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 ◆  ■   ■  ■  ■  ■ ■  ■  □[第123号]2005/3/21
◆   ■  ■  ■■  ◆ ■ ■  ■■ □−−配信数 632−−□

 スペーシア・メールマガジンの第123号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 
<内容・目次>
  ◆名古屋まちづくり情報◆
   ・歩いて暮らせる街づくりの展開 〜路地のたたずまいの保全〜
  ◆おもしろイベント◆
   ・中馬のおひなさん(足助町)
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆ 

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 ◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 歩いて暮らせる街づくりの展開 〜路地のたたずまいの保全〜 ○

 碧南市大浜地区は、南北朝・室町時代から大浜湊の湊町として開けたという古い歴
史を有するところであり、大きな寺院が多く点在するとともに、味醂・味噌などの特産品
を生産する工場などの蔵が点在している。地区内には多くの路地があり、寺院、蔵など
伝統的なたたずまいと一体となり、心地よい雰囲気を形成している。
 湊、寺、蔵、路地がこのまちの特徴であり、昔ながらの街並みを残している地区である
が、車の利用が不便であることや接道条件から建替えができないなどから人口が減少
し、商業機能も衰退していた。このような中で、2000年3月に国の「歩いて暮らせる街づ
くり」のモデル地区として全国20箇所の1つとして選定されたことをきっかけとして、
様々な主体がかかわるまちづくりが始まった。
 2000年秋からはじまった「大浜てらまちウォーキング」はすでに5回を数えるが、様々
な団体がいろいろな催しをまちのあちこちで開催し、多くの参加者でにぎわう。まちなか
に俳句が飾られたり、個人宅で自分のコレクションを公開したりと見所は多いが、特筆
すべきは小学校の総合学習との連携であると思う。寺院や神社などで発表する子ども
達の勇姿をみるため、家族はもちろん地域の人たちが大勢集まり、やさしいまなざし
をむける。昨年秋の第5回では16箇所もの場所で発表が行われた。これらを見て歩くと
まち全体を歩いてしまうしかけだ。
 本地区では建築士会の人たちが熱心にまちづくりに関わっている点も特筆できる。私が
大浜地区のことを知ったのは建築学会で見学会を行ったことだが、この時も建築士会の
人たちがまちを案内してくれた。大浜てらまちウォーキングでも街角フォトクイズなどを
実施し、まちの魅力を紹介している。様々な助成などを活用した研究活動なども実施
しており、今年度はハウジング&コミュニティ財団の助成をうけ、地区内のすべての路地
を調査し、ビジュアル路地台帳を作成することも行っている。
 地区内の路地については、災害時の危険性が問題とされる一方で、静かなたたずま
いを有しており、魅力的な景観を有するところも少なくない。「路地や細街路のたたずま
いの保全・再生」が地域再生のテーマとしてあげられており、大阪市法善寺横丁の取り
組みなど、路地の雰囲気を残そうという取組みが各地で行われている。愛知県でも、地
域再生推進のための支援措置として位置づけられたことを受けて、その検討に入って
おり、大浜地区を検討対象地区としている。その調査を当社が担当することになり、以
前から興味深いまちだと関心を持っていた大浜地区のまちづくりに関わることが
できた。
 車を使えないまちは不便であるが、そのことが地区の魅力を生み出している。不便さ
を享受し、そこに価値を見出す人が増えれば大浜地区のまちはもっと魅力的になって
いくに違いない。防災性能を高めながらも、路地のよさを残す方策はあるだろう。大浜
のまちづくりに注目していきたい。   (石田富男)

参考
 「全国路地のまち連絡協議会」という組織があり、美しい日本の豊かな生活空間で
ある路地を保全し、再生し、創造していくために互いに連携し、協働していくことを呼
びかけている。
  http://www.mmjp.or.jp/jsurp/roji/roji.htm

→ホームページに写真を掲載しています。 
 http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/ohama/index.html

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 ◆おもしろイベント◆  −名古屋から情報発信− 
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○ 中馬のおひなさん(足助町) ○
 
 足助町の「中馬のおひなさん」というイベントは1999年からはじまっており、今年は
7回目の開催になる。これまで開催中に近くを通ったりすることはあっても、1度も行っ
た事がなかったのだが、今回初めて見学する機会に恵まれた。
 見学した感想は、「とても面白い」。何が面白いかと言うと、とにかくそこらじゅうに
お雛様が飾ってあることである。「観光」などには縁のない、お雛様を飾っても何の得に
もなりそうにないところに、無理矢理飾ってあるという印象である。当日急にカメラが
故障して残念ながら写真が1枚もないのであるが、例えば、何かの工場のようなところ
で、従業員がせわしなく働いている一角の物置のような場所とか、小さな肉屋の、肉が
陳列してあるショーケースを通り過ぎた奥のところとか、歯医者のショーウィンドウと
か、自転車屋の、多分いつもは自転車が展示してあると思われるスペースとか、スー
パーの野菜が並ぶ陳列棚の上とか、美容院の入り口から入ったところとか、とても飾る
場所とは思えないところを無理矢理空けて、お雛様が鎮座しているのである。そういう
生活感溢れる展示場所なので、展示している人々もおそらく通常通りの生活を営んで
おり、肉を売ったり、いつもと同じように働いている様子であった。
 「中馬のおひなさんマップ」によると、2005年の一般の商店などの展示会場は128箇所
で、各自が持っているお雛様の展示をお願いしているということだ。これ以外に公民
館、中馬館といった核となる公共的な展示場所もある。主催は「AT21倶楽部」という
住民団体で、お雛さん以外にも観光イベントなどを企画している。お雛さんの第1回に
参加した一般商店は10店舗ほどだということだが、年々展示してくれるところが増えた
そうである。展示されているお雛様も、衣装雛(現代一般的に目にするもの)が高価で
手に入らなかった時代につくられた土びなや、江戸時代の内裏雛など珍しいものが
多く面白い。今年は、2月11日から3月6日までの期間開催された。
 「観光客向け」の、つくりものの安っぽいイベントには辟易するが、こういうイベント
は奥が深くて面白い。お勧めなので、行った事のない人は一度どうぞ。 (伊藤彩子)

参考資料
 井口貢編著『観光文化の振興と地域社会』

関連HP
 http://www.mirai.ne.jp/~asuke/
 http://www3.ocn.ne.jp/~korantei/sightseeing1.html

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 ◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介− info@spacia.co.jpへ
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 (みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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 ◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・当社がワークショップによる計画づくりのお手伝いをした稲荷公園の4周年「ゆめラン
 ドまつり」が昨日開催され、多くの参加者で賑わいました。4年たつと一部が破損した
 り、ペンキがはがれてきたりしていますが、住民の公園に対する愛着がますます高ま
 っているように感じました。(ishida)

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 を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
 できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
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