【本格的に人口減少に突入】
日本の人口が本格的に減少し始めました。総務省の人口推計では2009年10月1日の人口で、前年比で18万3千人の減少を見、2年連続の減少となっています。2050年には1億人、2100年には6,400万人へ減少するとの人口推計値が出ています(国立社会保障・人口問題研究所によるH14.1推計)。なぜ日本の人口は減るのでしょうか?
【人口減少の統計要因】
女性が一生かけて生む子供の数のことを合計特殊出生率といいますが、2005年の1.25(単位はありません。<子供の人/女性の人>の人/人で打ち消されるため)まで下がり、最新の2008年は1.37まで持ち直しています。人口を維持するためには2.1の出生率が必要です。他方、出生動向基本調査では、夫婦の最終的な子供の出生数のことを完結出生児数といいますが、戦前は4人台であったものの、戦後は減少を続け、1972年〜2002年(この間は5年ごと)の間は安定的に2.2人前後で推移していました。しかし、2005年の最新調査では2.09人に減少しました。しかし結婚すれば2人の子供が生まれる訳です。合計特殊出生率の1.37と完結出生児数2.09人の差はどこで生じているのでしょうか。すなわち結婚して夫婦にならない人々が多いからです。日本の場合、結婚しないで出生する数は少なく、未婚で妊娠すれば「できちゃった婚」へと突き進みます。
【人口減少の本当の理由】
なぜ、結婚しないのでしょうか?草食系男子が増えたせいでしょうか?ここに面白い書籍があります。「なぜ若者は保守化するのか」東洋経済新報社1,545円です。著者は山田昌弘氏(中央大学教授)。かれは「パラサイトシングル」や「希望格差社会」、「婚活」といった流行語を産み出すほど、現実をいいキーワードでえぐり出しています。それによるとこうです。女性の結婚願望は減っていないのですが、女性が豊かな生活を保障するために出した相手に求める条件が厳しく、それに該当する未婚男性が格差化の中で少なくなっているからです。つまり希望と現実のミスマッチです。例えば、年収(対象はいずれも25〜34歳)。未婚女性が希望する年収で600万円以上は38.6%(400万円以上なら65.0%)。それに対し未婚男性で600万円以上の年収を得ている人はわすか3.5%(400万円以上なら23.5%)。未婚男性で年収が低ければ未婚女性の結婚対象から外れ、未婚女性も600万円以上の年収を希望するなら、10倍の競争を勝ち抜かねばなりません。果たして、豊かさと幸せ?を求めて相手への条件をつければつけるほど、結婚相手は見つからなくなるという構図です。
ではどうしたらいいのでしょうか?それは「就活」ならぬ「婚活」。主体的に努力することが重要で、その支援が必要といっています。つまり、積極的に異性と出会う場に行き、同時に自分の魅力を高め、そして恋人で終わることなく、将来の結婚生活に関するすり合わせを積極的に行う、という婚活です。
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