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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)    □[第211号]2008/8/4□    □配信数 706□

スペーシア・メールマガジンの第211号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆名古屋まちづくり情報◆
  ・大須301イベントでの「お店のやさしさ調査」から
    〜人にやさしいまちづくりにおける継続的な試み〜
  ◆図書紹介◆
  ・景観にかける -国立マンション訴訟を闘って- 
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆

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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 大須301イベントでの「お店のやさしさ調査」から
    〜人にやさしいまちづくりにおける継続的な試み〜 ○

  先日のメルマガで、6月中旬に行われた「大須301ビル」の地域貢献イベントの
第一弾「健康フェア」のことが紹介されたが、この時に、NPOの持ち込み企画と
して、大須商店街のお店のやさしさ調査を実施した。「人にやさしいまちづくり
(いわゆるハード&ソフトのバリアフリー)」の視点から、大須商店街に訪れた人
たちに協力を呼びかけ、「お気に入りの店の発見とその店のやさしさ度」を調査し
ようというものである。
 調査の目的の一つは、これまでこの種の取り組みが、障害者をはじめ人にや
さしいまちづくりの必要性を感じて取り組んでいる人など限定的であったため、
今回は一般の人たちへの普及を試みたことがあげられる。もう一つは、やさしい
お店ということが情報として紹介できれば、大須に出かけたいと思う一般の人た
ち、お店側と双方のためにもなるという点もある。
  具体的には、「大須301ビル」の1階テナントの沿道スペースをお借りして、調
査票とメジャーを配付し、実際にスタッフが乗っている車いすの幅や地面からア
ームレスト(肘掛)までの高さをメジャーで計測してもらった後、商店街のお気に
入りの店に入って、お気に入りの食べ物・商品やお店のやさしさ度など簡単な
調査をしてきてもらった。
  当日は、用意した100枚の調査票とメジャーを配りきり、37人の調査協力を得ら
れた。この結果については現在整理中で、今後、NPOのホームページで紹介す
る予定である。
  ところで、この企画を主催したNPOへは設立当初から関わり、丸5年が経過し
た。設立時より毎年愛知県の人にやさしい街づくり連続講座を受託し、市民主体
の講座運営を行い、講座修了者の中から約160人の「人にやさしい街づくりアドバ
イザー」を送り出してきた(この講座自体は1995年から開催され、850人以上のア
ドバイザーを輩出)。この他にも、地域セミナー、まち歩きワークショップ、小・中・高
校での授業とそれを通じた教育読本づくりなどの様々な活動を展開してきた。
  一方、まちの変化に目を向けると、本格的な少子高齢社会を迎え、2006年の新
バリアフリー法の制定など法制度が整いつつある中で、鉄道駅や建築物などのバ
リアフリー化が進んできた。しかし、近年整備された施設であっても、ディティール
で不十分なケースが多々見受けられる。
  今回の「お店のやさしさ調査」では、一般の人を対象に普及啓発を試みたもので
あり、これは今後も続けていくべき取り組みである。さらにもう一歩踏み込み、施設
の施主や設計者への普及ができると、まちなかの様々な施設が使いやすくなる。
人にやさしいまちづくりの普及啓発については、今後も継続して行われなければ
ならない課題だと考えている。(浅野 健)

NPO法人ひとにやさしいまちづくりネットワーク・東海のHP 
  http://www.hitomachi.npo-jp.net/

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◆図書紹介◆  −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 景観にかける -国立マンション訴訟を闘って- /石井一子著 ○

 景観利益を認め、景観法制定のきっかっけとなった国立マンション訴訟の顛末を市民
団体代表の石井氏が語る。
  すでに入居が始まっっているマンションの20mを超える部分の撤去を命じる判決がで
た時は衝撃的だった。マンション紛争が各地で相次ぎ、いずれも住民側敗訴というのが
常であったために、予想外の出来事であり大きな話題となった。この2002年12月の東
京地裁判決に続いて、名古屋地裁でも翌年3月に白壁マンション建設禁止仮処分が決
定された。時代は変わったと思わせるできごとだった。
  残念ながら、ご存じのようにその後、白壁では業者がマンションの高さをやや低くする
案を提示したことで仮処分決定が取り消され、国立では2006年3月の最高裁によって上
告棄却。「景観利益」は認めたものの、建物は「景観利益」を違法に侵害するものでは
ないとして撤去は認められなかった。

  この本を読むと、当時の住民と明和地所(マンション業者)がどのようなやりとりをして
きたかがよくわかる。 明和地所の近隣説明書の内容に唖然とし、行政職員の及び腰の
姿、裁判所の理不尽な判決にいらだちを覚える。
  日本人は衣・食に関しては素晴らしい美的感覚を持っているのに、住に関してはおも
ちゃ箱をひっくり返したような環境のなかに甘んじて住んでいるケースが多いのは何故
かという問いかけは、まちづくりに関わっているものなら誰もが感じていることだろう。そ
の点についても国立問題を通じて感じたことを指摘している。
  石井氏は高島屋で常務までなった女性だが、その自分史についても語られており、
会社定年後の人生をどのように生きるかといった点でも多くの示唆を与えてくれる。
「この問題を通じて世相を見た思いがする」という言葉は、企業の一線で働いてきた企
業人の言葉だけに重い。市民の奮闘状況や様々な思いが伝わってくる好著であり、
「読みだしたら途中でやめられなくなるほど面白い」と絶賛する辻井喬氏の言葉に
納得だ。(石田富男)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・毎年、数台ずつ順番にパソコンを入れ替えています。メルマガ送信に使っているパソ
  コンを先日Vistaに変更しました。今までいろいろなソフトを試行錯誤しながら使って
  いただけに移行作業が大変。パソコンの買い替えはパソコンの掃除のよい機会にも
  なりますね。

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  を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
  できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
  ジンに掲載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
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