現在の位置:TOP>名古屋まちづくり紹介>まちづくりあれこれ>より良い市民活動に向けた第一歩「ふれあい あじさいトーク」 WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

より良い市民活動に向けた第一歩「ふれあい あじさいトーク」

 平成29年1月22日、「ふれあい あじさいトーク」セミナーが大府市横根公民館で開催された。これは市民活動の啓発を目的として、NPO法人おおぶ市民活動ネットワークが主に大府市民を対象に行ったもので、市内外から30名ほどが参加した。
  他市町の活動の事例紹介として、日進市の「いきいき塾NPO絆」と東浦町の「空家再生プロジェクトin東浦町」から、合わせて4名の方にパネラーとして来ていただき、食や音楽を通じてコミュニケーションをはかるイベントや、子育て中の母親が子ども連れで集える場づくりについて活動報告をしていただいた。質疑応答の際に、参加者から資金繰りや資格、衛生面など、実践に向けた具体的な質問が多く出され、市民活動に関して意欲的な参加者が多いことが見受けられた。
 主催のおおぶ市民活動ネットワークは、市民活動を行う個人や市民活動団体のネットワークの形成により地域課題を解決することを目的に、本年度(平成28年)設立された。活動拠点の一つである大府市民活動センター(通称:コラビア)は、平成21年4月に開館したコミュニティセンターで、市内でボランティア活動をする個人や団体が各種講座や集会を開いたり、ワンデイシェフがランチの提供を行ったりしている。
 愛知県内にはコラビアを含め、35のNPO支援センターがある(あいちNPO交流プラザHP「市町村NPO支援センター一覧」より)。平成10年に施行されたNPO法によりNPO法人は数を増やし、各自治体で市民活動に関する条例が施行された。それにあわせ、各地でNPO支援策としてこれらの施設が開設されたのである。発足当時の12分野から、平成15年の法改正で17分野、平成24年の法改正で20分野と拡大し、より幅広くより身近な課題に向けて活動ができるようになった。
 今回のセミナーで、市民活動の課題である、資金や場所、人材確保における不安定さの原因の一つとして、市民団体の信頼性の乏しさがあげられた。継続的な活動につなげるためには、市町村から支援や協力を得ることで世間的な信頼を得ることが必要である。居場所をつくりたい、地域のために何かしたいという意欲的な市民の思いをつぶさないため、市民・行政間の連携が重要であると再認識できた。
 また、パネラーの方から、「まだ私たちも駆け出しの状態であり、今後続けていけるかわからない。皆さんの活動と助け合えたらうれしい」という言葉があった。特に広報においては、発信源が多ければそれだけ多くの人に情報が伝わる。市内、町内、小学校区内という限られた活動場所であるからこそ、身内で補えない部分は市民団体や自治体の枠を越えて、交流・連携することで、より実りある活動を続けることができるだろう。
  今回のセミナーは、課題の共通認識を得られ、2者とはいえ他市町の市民団体と交流ができ、よりよい市民活動に向けた第一歩として、とても有意義な会であった。


「ふれあい あじさいトーク」セミナーの様子

大府市民活動センター(通称:コラビア)
(2017.2.13/日高史帆)