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◆ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ □[第105号]2004/7/12
◆ ■ ■ ■■ ◆ ■ ■ ■■ □−−配信数 631−−□
スペーシア・メールマガジンの第105号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
<内容・目次>
◆まちのトピック◆
・都市住宅学会中部支部 研究交流会(7/28)
◆名古屋まちづくり情報◆
・うだつのあがる町並み -美濃市目の字地区-
◆視察レポート◆
・世界遺産 ベギンホフ
◆読者の声◆
◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 都市住宅学会中部支部 研究交流会 ○
「ハードとソフトの両面からみた団地再生」
今般、(社)都市住宅学会中部支部では、椙山女学園大学の村上心助教授から「ハード
とソフトの両面からみた団地再生」と題するご講演をいただく機会を設けました。
村上先生からは、(1)マスハウジング期の集合住宅・団地、(2)海外の団地再生、
(3)高蔵寺ニュータウンのケースと今後の展望 といった3つのテーマについて多数の
スライドを使ってビジュアルにご紹介いただく予定にしております。
ストック時代の本格化を迎えた今、公営住宅の建替、民間分譲マンション建替事業を含
めた団地再生に向けて、多方面の参加者とともに意見交換ができればと考えております。
都市住宅学会会員以外の方も含め、多数の皆様のご参加をお待ちしております。
【日時】 平成16年7月28日(水) 午後2時30分〜4時30分
【場所】 住宅金融公庫名古屋支店・5階大会議室
【内容】
1 住宅金融公庫名古屋支店公共業務課長 河田 崇
「マンション建替・コンバージョンに対する公庫の支援について」
2 椙山女学園大学 生活科学部 村上 心 助教授
「ハードとソフトの両面からみた団地再生」
【参加費】 無 料
【定 員】 80名(先着順)
【参加申込】 下記ホームページに申込書がありますのでFAXにて申し込みください。
(締め切り 7月23日)
http://homepage3.nifty.com/uhs_chubu/
【問い合わせ先】
住宅金融公庫名古屋支店公共業務課 河田・箕浦
TEL:052−263−2906
主催:(社)都市住宅学会中部支部 共催:住宅金融公庫名古屋支店
〜スペーシア・石田〜
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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ うだつのあがる町並み -美濃市目の字地区- ○
東海3県には重要伝統的建造物群保存地区が5地区(岐阜県4地区、三重県1地区)ある
が、その中で最も新しく選定されたのが「美濃市美濃町」である。とはいえ、平成11年5
月13日の選定なので、すでに5年が経過した。地元では、町割りの形から「目の字」地区
と呼んでいる。
まちの歴史は、江戸時代初期の城下町として町割りにはじまる。6つの街道を集めると
ともに、川湊が築かれ、町は多くの物資が集積する商人の町として繁栄した。目の字地区
にはうだつのある家が多く残っており、塗りごめの民家、土蔵などが歴史的町並みを形成
している。美濃和紙の産地としても有名であり、この町を舞台に10月に開催される「美濃
和紙あかりアート展」は第6回ふるさとイベント大賞も受賞している。
ここでは、伝建地区の指定を契機として、歴みち事業(まちづくり総合支援事業)に
よって道路修景、電線類地中化、ポケットパーク等の整備が進められており、市道部分の
道路整備、電線類地中化がすでに完了している。伝建地区の指定によって、歩道のないこ
の地区でも地中化が可能となった。当初、道路工事が続いていたことから住民は反対した
が、モデル地区で事業を実施し、その効果が見えることによって住民の反対がなくなり、
早くやってほしいという声に変ったという。電柱に街灯がついていたことから、電柱が無
くなると街灯もなくなることになり、当初は街灯を新たに設置するという考えもあった
が、それはおかしいということから、各住戸に照明燈がつけられている。これは、聖窓
(箱形の格子付き出窓。その中に油火を入れて門灯と街灯を兼ねる)の考え方が採用され
ている。
飲食店をはじめ観光客相手の店がかなり増加しており、町並み散策する人も多いが、道
路が比較的広く、車の通行も多く、危険を感じることも多い。観光地としてではなく、住
んでいる人が快適に暮らせるまちを目指しているということであるが、生活環境を守る上
でも通過交通が入ってこないようにする必要があるだろう。周辺の道路整備が望まれる。
(石田 富男)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/mino3/index.htm
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◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 世界遺産 ベギンホフ ○
ベギンホフとは、中世ヨーロッパの時代に、男達が十字軍など戦争のために遠征し街を
離れている間、残された女性達が集まって生活を分かち合った、ベルギー・フランダース
地方特有の自治体である。敷地はレンガの塀で囲まれており、戦争の被害から逃れる聖域
となっていた。この女性の集まり、ベギン会は「修道院」と訳されることが多いが、住人
は必ずしも尼僧ではなく、私有財産をもつこともできた。
現在も30箇所以上のベギンホフが残っており、ベルギー政府から推薦された26箇所のう
ち、13箇所が1997年に世界遺産として登録された。現存するベギンホフを構成する建築群
はそのほとんどが16〜18世紀に建築されたもので、当時の典型的な建築や都市のスタイル
を見事に保存している。
春に、ベルギー最大のベギンホフのあるルーヴェンに滞在するチャンスを得た。ルー
ヴェンは人口約8.9万、首都ブリュッセルの東25kmに位置し、9世紀末の文献にはすでにそ
の名が登場する古い町である。哲学者エラスムスや神学者ヤンセニウスが教鞭をとった名
門ルーヴェン・カトリック大学(創設1425年)のあるベルギー最大の大学町としても知ら
れている。住民の4分の1が大学関係者であり、ベルギーだけでなく世界中から来た研究
者や留学生とその家族が生活している。大学の校舎・関係施設は町じゅうに点在し、その
多くが歴史的建造物の活用である。
ルーヴェンのベギンホフは、ベギン会に属する女性「ベギン」の家95棟、教会、施療院
などから構成され、13世紀から17世紀にかけて建設された。最盛期には200人のベギンが
自給自足の生活をしていた。18世紀にベギン会の活動そのものが禁止されたため、ベギン
の家は低い家賃で市民に貸し出され、スラム化が進んだ。もともとベギンは裕福な家庭の
子女が多く、彼女達が建てた家は良い素材で頑丈につくられていたため、基本的な特性や
価値は失われることはなかった。そして、幸運にも1963年に修復・活用を条件にルーヴェ
ン・カトリック大学に譲渡され、ベギンの家は教授や学生の住宅として、施療院はコンベ
ンションホールやレストランへと生まれ変わり、街ごとの活用保存が可能となった。
一週間の滞在中、大学を訪れるゲストのために宿泊施設とされたベギンの家に泊まるこ
とができた。重々しい木のドア、太い梁の通った高い天井、レンガの積み上げられた暖
炉、かつて修道衣を身にまとったベギンたちが上り下りしたであろう、急な木の階段な
ど、中世ヨーロッパの建造物(しかも世界遺産)を満喫した。バス・トイレなどの水まわ
り、またキッチンは全く近代的なもので、生活上のストレスはほとんど感じられなかっ
た。
現在ベギンホフの住宅や宿泊施設は大学の機関が管理・運営し、大学関係者に提供され
ている。各々が一定のルールを守りながら、ベギンホフでの生活を楽しんでいる。早朝、
ルーヴェン大学に留学中の友人の住宅(もちろんベギンホフ内の賃貸住宅)に向かって石
畳を歩いていると、通りに面した小さな扉が開き、ヘルメットをかぶった背の高い若者が
自転車をかついで出てきた。朝早い時間に大学へ向かうのだろうか、慣れた様子で石畳の
上を軽快に自転車を走らせていった。彼らは限られた年数、このまちに生活し、お金(住
居費や学費など)を落とし、その間はまちの保存活用の担い手となるのである。そして何
よりもこの特殊なまちに居住したことは記憶に深く残り、まちの価値や美しさを宣伝する
「大使」になっていくに違いない。最初はまるでお伽の国に紛れ込んだかのように感じた
が、1週間の滞在後には私の中でもベギンホフは過去の遺物ではなく、現在の生きたまち
となった。またいつの日かあの中世のミニチュア都市を訪れてみたいと思う。
(竹内 郁)
参考図書:「世界遺産フランダースのベギナージュ」田原幸夫著
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/Belgium/index.htm
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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介− info@spacia.co.jpへ
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)
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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・スペーシアは7月17日で14周年を向かえます。長いようで短い14年でした。15周年
に向けて今から準備し、何かできるとよいなあと思っています。今後ともよろしく
お願いいたします。
・本年10月または来年4月に研究員1名を採用することとしました。詳しくはホーム
ページをごらんください。やる気のある方の応募を待っています。
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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
ジンに掲載させていただきます。
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(株)都市研究所スペーシア 編集:石田
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