現在放送中のTVドラマ「陸王」。ご覧になっている方も多いだろう。その撮影が愛知県豊橋市で行われてきた。今月16、17日もロケが実施され、市内中心部には多くのエキストラが集結し、ドラマのラストスパートを支えていた。当日、偶然にも訪れていたが時間の都合で熱い走りをみることはできなかった。
ここで改めて豊橋市をみてみると、人口は約377千人の中核市。東三河の中心都市で、愛知県の東の玄関として位置付けられる。市内にはJR東海道山陽新幹線豊橋駅が、三河湾には自動車特に自動車の輸出入の金額・台数とも全国第一位の豊橋港が整備され、陸路、海路の重要拠点が揃う。さらに、市内には環境に配慮した公共交通システムLRTが整備され、旧来の市電とともに、市内中心部で貴重な市民の足として利用されている。
その豊橋市で行われてきたTVロケは、市をあげて取り組できた事業でもあり、市役所などの撮影場所提供、市職員、市民らのエキストラ出演、市内企業、地元商店街などへの撮影協力依頼など、行政としても全面的に、全力を挙げてロケをバックアップしている。過去には、豊橋市民球場を使用してルーズヴェルト・ゲームも撮影され、そうした協力実績から監督や撮影スタッフの信頼を築き、今回もロケ地として利用された。
撮影にあたり、エキストラとともに映像の背景にはしっかりと地元企業の名前も映りこまれるよう企画され、豊橋のまちと企業のPRの場として活用している。ある行政の方に聞くと、エキストラも市民だけではなく、市外、県外からも来て、市内ホテルの稼働率が上がり、飲食、小売店の売り上げにつながるなど、しっかりと経済効果も高めているという。また、市役所内の撮影の合間には出演俳優との遭遇も何度かあり、職員の間では楽しみの一つになっているらしい。
行政として豊橋を全国にPRする機会として、撮影条件を全て受け入れ、施設等を開放し、道路使用を許可し、地域活性化につなげている。最近では、地域縁の歴史上の人物を主題にしたドラマの効果で、その地域が一過的に観光地化することもあるが、今回の豊橋のケースは、行政、市民が一致団結し、支援し盛り上げてきた経緯から、その信頼性やノウハウの蓄積は、この先も活かされていくだろう。
ドラマの放送も残り僅か。映像の随所に映し出される豊橋のまちの魅力を発見しながら陸王の最後の走りを応援したい。 |