スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第216号]2008/10/13□ □配信数 707□
スペーシア・メールマガジンの第216号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆名古屋まちづくり情報◆
・木造都市研究会「木愛の会」
◆図書紹介◆
・スウェーデンの持続可能なまちづくり
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 木造都市研究会「木愛の会」 ○
木を愛する会=「木愛の会」、単純なネーミングであるが、ここにみんなの思いがこめ
られている。命名したのは建築家であり京都大学大学院教授の高松伸・木愛の会会長。
私は、この会の世話人の1人として昨年途中から参加しているが、最初この会のことを
聞いた時、「高松氏が木造」というのに大きな違和感があった。 高松氏が30代で颯爽と
デビューした時の作品群が強烈であっただけにその印象が強すぎたのだ。
その後、世話人会やセミナーなどを通じて、高松氏の木のかける思いを伺い、イメージ
が大きく異なってきた。今年、7月に竣工した丸美産業本社ビルは日経アーキテクチュア
などでも紹介されているが、既存の技術を組み合わせて木の構造を見せた5階建のビル
で、高松氏の設計である。現在の法規制と技術の中では、木造による5階建ビルの建設
は不可能であるが、木質ハイブリッド構造材を採用するなどにより、「あらたしい木の建築」
を提案しており、木造都市への可能性を感じさせる。
木愛の会は、この丸美産業本社ビルの取り組みと連携する形で2006年12月に発足。
趣旨書の中で
(1)循環型社会の構築のために木材を使いましょう
(2)大海原の可能性の有る木で、新しい建築を考えましょう
(3)「木造都市」を提案しましょう
(4)建築や関連業態を志す者や学生に、近未来の木の建築を学べる場を提供します
ことを打ち出し、セミナーや学生コンペなどを行ってきた。後者は、第一回設計競技と
銘打ち、「新しい木の建築−魅了する木造都市へ-」をテーマに募集したもので、初め
ての試みで、このような小さな会のコンペにどれだけの応募があるのかと不安であった
が、24の意欲的な提案が集まり、若い世代においても木造に対する関心は高く、木造
都市への可能性を感じるよい機会となった。私自身にとっても、コンペの審査員を務め
るという貴重な機会となった。入選作品については木愛の会ホームページに掲載して
おり、ぜひ参照されたい。
建築雑誌10月号が「木造建築の到達点」を特集にするなど、近年木造建築に対する
関心が高まっている。コンペの表彰式でも学生から「木はトレンド」という発言が聞かれ
るなど、木に対する考えが大きく変わってきたように思う。今年のすまいる愛知住宅賞
では、愛知県森林協会賞が新たに設けられ、木愛の会代表世話人田中英彦氏設計
の豊田元町ビレッジが受賞した。個々の建築において、どんどん木が使われるように
なれば、人々の木に対する意識も変わってこよう。
「かつて日本の都市はすべて『木造都市』だった。・・・コミュニティの記憶を忘れつつ
ある現代において、その記憶を呼び起こす力が『木』にはあるのではないか」(コンペ
呼びかけ文)。木の可能性をさぐり、木造都市を夢みてみたいと思う。(石田富男)
木愛の会ホームページ
http://www.kiainokai.org/
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2008/kiainokai/index.html
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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ スウェーデンの持続可能なまちづくり ナチュラル・ステップが導くコミュニティ改革 ○
サラ・ジェームズ、トルビョーン・ラーティー、高見幸子 著/新評論/
2006.9発行
本書は、スウェーデンから始まった「ナチュラル・ステップ」という国際的な環境NGO
の活動と、ナチュラル・ステップが掲げる持続可能な社会を実現するための手法につ
いて、また、その手法を導入するスウェーデンの自治体(エココミューン)や民間企業
の活動事例について書かれたものである。
「持続可能なまちづくり」「持続可能な社会」とはいったい何か。持続可能な社会を
実現するためには、環境(地球環境・社会環境)を改善することが一番根底にあるよ
うだ。持続可能な社会は、当然一度に達成されるものではない。ナチュラル・ステップ
では、持続可能な社会の原則となる「四つのシステム条件」を提唱し、エココミューン
や民間企業はその条件を各々のやり方で取り組み、実施している。その内容は、再生
可能なエネルギーへの転換、環境配慮型住宅、自給自足、エコロジカルな学校、持続
可能な農業、生物多様性の保護、持続可能な土地利用など多岐に渡っている。
スウェーデンでは、30年という歳月を経て国民の関心が環境へと向けられ、政府も
それに答えるように「持続可能省」を新たに組織している。日本で持続可能な社会を
実現するには、まず、どうして今持続可能な社会を目指すのかという理由を社会全体
で理解し、国民一人ひとりが関心を持つことが重要だと、この本を通して改めて感じさ
せられた。本書は、日本の持続可能な社会を考える上でも参考になる1冊だと思う。
(喜田祥子)
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・最近話題の5万円パソコンを購入しました。持ち運びに便利で機能を限定すれば
十分使えます。もっと驚いたのはインターネット上にそれに関する様々な情報が
掲載されており、発売当初からみると使いやすいようにかなり改善されている模様。
ネットの広がりも感じています。(ishida)
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を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
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(株)都市研究所スペーシア 編集:石田
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