今年の3月末に工事着工を果たした「岐阜駅東地区第一種市街地再開発事業」は、大凡3ヶ月が経ち、現場では仮囲いが外周を覆い、その上部からは敷地内で稼動している大型重機の姿の一部を見ることができる。施行者である組合関係者の話では、固い地盤と地下水の克服が当面のポイントになるという。
本事業は、20年以上に亘り検討が重ねられ、その間、世界規模での経済環境の変化にのまれ、また、当初から組立ててきた事業スキームの変更を余儀なくされ、紆余曲折の中で必要な手続きを経て権利変換計画の認可を得て工事着手に至った。
現地では、行政によりJR岐阜駅周辺ビルの回遊性向上につなげるペデストリアンデッキが計画され、本再開発ビルへも接続されることからその工事も隣接地で並行して進められており、準民間的な市街地再開発組合施行による再開発事業と公共事業との連携は、駅西エリアで施行されてきたこれまでの再開発事業の工事の際にもみられた光景であり、駅を基点として駅前広場を囲む形で東西の拠点施設が一つにつながる一連の事業により、駅周辺の賑わいと魅力向上に期待が高まる。
また、現地の様子が徐々に変わってきたことで、市民の関心にも触れられてきているようで、ビルの工事の完成時期はもとより、計画されている共同住宅や福祉施設への入居、さらには福祉施設でのスタッフ募集など、施設利用や雇用創出の面からも新たな拠点施設の誕生と事業効果にも期待が高まる。
本事業は、長期間に亘る工事へとその事業の進捗段階は移ったが、今後は並行して権利者の資産活用において重要なテナント誘致への取組みや一部で設定されている保留床の処分目途、さらには、ビル全体の管理運営に関する検討が予定されている。それらは、事業の内面に関わり重要な部分でもあり、工事の進捗との整合をとりながらの事業構築が求められてくる。”長期に亘る工事”としつつも、工事完成まで待ったなしである。
|