
  抜き、立体的に再構成した「本当に飛び出す」立体写真です。

【開催期間】 平成21年3月17日(火)〜5月17日(日)
       〈休館日〉 毎週月曜日(5/4を除く)、5/7(木)

【場所】(財)名古屋都市センター 11階 まちづくり広場

(ホームページURL)http://www.nui.or.jp/kikaku/20/kanayama.html
(開催チラシ)http://www.nui.or.jp/kikaku/20/pdf/kanayamatirashi.pdf

〜(財)名古屋都市センターの加藤貴英さんより情報提供いただきました〜

☆**********************************************************************
◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
**********************************************************************☆
○ 各務原市の景観計画 〜景観地区「グリーンランド柄山」を訪問して〜 ○

 都市住宅学会の見学会で岐阜県務原市を訪問した。各務原市の景観計画は、市内全域が
対象となっており、市内を「森の風景区域」「川の風景区域」「田園と歴史の区域」「まちの風景
区域」の4区域に分け、それぞれに方針を定めて景観形成が図られている。また、9つの重点
風景地区と2つの景観地区が指定され、重点的な取り組みも行われている。

 今回の視察のメイン見学地でもあった「グリーンランド柄山」は、景観地区に指定されている。
自治体が観光地ではない一般的な住宅地を景観地区に指定するケースは珍しく、「グリーンラ
ンド柄山」は東京江戸川区の住宅地(既存住宅地)に次いで2例目、分譲住宅地としては全国
で初である。景観地区に指定されたきっかけは、土地を分譲しているハウスメーカーが独自の
ルールで景観づくりを行い、住民もその景観を保全していきたいという思いがあったため、市と
相談し景観地区に指定されるに至った。景観形成基準では、高さ・色彩、壁面後退、敷地面積、
意匠形態が定められ、基準で定められていない緑化や外溝、維持管理等についてはガイドライ
ンの中で示されている。

 実際に現地を訪問してみると、外観は落ち着いた配色で統一され、緑が多く、ゆったりとした
良好な住宅地であった。特に特徴的だったのが電線の裏配線である。緑豊かな自然景観の形
成を図るため、電線類は住宅の裏側から配線され、電柱の数も必要最低限に留められている。
また、住宅の裏側には歩行者専用通路が設けられ、住宅ごとに分断されるのではなく、住宅地
全体で一体感が出されていた。新しく開発された住宅地において、このように景観地区と定めて
住宅地の景観を保全していくことは、住民の生活や住環境、コミュニティを豊かにするだけでは
なく、今求められている持続可能な住宅地を実現する要素としても大きな意味を持つのではな
いだろうか。

 各務原市では、重点風景地区や景観地区以外にも、木曽川を挟んだ隣に位置する犬山市と
「木曽川景観協議会」を設立して木曽川の景観保全に努めるなど、興味深い景観計画が進め
られている。このような取り組みにも今後注目していきたい。 (喜田祥子)

  →ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2009/kakamigahara/index.html

☆**********************************************************************
◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
**********************************************************************☆
○ 求道学舎再生 集合住宅に甦った武田五一の大正建築 ○

? 2008年日本建築学会賞(業績)を受賞した求道学舎の保存と再生をめぐる顛末を設計者で
あり、施主であり、住人である近角氏が語る。タイトルから最近流行の保存・再生の話の1つ
と思いこんでいたが、そうではなかった。武田五一の設計だから保存再生しようとしたわけで
はなく、様々な障害の解決策が築78年の学生寮(求道学舎)を集合住宅へリノベーションする
ことだったのだ。
  スタートは文化財として保存された求道会館(武田五一設計の仏教の協会堂)の維持管理
費の捻出が目的だった。保存のための修理再生事業の所有者負担分は募金で集めることは
できても、その施設を活用していくためのお金まで集めることはできない。そこで出てきた案が
隣接する学舎の2/3を取り壊して分譲マンションにという構想だ。道路条件・敷地条件がよい
地であれば、そのまま武田五一の作品がなくなっていたところだが、条件の悪さから採算が
あわずボツに。その後、改修による賃貸案やオンボロのまま格安で貸し出すという案まででた
という。そして最後にたどついたのが定期借地権分譲だった。
  すでに鉄筋コンクリート造の耐用年数70年を経過している建物にさらに62年の定期借地権
を設定するというのは驚きだ。耐震診断、コンクリート強度調査、中性化調査などの結果をもと
に建築研究所に相談したところ延命の見通しがたったという。しっかりと施工された建築物は
もっと使えるということなのだ。
  耐用年数の高いスケルトン住宅に改修し、コーポラティブ方式によって入居者を募る。難し
い入居者確保も武田五一の設計した建物の再生ということで話題をうみ、ウェイティングリス
トまでできたという。
  著者は「文章を書くとなると葉書一枚書くにも四苦八苦する私」と書いているが、相当考え
られて文章にされているのだろう。どんどん先が読みたくなる読ませる文章だ。こんな著者が
設計した家ならさぞ住みやすいに違いない。  (石田富男)

☆**********************************************************************
◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
**********************************************************************☆
(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

☆**********************************************************************
◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
**********************************************************************☆
・年度末で最近の記事が書けず、所員持ち回りで書いた2件とも少し古い記事になってしま
 いました。本来は原稿締め切りを1週間前としているのですが、ギリギリになってしまい、
 発送作業はまた1日遅れてしまいました。

#######################################################################
◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジンを活用
  し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できればと考えてい
  ます。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲載させていただきま
  す。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
   http://www.spacia.co.jp/mm/
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
-----------------------------------------------------------------------
(株)都市研究所スペーシア 編集:石田
  〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル5階
   TEL 052-242-3262 FAX 052-242-3261
   URL http://www.spacia.co.jp/
#######################################################################