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◆ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ □[第121号]2005/2/21
◆ ■ ■ ■■ ◆ ■ ■ ■■ □−−配信数 631−−□
スペーシア・メールマガジンの第121号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆名古屋まちづくり情報◆
・いよいよ開港 中部国際空港
◆図書紹介◆
・「51C」家族を容れるハコの戦後と現在
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ いよいよ開港 中部国際空港 ○
2月17日、アジアのハブ空港をめざした中部国際空港が開港した。開港後で大混雑
していると言われている中、早速訪れてみた。空港へは、早くて時間が正確な鉄道を
選んだが、旅行者と見物客、その他の利用者でやや混雑気味。空港駅に到着し、
出発ロビーへ向かうとそこには人、ひと、ヒト。それは、飲食店等が並ぶ
「スカイタウン」へ向かう長蛇の列。これに並ぶのか・・・と思ったが、その脇にある
エレベーターが比較的空いていたのでそちらから難なくスカイタウンへ。スカイタウンの
「ちょうちん横丁」、「レンガ通り」は飲食を中心に多くのテナントが並ぶが、
人込みのせいもあり、通路の狭さが気になった。もう一つの注目の「スカイデッキ」
は、滑走路へ向かって延びる展望デッキで、すぐそこに駐機する飛行機や空港で
働く人の姿、エンジン音や燃料の臭いなどから改めてそこが空港であることを
感じる。その日は、あいにくの雨だったが、飛行機の離発着がある度に声をあげ
楽しんでいる人々の姿が多くみられた。
構想から数十年の歳月を経て完成した国際空港。地元民としては騒音問題等もあり
心境は複雑だが、これを機にこの常滑や知多半島がどう変わるのか楽しみでもある。
これまで空港は、「特別な場所」という印象が強いが、ここは、民間の様々なアイデアが
取り入れられ結果、商業施設が併設されたりウェディングといったイベントの開催、
全国から募ったネームプレートの敷設などにより「身近な場所」という印象を受ける。
さらにいえば、空港島や前島でのイベント開催(例えばやきものまつりなど)や打上
花火、空港内の舞台裏見学ツアーなど、これまでの空港にはない新たな取組みが
あればより親しみのある空港になるのかもしれない(当然様々な問題もあるが)。
今後、中部国際空港が人と物を運ぶ空港本来の機能と併せて人々が集う交流拠点
や知多半島の観光スポットになることを期待したい。 (村井亮治)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/centrair/index.html
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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 「51C」家族を容れるハコの戦後と現在 ○
著者:鈴木成文、上野千鶴子、山本理顕、布野修司、五十嵐太郎、山本喜美恵
毎週、土曜、日曜の朝には大量の広告が配達されてくるが、大半がマンションや
ハウスメーカーのものである。そこには設備やセキュリティー、デザインなどの売り文句
が書かれ差別化を図ろうとしているが、どれにも共通しているものは、間取りを示す
3LDK、4LDKという記号と、それになぞらえて造った、平面プランである。キッチンが
オープンか独立か、和室があるかないか、と言った違いこそあれ、基本は個室が
いくつありキッチン、ダイニング、リビングがあるという記号が示す、nLDKタイプで
すべての住宅が計画されている。個人のニーズがこれだけ多様化した現在、この
nLDKタイプというものだけに、私たちがあたりまえのように住んできたのはなぜか。
こうした問に答えようとしたのが本書である。
ここで、補足しなければならないことがある。一般の方には、このnLDKタイプと
いうものに、意義を唱える方は圧倒的に少数であろう。しかし、住宅の研究者や建築家
は、長らくこのタイプに替わる新たな住宅の間取りを創造すべく、情熱を注いできて
おり、そうした視点で本書は書かれている。
さて、このnLDKというタイプの元となったのは本書の題にもある「51C」型と呼ばれる
プランである。これは、戦後の住宅難の時代、1951年に計画された公営住宅標準設計
C型の通称であり、生みの親は、本書の主役、鈴木成文氏である。私も学生時代、
氏の授業を受けたが、長らく「51C」型とnLDKが一直線に結びつかず、もやもやして
いた。本書ではっきりしたことは、「51C」型で実現したのは、「食寝分離」から
生まれた「ダイニングキッチン」と「寝室の分解」から生まれた「2つの寝室」
であった。それを、わずか35uの住宅に入れ込むため、巧妙な機能の分離と
重合が行われ生まれたのが「51C」型であった。つまり「51C」型は2DKである。
その後、日本の成長と共に住宅内には物が増えていき「リビング」が付け加えられ、
寝室も夫婦と子供2人のものが付いた3室になり、日本の標準間取りが3LDKとなって
いく。そして、この3LDKは住宅産業の商品として、大量に供給され一般に浸透して
いったようである。
この本の山場のひとつは「ダイニングキッチン」誕生の話である。そこに書かれている
「台所で食事をするという生活は、調査でも一割ほどの世帯で見られた。10%という
数字は統計的には無視されてしまいがちな量であるが、そこに“これからの姿を見た”
と思ったのである。」というくだりは、鈴木氏の興奮が伝わってくる。
さて、私は現在自邸を設計中であるが、まず、このnLDKにとらわれないことから始め
ている。今検討中のプランをあえて記号化するなら、1〜2S+3〜5R+K(1から2室になる
倉庫と3から5室になる部屋とキッチンがある家)である。しかし、nLDKから外れる
ことに、最も大きな壁として立ちはだかるのは、ステレオタイプにどっぷりつかった
妻の存在である。彼女と話していると、人の生活というものがいかに保守的であるかが
分かる。50年以上もnLDKタイプが住宅の間取りを支配してきた事実は、いつの間にか
生活にも未来を夢見なくなってしまった“現代”という時代を映しているような
気がする。 (堀内 研自)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/tosyo/51c.htm
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介− info@spacia.co.jpへ
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○中部大学の佐藤です。
栄東の町づくり(まちづくりでも街づくりでもない)運動について、脇本さんや渡辺
俊一先生からヒアリングされ始め、自分でも見直してみました。
運動について一番詳しいのは、松尾博雄さん、二番に詳しいのが佐藤になってしまい
ました。
自分で書いた「栄東」の回顧録?は日本都市学会年報vol34 2000に「市民参加の
町づくりの検証ー日本で最初のまちづくり 名古屋市栄東地区の街づくり運動につい
て」として書いています(3つのマチづくりをつかって)。私の記憶では1961年が運
動のスタートだと思います。
→情報提供ありがとうございます。日本都市学会年報を拝見すると、当時の関係者
が熱意をもって取り組まれていたことが伺えます。名古屋発の取り組みとしての
情報発信が重要ですね。(ishida)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・現在、利用しているレンタルサーバーが3月一杯で使えなくなるため、新たなレンタル
サーバーを探す必要があります。ネットをみるといろいろなところがあって、どこを選
んでよいのか、悩ましいところです。
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
ジンに掲載させていただきます。
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◎バックナンバーはホームページに公開しています。
http://www.spacia.co.jp/mm/index.htm
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
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(株)都市研究所スペーシア 編集:石田
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