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 ◆  ■   ■  ■  ■  ■ ■  ■  □[第115号]2004/11/29
◆   ■  ■  ■■  ◆ ■ ■  ■■ □−−配信数 623−−□

 スペーシア・メールマガジンの第115号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 豊田市の金子さんからニューヨークのMOMAに関するレポートをいただき、この
メールマガジンで紹介させていただくことにしました。みなさんからの興味深いレポート
をお待ちします。
 
<内容・目次>
  ◆まちのトピック
   ・都市計画講演会「都市計画支援ツールと防災まちづくり支援」 (12/11)
   ・愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会・公開シンポジウム(12/14)
  ◆名古屋まちづくり情報◆
   ・温泉と観光
  ◆視察レポート◆
   ・MOMAに行ってきました
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆ 

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 ◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 都市計画講演会「都市計画支援ツールと防災まちづくり支援」 ○

 (社)日本建築学会東海支部都市計画委員会では、例年2回の講演会を開催していま
す。今回、都市計画における計画技術の発展に関わり、お二人の先生にご講演いただきま
す。2004年日本建築学会賞(論文)を受賞された本委員会の大貝先生には、計量的支
援ツールについて、東京大学の加藤先生には防災まちづくり計画の支援システムについ
て、ご講演頂くことにしました。
 東海地震と東南海地震が危惧される本地域では、防災まちづくりは大きな課題となって
います。また、本講演会のテーマである都市計画支援ツールは、防災まちづくり計画の策
定やその評価にきわめて重要な役割を発揮することが期待されます。
 この講演会は、防災まちづくりに関係する自治体職員、研究者、学生を始め、防災に関
心のあるすべての人を対象にしています。
 みなさまの参加を心より、お待ちいたしております。

【日時】平成16年12月11日(土)午後1時30分から午後4時30分
【場所】名古屋都市センター・大研修室
【内容】
講演1:「都市計画における計量的支援ツールの役割と課題」
     講師 大貝彰(豊橋技術科学大学)
講演2:「防災まちづくり支援システムの現状と課題」
     講師 加藤孝明(東京大学)
両講師による対談

主催:(社)日本建築学会東海支部都市計画委員会
共催:(財)名古屋都市センター
共催:(社)全国市街地再開発協会
後援:住まい・まちづくり活動推進協議会
【問い合わせ先】 日本建築学会東海支部
 電話 052-243-6244   FAX 052-261-0251

〜スペーシア・石田〜

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○ 愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会 平成16年度 公開シンポジウム ○
  『自立する市民の公共施設運営の将来像− 指定管理者制度をにらんで −』

 公共施設の計画段階からの市民参加が進むなかで、熱心に計画や設計に参加した市民が
自治体から自立した団体となり、施設建設後も運営・管理に積極的に関わろうという動き
が出てきました。一方、地方自治法が改正され、県や市町村の持っている文化・スポーツ
・福祉などの市民が利用する施設が、民間の企業やNPO法人などの団体でも管理を代行
できる指定管理者制度がスタートしました。このことが、公共施設の市民管理・運営の可
能性を広げることになると考えられますが、制度は始まったばかりで、その運用について
はまさに試行錯誤の状態です。今回のシンポジウムは、その話題の指定管理者制度をにら
み、今後の公共施設運営の行方を考えていきたいと思います。

【日時】 2004年12月14日(火)
     午後1時30分〜5時00分(受付開始 午後1時〜)
【場所】(財)名古屋都市センター11階(大研修室)
     (名古屋市中区金山町一丁目1番1号 金山南ビル)
【主催】愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会   
【後援】愛知県、名古屋市(いずれも懇請中)
【参加無料】

【スケジュール及び講師】
○基調講演
 「指定管理者制度と『新しい公共』のかたち」
  清水裕之 氏(名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻教授)

○事例報告
 「指定管理者制度を地域文化施設にどう活用したのか」
 (横浜市磯子区民文化センターの公募の事例を踏まえて)
  講師:高橋保夫 氏(横浜市文化芸術都市創造事業本部文化政策課)
 「総合型地域スポーツクラブの育成と公共施設運営」
 (半田市成岩地区の事例を踏まえて)
  講師:高木勝弘 氏(半田市教育委員会事務局教育部スポーツ課)
 「指定管理者事業を積極展開している民間企業からの視点は今」
 (いくつかの実績と川上貞奴邸(名古屋市)の受託を踏まえて)
  講師:植村敏明 氏(アクティオ(株)専務取締役)

〈休憩〉

○パネルディスカッション
  コーディネーター : 清水裕之 氏
  パネリスト: 事例報告 講師

【申し込み】
・申し込みは、FAX又はe-mailにて下記事務局まで、氏名、所属、電話番号、FAX番号、
 E-MAILをお知らせください。
・申し込み締め切り日 平成16年12月10日(金)

 愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会事務局
 (株)国際開発コンサルタンツ 福井
 E-mail : h.fukui@idec-inc.co.jp
 TEL:052-242-3060  FAX:052-242-3062

〜スペーシア・石田〜

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 ◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 温泉と観光 ○

 仕事の関係で下呂へ行った。平成16年3月に5町村が合併して下呂市になった。下呂と
いえば温泉である。多くの温泉地がそうであるように、下呂も観光客の減少に悩んでい
る。平成4年度の225万人から直近の14年度には185万人に落ち込み、歯止めがかかってい
ない。

 原因は明確で、これまでの団体旅行・慰安旅行から、今日では個人旅行(友達・家族)
・観光旅行へと大きく転換しているからだ。前者の場合、夕方着いて、温泉に入り、宴会
で騒いで、その日は終わり、翌朝出発するというスタイルなので、宿泊施設内完結型で十
分であった。しかし、今日では半強制的な慰安旅行(社員旅行)は従業員に嫌われ、中止
する企業が多い。かわって今日の旅ブームは友達や家族での旅行であり、まさにゆったり
と「地域の光を観る」ために訪れる。ところが地域の「光」となる資源を磨いてこなかっ
たところは、訪れても観るべきものがないので、そっぽを向かれることになる。宿泊施設
の外が集客にとって重要となる。その地域が育んできた独自の町並み景観、郷土料理、伝
統文化、そして地域のもてなしが重要となる。湯布院はその成功例かもしれない。

 下呂温泉はなまじっか景気がよかった時代を通過したために、風情のある木造の温泉旅
館は姿を消し、多くはコンクリート造の温泉ホテルへと変身した。好景気を通過していな
い鄙びた温泉地は建て替えも進められなかったが、かえって旧き良き時代の景観を留めら
れたので、今日注目される事例も多い。周回遅れで先頭(銭湯にも掛けている)を走って
いるようなものだろう。下呂も個人旅行に対応して、新たな景観形成を含め、地域資源の
掘り起こしと再編が課題となっている。

 温泉好きな私としては、下呂を訪れたからには温泉に入らない手はない。しかし、日帰
りである。下呂温泉では旅館協同組合が「湯めぐり手形」を1,200円で発行し、6ヶ月間
で3ヶ所の湯場めぐりができるメニューを持っている。これなら日帰り客でも温泉三昧で
きるわけだ。その日一日で3ヶ所入ろうと意気込んで、さっそく水明館で入湯した。手ぬ
ぐいは貸与され、バスタオルは備え付けてある。「夕方から温泉に入れるなんて、極楽極
楽」と唱えながら。一つ入湯すると、やはり疲れてしまい、すぐさま第二の温泉に入る気
がしない。そこで休憩がてら夕食を取り、身体を休めて次に行こうとしたが、乗車する電
車時間まで15分しかなくなってしまった。あわてて、第二の温泉旅館に飛び込んで風呂場
に行ったが、手ぬぐいもバスタオルも置いていない。聞いてみると、貸し出しはしていな
いとのこと。確かに手形にも「タオル等の提供はありませんのでご用意下さい」と書いて
ある。といってタオルを買う時間もない。頭に来たが、「ままよ」といって温泉に入り、
すぐさま出てきた。何で体を拭けばよいやら、洗面台を見るとティッシュが置いてある。
擦るとティッシュが破けて、身体の至る所に紙片がくっ付いてしまう。ティッシュ破片を
身体に付いたまま家に帰ると何を言われるかわからない。身体を叩くようにして、水気を
ふき取っていった。そこは生活の知恵を働かせた。

 変な方向に話がいってしまった。要は入湯が宿泊客対応のサービスであって、手形客対
応のサービスになっていない。日帰り客も客であり、明日の宿泊客になりうる。これでは
ファンをつくるどころか、逃がしてしまわないだろうか。きめ細かなサービス(もてな
し)、換言すればサービスの質のレベルを上げていかなくてはならない。

 しかし、「極楽極楽」の一日であった。これからは温泉地の仕事を積極的に取ってこよ
う。  (井澤知旦)

→ホームページに写真を掲載しています。 
 http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/gero/index.html

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 ◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−  
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○ MOMAに行ってきました ○

 MOMAはご存知、ニューヨーク近代美術館の愛称。マンハッタンの中心にある美術館
は2001年から進められていた全面改装工事が終わり、この11月20日にリニューアル・オー
プンしました。世界の近・現代の絵画、彫刻、映像、デザインなどの豊富なコレクション
から幅広いファンの多い美術館のひとつです。収蔵作品の質の高さはもとより、ミュージ
アム・ストアーで販売される洗練されたグッズにも人気があります。美術館開設75周年を
機に行われた今回の改装はMOMAの歴史の中で、最大の改装ということとあわせ、展示
スペースも従来の2倍近くになるという大規模なものです。今回の改装プロジェクトで注
目されているのは、プロジェクトの設計がわが国の建築家、谷口吉生氏に任されたことか
も知れません。氏は国内では多くの美術館の設計を手がけていますが、海外の美術館は初
めての仕事になります。世界の代表的な美術館建築での評価に注目が集まっています。

 10月上旬に何気なくMOMAのホームページにアクセスしたところ、11月20日のリ
ニューアル・オープンの記事に目がとまりました。小生、実は今年の2月にもMOMAを
訪ねているのです。そのとき訪ねたのは改装工事中の仮の施設であるイーストリバーをは
さんだ対岸のクイーンズ地区の「MOMAQNS」。その頃は2005年あたりにマンハッタン
の建物が完成するという漠然とした情報に、新しい施設もまた訪ねてみたいという程度の
もの。しかし、11月のオープンを知ってしまうと、もう来年が待ちきれなくなってしまう
のが小生の悪いクセ。23日の祝日も上手く使えば現地で3泊は可能。同行する家内の都合
も確かめずに格安航空券のサイトにアクセス、20日のオープンに間に合うよう、19日の便
を予約。ホテルも美術館に近いミッドタウンに確保。事が簡単に運んでしまうのがイン
ターネット社会の良いところというか、悪いところ。日程さえ抑えてしまえば、気持ちは
もうMOMAモードです。11月であれば「オータム・イン・ニューヨーク」の世界ならぬ
秋色に染まるセントラルパークが楽しめるほか、人種のパッチワークのようなマンハッタ
ンの下町歩きや本場のミュージカル観劇も楽しみです。もちろん、MOMAだけでなく、
メトロポリタン美術館やフリック・コレクションなど、NYの特色ある美術館巡りも欠か
せません。

 3年ぶりにMOMAがマンハッタンに戻ってくる20日は大勢のファンが殺到することを
考えて、午前10時開館の2時間近く前に美術館に出かけたところ、先頭から100番目ほど。
日本で想定されるような前日から並ぶような異常事態はここNYではなさそう。NYっ子
は意外に冷静。それでも開館時間が近くなる頃には53丁目の車道も半分ほど車両規制して
2千人ほどの行列が開館を待ちます。

 MOMAの設計を手がけた谷口氏は小生の住む豊田市美術館の設計者。そんな意味から
も新しいMOMAの建物にも特別の関心があります。一歩入った美術館は、直線と白色を
基調にした谷口氏の世界。床面の薄緑色のスレート、乳白色のガラス壁などが日本風で落
ち着いた中にもモダンを感じさせる空間が広がります。ガラス部分を多く取り入れ、自然
光がふんだんに降り注ぎます。まさに谷口氏が得意とする光と影の演出が絶妙に体感でき
る美術館です。広いロビーの緩やかな階段を上がった踊り場に置かれたロダンのバルザッ
ク像が来館者を迎えてくれます。5階までの巨大な吹き抜けの正面にはアビー・アルド
リッチ・ロックフェラー彫刻庭園が54丁目沿いのビル街に囲まれたちょっとお洒落で都会
的な雰囲気をかもし出しています。6階建ての美術館の随所から階段室の吹き抜けを通し
て俯瞰できる2Fレベルの彫刻庭園の眺望も各階を移動する観覧者の心理を上手くとらえ
ているようです。3階の東ウイングの企画展示室では「谷口吉生の9美術館」と題する、
MOMAも含めこれまで氏が手がけた美術館を模型や映像で紹介する企画展がリニューア
ル・オープン記念のイベントのひとつとして開催されています。ちなみに、この企画展は
来年1月にMOMAでの展示会終了後、わが国でも巡回展示予定とのこと。

 建物の紹介を始めるときりがありませんが、新MOMAのフロアー構成は次のように
なっています。6階は仕切り壁のない自由度の高い企画展用のスペース。4階〜5階が絵
画と彫刻の展示室。広い展示スペースには印象派から現代までおなじみの作品が次々に登
場します。展示空間が広くなったことでMOMAが所蔵する代表作の多くを常設展示。遠
来の訪問者には嬉しいことです。3階は、建築・デザイン、ドローイング、写真など。2
階は、コンテンポラリー・ギャラリー、版画・挿画本、メディア・ギャラリーなど。1階
はレストランやミュージアム・ストアー。欧米の多くの美術館の例にもれず、シェフのガ
ブリエル・クリュテール氏が腕を振るうここのレストランも上品で美味しい食事を楽しむ
ことができるおすすめの場所です。また、MOMAを訪ねたらミュージアム・ストアーも
見逃すことはできません。MOMA本館と53丁目をはさんだMOMAデザイン・ストアー
ともども、お気に入りの一品を求めることも美術館巡り楽しみのひとつです。

 MOMAはわが国でもよく紹介されている美術館のひとつで、各地の美術館でいろいろ
な形で企画展が開催されています。しかし、近・現代を代表する所蔵作品はもとより美術
館の空間そのものがMOMAのアートスペースだと思います。やはりこれはMOMAの中
に立つことではじめて体感できるものです。谷口氏による今回のプロジェクトがニュー
ヨークの街並みにどのようにマッチするか注目されていますが、新しい美術館は奇をてら
うことなく自然な形でニューヨークという大都会の風景に溶け込んでおり成功していると
感じます。また、今回のリニューアル・オープンが多くの人から待たれていたことは、開
館を待つ行列では英語だけでなくイタリア語やスペイン語など様々な言葉が飛び交ってい
たことにも伺われます。行列で待っている間に日本のAテレビからいろいろ取材を受け、
その中で従来の入館料金12ドルが20ドルに値上げされたことについてどう思うかとの問い
に対し、インタビューアーの意図がどこにあるのか判りませんが、小生は「妥当ではない
ですか」とお答えしておきました。(ただし、11月20日は開館記念ということでMOMA
の筆頭後援者であるJ・P・モルガン・チェースによる無料開放サービスの恩恵に浴させ
てもらいました。念のため。)
                   (豊田市/金子 宏)

 →金子さんのホームページに写真が掲載されています。ほかにもエッセイがもりださん
  です。 
  http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/4318/yutakasa-sagashi-2004-2.htm

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 (みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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 ◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・8月にはいったアルバイトが病気のためやめることになり、新しく11/22からアルバイト
 が加わりました。よろしくお願いいたします。

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 を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
 できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
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