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◆ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ □[第111号]2004/10/4
◆ ■ ■ ■■ ◆ ■ ■ ■■ □−−配信数 615−−□
スペーシア・メールマガジンの第111号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・第1回 団地再生卒業設計賞展・名古屋(10/12〜15)
・第2回中部の豊かな住まいづくりセミナー(10/21)
・親と子の建築・都市講座 −広小路探検と歴史的建築模型作成−(10/23)
◆名古屋まちづくり情報◆
・まちづくりと担い手
◆視察レポート◆
・安曇野ちひろ美術館
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 第1回 団地再生卒業設計賞展・名古屋 ○
主催:名古屋建築会議、共催:NPO団地再生研究会、(財)名古屋都市センター
1960年代前半から大都市部に大量に供給された団地型の公的住宅や1970年代
から急増した民間団地型マンションの相当数が老朽化しています。これまでの日本で
はスクラップ・アンド・ビルド型の考え方が主流でした。しかし今後は、地球環境的
視点からの資源の有効利用、良質な住宅ストックの形成などの理由から、欧米で先行
するストック型、即ち、サスティナブル型への転換が予想されており、既に日本の政
策上の目標ともなっています。こうした現状に対して調査・研究開発等の努力が建築
関係者を中心に精力的に実施されています。
「団地再生卒業設計」賞は、団地再生の推進を目的に、今年度、全国の大学や高等専
門学校における団地再生をテーマにする卒業設計の中から、優れた理念を持つものや
計画やデザインの提案を選んで表彰するものです。今年度は、全国から26点のエン
トリーを受け、22作品の応募が集まりました。
去る平成16年4月28日に行われました審査会(審査委員長:内田祥哉
東京大
学名誉教授、金沢美術工芸大学客員教授、審査委員:野沢正光:NPO団地再生研究
会理事長、OM研究所代表取締役所長、松岡拓公雄
滋賀県立大学環境科学部教授、
アーキテクトファイブ)において、「団地再生卒業設計賞
内田賞」をはじめ4作品
が選出されました。
つきましては入賞作品4作品の作品展示と応募作品18点の作品ファイルの展示会を
下記の日程で開催します。また、シンポジウムを10月15日17時より行いますので、是
非ご出席いただければ幸いと存じご案内申し上げます。
●第1回団地再生卒業設計賞展
日時:平成16年10月12日(火)〜10月15日(金)
場所:名古屋都市センター11階(名古屋市中区金山町1-1金山南ビル)
●シンポジウム
日時:平成16年10月15日(金) 17:00〜
場所:名古屋都市センター11階・大研修室
〜椙山女学園大学の村上先生より情報提供いただきました〜
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○ 第2回中部の豊かな住まいづくりセミナー ○
〜これからの住まいづくりへの提言〜
中部の豊かな住まいづくり研究会(国土交通省中部地方整備局設置)では、時代の動き
を的確にとらえた市町村での住宅政策の推進を図るため、市町村の取り組みを支援するこ
とを目的に情報収集・情報発信を行っています。これまでに「市町村基本計画及び住宅政
策(居住政策)に関するアンケート」等を行うとともに、学識者やNPO等で活躍されて
いる方に今後の住まいづくりについてのお考えを提言していただく「住まいづくりに関す
る有識者調査」を実施しました。
「住まいづくりに関する有識者調査」では、貴重なご提言を数多くいただきました。こ
の結果についてはホームページでも公開する予定ですが、本セミナーでは、直接お話を聞
く機会として、2名の方にご講演をお願いすることといたしました。様々なご経験に基づ
くお話を聞くことによって、今後の住まいづくりのあり方について考えていきたいと思い
ます。
【日時】 平成16年10月21日(木) 14:00〜16:45
【場所】 (財)名古屋都市センター11階大研修室
【内容】
●講演1:石原美智子氏(社会福祉法人 新生会 理事長)
「高齢社会での住まいづくり」
<講師略歴>
1965年 明治学院大学文学部卒業、1978年特別養護老人ホームサンビレッジ新生苑施設
長等を経て、現在、社会福祉法人新生会理事長、株式会社新生メディァル代表取締役。ま
た、岐阜県経済同友会幹事、岐阜県総合開発審議会委員、全国在宅介護事業者協議会代表
世話人なども務めている。著書に「夢を食む女たち 新生メディカル・福祉ビジネス実践
書」中央法規、2002年、「生きててよかった」ミネルヴァ書房、1986年 などがある。
●講演2:岩田司氏(独立行政法人 建築研究所 住宅都市研究グループ
上席研究員兼研究主幹)
「誰にもできない、誰にもできるすまいづくり、まちづくり」
<講師略歴>
1989年 東京大学大学院工学系研究科都市工学専門課程修了、工学博士。建設省建築研
究所に入所して以降、HOPE計画をはじめとした地域に根ざした住まいづくり・まちづくり
に取り組む。著書に「HOPE計画の20年」(国土技術政策総合研究所資料、2004年)、
「三春のまちづくり」(「アーバンデザインの現代的展望」鹿島出版会、1993年)、
「HOPE計画の展開とその評価」(「地域と住宅」頸草書房、1994年) などがある。
【申し込み】
メールにて、下記研究会事務局まで申し込みください
締め切り 平成16年10月18日(月)
中部の豊かな住まいづくり研究会 事務局
(株)都市研究所スペーシア 石田
E-mail
〜スペーシア・石田富男〜
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○ 親と子の建築・都市講座 −広小路探検と歴史的建築模型作成− ○
名古屋の広小路は名古屋の歴史を語る道であり、古い面影を残すビルも残っています。
その歴史と今を探検するとともに、簡単なペーパークラフト作りを体験します。当日は、
広小路ルネッサンスのイベントも開催されており、家族で楽しむことができると思いま
す。
【日時】 平成16年10月23日(土)午後1時30分〜4時30分
【集合場所】 マナハウス5階マナルームH
(名古屋市中区錦三丁目22-20 電話052-971-2178)
【企画】
1)広小路の歴史や建物についての説明(名古屋市立大学・瀬口教授)
のあと広小路を散策・探検します。
2)現在修復工事中の加藤商会ビル(堀川端)を外から見学したあと
ATビル会議室で加藤商会ビルのペーパークラフトを作ります。
【参加費】無料
(道具や材料は主催者が用意し、終了後参加者に無料で配布します。)
【参加条件】小学校4年以上の子供と親のペアで申し込みください。
【申し込み】
「親と子の建築・都市講座 −広小路探検と歴史的建築模型作成−」参加希望と書き、
親子の氏名、連絡先電話番号、学校名、住所を記入の上、FAXで下記まで申し込みくださ
い。(10月9日締め切り)
(社)日本建築学会東海支部 FAX052−261−0251
〜スペーシア・石田富男〜
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ まちづくりと担い手 ○
まちづくりには3種の人材が必要だと言われる。「ばか者」「わか者」「よそ者」がそ
れであるが、特に「ばか者」の存が大きい。「ばか者」とは本業をなおざりにして一心不
乱にまちづくりに取り組む人々で「仕事をほったらかしにして、儲からんまちづくり一生
懸命になってバカだねぇ」のニュアンスが込められている。この「ばか者」がいるが故に
「わか者」(老若の線引きが難しい。50歳超えても青年弁護士という呼び方がある)や
「よそ者」が集まってくる。
確かにまちづくりの仕事をしていると、そういう人材がいる市町村といない市町村とで
は、そうとう取り組み実態に格差があるのが事実である。
某市の話。本業は建築士であるが、まちづくりに熱心に取り組んでいるA氏。よくある
のは仕事をとるためにまちづくり活動に参加する建築屋は多いが、彼の場合、まちづくり
を進めるために、建築士の仕事をしている感じである。「ばっか野郎、てめぇは」など口
は悪いが、そこには愛情が隠し味になっている。口が悪いだけでは人はついてこない。外
からの視察要請もいやな顔もせず受け入れ、自らも全国の関連イベントに飛び回り、来年
は全国大会を当市で開催することになったようだ。
もう一人は最近A氏に紹介していただいたB氏。彼は私と同い年(おぉ、52歳になって
しまった)で誕生日も一日違いである。家業は菓子問屋兼小売であるが、すでに息子に家
業を譲り、自身はまちづくりに邁進している。「本業をなおざり」どころか「本業を譲っ
て」である。
私「もう隠居ですか、ええですなぁ。こっちはその日暮らしで四苦八苦してるのに。」
B氏「いやぁ、いつなんどき脳の血管が切れて、やりたいことがやれんようになるかわか
らん。やれるうちにやるのが一番」脳梗塞になって倒れたB氏の父親の姿を自分に重ねて
いるのかもしれない。
最後の一人は大学の研究機関に属し、その某市に居住しているC女史。その意味では
[(「ばか者」+「よそ者」)/2]の位置にある。大学と地域との連携をすすめていく
のが仕事ではあるが、まちづくりや産業興し、活性化の仕掛けに熱心で、私が訪れるとこ
ろ、訪れるところに必ず彼女の名前が出てくるのである。要所要所の押さえ方がうまい。
「ばか者」的熱心さと「よそ者」的客観さをもって取り組む姿勢は、貴重である。我々コ
ンサルタントの仕事のあり方の一つのスタンスを示している。
A氏、B氏、C女史の存在が印象に残ったので、ここに書き留めたのであるが、実際は
彼らだけでなく様々な人材がまちづくりを担っていることは言うまでもない。これからは
団塊の世代が定年を迎え、人材が豊富に供給されてくるので、これからのまちづくりは
益々面白くなってきそうだ。 (井澤知旦)
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◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 安曇野ちひろ美術館 ○
以前、東京の「ちひろ美術館」について紹介したが、今回は長野にある「安曇野ちひろ
美術館」を紹介する。建物の設計は東京と同じ建築家、内藤廣氏。1996年に開館して以
来、多いときで1日に4,000人を超える人が訪れるというスーパー美術館である。その秘密
はどこにあるのか、以前より興味があった。
建物は北アルプスから流れる乳川に面した約35,000uもの敷地に建っている。田園地帯
にある広大な敷地には、花畑や水遊びのできる池、復元されたちひろの山荘、アート作品
などが点在し、「安曇野ちひろ公園」として一般に開放されている。切妻の屋根をいくつ
も並べた美術館の外観は、バックの北アルプスの山々と調和するように建てられている。
入館の時に渡されるのはチケットの半券ではなく、小さなバッチである。これを服のどこ
かに付けておけば、1日中出入りが自由というわけだ。館内は鉄筋コンクリート造とは思
えない温かみのあるもので、木造の美しい小屋組みをそのまま表した天井の効果が絶大で
ある。ちひろの作品の魅力が多く来館者を集めていることはもちろんだが、この美術館で
は、企画展にも力を入れている。私が訪れたときは、不思議な金属製の楽器が無造作に床
に並べられていた。それらは、どれも使い方が分からないような形状をしており、使い方
の説明を読みながら、探るように叩いたり、こすったりしていると、つい演奏に夢中に
なってしまう。ミュージアムショップも充実しており、ちひろのイラストが入った小物は
どれもセンスがよく、多くの女性が熱心にショッピングを楽しんでいた。棟の間にはパラ
ソルと寝椅子が置かれた休憩スペースがあり、贅沢にも美術館でゆっくり昼寝を楽しむこ
とができる。長旅で疲れた私にとっては至福の時であった。
さて、「安曇野ちひろ美術館」の人気の秘密をまとめると3つの「触」がキーワードと
なる。
第1の「触」は当然、「アートに触る」である。展示物がどれほどすばらしくても、子
供はすぐに飽きてしまうものである。そこで、自分で参加し体験できる形態の作品の展示
が、芸術への興味を広げてくれる。
第2の「触」は「自然に触る」である。安曇野の豊かな自然を巧みに美術館と組み合わ
せた効果は大きい。
第3の「触」は「商品に触る」である。自分でお金を払って買うとなると、みんな真剣
である。ミュージアムショップで数ある商品の中から何かしらベストの物を選ぼうとする
真剣さが、センスを養うのである。そして、美術に関心の薄い方々も、お土産となれば時
間を忘れショッピングを楽しむものである。
「安曇野ちひろ美術館」は子供から大人まで、家族で1日楽しめる美術館である。ま
ず、家族でちひろを鑑賞。その後、体験アートで触りまくる。午後は公園でお弁当。食後
は子供と自然に触れ合う。最後はお母さんと子供はミュージアムショップへ、お父さんは
昼寝タイムで疲れをとる。以上「安曇野ちひろ美術館 三触(さんしょく)昼寝付きコー
ス」でした。 (堀内研自)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/tihiro-azumino/index.htm
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介− info@spacia.co.jpへ
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・スペーシアでは本年10月または来年4月採用ということで研究員を募集してきました
が、来年4月採用者を内定いたしました。東北からのUターンです。
・今回も1日発行が遅れてしまいました。申し訳ありません。
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
ジンに掲載させていただきます。
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(株)都市研究所スペーシア 編集:石田
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