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豊田市における人優先の都心空間づくり

 ご存知のように、街を車から人中心の空間に変えていこうという計画は全国各地にある。先日講演会に参加した豊田市でも、豊田市駅前の都心部を人優先の空間に変えていく大胆な計画(「都心環境計画」)を作成中であった。現在、豊田市駅前では、再開発事業が工事中で来年度竣工予定だが、この開発を皮切りに、駅空間の改造、トランジットモール化、大規模な駅前広場の整備と駅前目抜き通りのフルモール化(歩行者天国化)などを行い、都心に大胆な広場空間(人優先の空間)を出現させるプランとなっている。あわせて、都心の一定エリアを歩行者優先ゾーンに設定して、街なか全体の回遊も創出する。今年、姫路駅前で大規模なトランジットモールが導入され注目していたが、豊田市のこの取り組みも非常に壮大で夢のあるプランである。
 つい先日までは、こういった新しくできる広場空間を将来活用するための実験として、「あそべるとよたプロジェクト」なるものが開催されていた。様々な市民団体が主体となって、道路や歩道上の空地、ポケットパークなどまちなかの公共空間を利用して、市民参加型で遊びやスポーツ、カフェ、ワークショップなど独自のプログラムを展開するものである。何かと規則に縛られがちな公共空間を自由な発想で使ってもおうという柔軟さ、整備だけにとどまらず活用主体を育てようという意気込みが素晴らしい。
 また、豊田市といえばトヨタ、自動車をイメージするが、自動車に限らず交通面では先進的な取り組みもいろいろ行っている。超小型EVシェアリングやパーソナルモビリティなど次世代モビリティの実証もそのひとつである。大規模な広場空間ができれば、当然それらのモビリティも活用しやすくなり、歩行者や自転車にあわせて、新しいモビリティに乗った人々も街中にあふれることになるだろう。未来型のモビリティとの融合は豊田らしい都心空間になるのではないか。
 これら都心整備の完成目標はリニアが開通する平成39年と少し先だが、今から非常に楽しみである。

(2015.11.10/櫻井高志)