現在の位置:TOPスペーシアメールマガジン>148号 WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

  ◆ ■    ◆    ◆ ■   ◆
 ◆  ■◆   ◆    ■  ■  ◆   都市研究所スペーシア
■   ■ ■  ■   ■   ■   ■      メールマガジン
 ◆  ■ ■ ■■  ■    ■  ■■    (隔週発行予定)
  ■ ■◆  ■ ■  ■   ■  ■ ■  
 ◆  ■   ■  ■  ■  ■ ■  ■  □[第148号]2006/3/6
◆   ■  ■  ■■  ◆ ■ ■  ■■ □−−配信数 667−−□

 スペーシア・メールマガジンの第148号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 
<内容・目次>
  ◆視察レポート◆
   ・醸華町西条(東広島市)の観光まちづくり
  ◆図書紹介  
   ・建築の幸せ 中ア隆司著
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆ 

☆*****************************************************************
 ◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介− 
*****************************************************************☆
○ 醸華町西条(東広島市)の観光まちづくり ○

 先般、広島大学の友人から呼ばれて、「新生・東広島市の観光・まちづくりを考える」
の公開シンポジウムに参加した。話の契機は、弊社が年賀状代わりに出しているラバダブ
に半田市の都市再生(醸造の街)に関する記事を読んで、西条駅近くにある酒蔵通りの観
光・まちづくりに大いに参考になるのではと声を掛けられた次第。

 現場に行ってみると8社の酒造場がある。そのうち6社(白牡丹、賀茂鶴、福美人、賀
茂泉、亀齢、西條鶴)がまとまってあり、漆喰の蔵と煉瓦の煙突で構成される山陽道沿い
の町並みはすばらしい(写真参照)。商店街が形成されているが、なかには町並みにそぐ
わない建物も多いが、この6社の酒造場だけでも貴重な地域資源である。町並みをどう繋
ぐか、人々を飽きさせずどう回遊させるか、トータルとして如何に人々を集客するのか
(広島から山陽本線で35分)が課題になっている。

 西條の酒は山陽道宿場町西條で清酒が380年前から醸造されていたが、大規模化したの
は明治以降である。江戸時代に新たな酒造業者の参入を制限していた酒造株の廃止と鉄道
(陸の港)の開通の影響が大きい。酒所として大きくなるには、良質な水・米と輸送手段
である。江戸時代は海運中心のため港近くに集積したが、水と米のいい場所では内陸でも
可能となったのである。もう一つ、吟醸酒の発祥の地が東広島であるといわれている。精
米歩合60%以下を吟醸、50%以下を大吟醸と呼ぶ。ちなみに食用の米は90%程度で
ある。この物語だけでも、話は尽きない。

 さて本題である。パネリストの一人に賀茂鶴酒造の石井会長とお話する機会があった。
賀茂鶴は半田や多治見、名古屋との関わりが深いとのこと。何故半田へ?それは清酒を
絞った酒粕をミツカンに納入し、その集金に行ったからだそうだ。ミツカンは酒粕から酢
(粕酢)を作って、江戸に大量に出荷され、今日の「握りずし」が誕生した(当時の握り
ずしは今日の2倍程度の大きさであり、それを食べやすく半分で出したので、今日握りず
しを頼むと2個出てくる)。何故多治見へ?盃(さかずき)といえば多治見ということ
で、利き酒する盃は特にそうで、多治見に出向いたようである。多治見市之倉地区は盃生
産で有名で、そこには「市之倉さかずき美術館」がある。酒を陶器に入れて販売すること
もあるようだ。広島は九州と東海の狭間にあって、唐津や有田、美濃や瀬戸から売りに来
るそうだ。しかし、20〜30万円するような高級酒は有田焼を使用する。容器にも付加
価値を付けるためである。何故名古屋へ?集金の帰りに名古屋の料亭で宴会。名古屋の料
亭の大きさに驚いていたようだ。

 このように、一つの産地でいろんなネットワークが張り巡らされる。そのほうが広がり
のある夢が描ける。行き来して観光まちづくりの知恵の交流をしたいものである。が、今
回は名古屋のものづくり観光のPRを一方的にしてきたような気がする。 (井澤知旦)

酒蔵通り http://www.hh-kanko.ne.jp/sight/sakagura.html
博物館酢の里 http://www.mizkan.co.jp/sunosato/info.html
市之倉さかずき美術館 
http://www.c-5.ne.jp/~tajimi/kankou/point/sakaduki/skzk.htm

 →ホームページに写真を掲載しています。
 http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/saizyo/index.htm

☆*****************************************************************
 ◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−  
******************************************************************☆
○ 建築の幸せ 中ア隆司著 潟宴gルズ ○

 この本は、著者の「生活環境プロデューサー兼建築ジャーナリスト」という変わった肩
書きで、地域のまちづくりに関わってきた経験から、幸せな建築、幸せなまちはどうした
ら造られるかということについて書かれている。「生活環境プロデューサー」とは、生活
環境に関わるプロジェクトの企画、調査、計画、設計などを行うための体制構築、建築家
やデザイナーなどの専門家の選定・コーディネート、進行管理などをトータルにプロ
デュースするという仕事だそうだ。

 「建築の幸せ」という題名から建築に関する書籍という印象を受けるが、「コンサルタ
ント不振が広がるわけ」「誰のための住民参加か」「商店街は生き残れるか」といったま
ちづくりの関する記載が多い。これは著者が、建築は建築家や施主個人の問題だけでな
く、もっと社会的なもので、人々が生活する環境として考えることが重要だというスタン
スに立っているからであろう。

 本文では、建築家やコンサルタント、行政への批判が少なからずあるが、それらは建築
家でありコンサルタントである私自身も違和感を持っていることであったため、興味深く
読むことができた。例えば『「人と違ったことをしたい」という意識だけが強く、「個人
の幸せは社会の不幸」のような住宅もつくられていると感じている。』といった建築作品
への批判だ。

 この本は「建築は人々の思いの数が多いほど幸せになっていく」という言葉で象徴され
るように、建築やまちは住民や行政、さまざまなプロフェッショナルが共同で社会の幸せ
のため行動することにより生み出されるということを、著者が関わった事例を基に語って
いる。建築家やデザイナー、コンサルタントが社会を幸せにするものを生み出すためのヒ
ントとなる本である。(堀内研自)

☆*****************************************************************
 ◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
*****************************************************************☆
 (みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

☆*****************************************************************
 ◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
******************************************************************☆
・ワークショップで計画づくりを行った公園で、子どもたちも参加してもらって絵タイルを
 作成しました。子どもたちよりもお母さんたちが張り切っていたようです。自由に作成
 してもらうため、材料は余分に準備したので、だいぶ余っています。どこか有効に
 活用できるところはないでしょうか? (ishida)

####################################################################
◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
 を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
 できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
 ジンに掲載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
   http://www.spacia.co.jp/mm/index.htm
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
--------------------------------------------------------------------
(株)都市研究所スペーシア  編集:石田
 〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル5階
  TEL 052-242-3262 FAX 052-242-3261
  URL    http://www.spacia.co.jp/
####################################################################