愛知県に世界的建築家丹下健三氏の設計した建物があることをご存じだろうか。
一宮市(旧尾西市)にある墨会館は艶金興業の本社ビルとして建設され、事務所として使われていたが、事業撤退に伴い建物を市に売却。昨年10月に小信 中島公民館と尾西生涯学習センター墨会館として再生された。
この建物の魅力を子ども達に知ってもらい、歴史的建造物の保存・活用につなげていこうと愛知登文会(愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会)でこども文化財体験講座を企画実施した。これまで様々な登録有形文化財でその建造物を子ども達に紹介するとともに、その建造物にちなんだ体験講座を行ってきたが、多くの方々のご協力でこれまでにも増して子ども達にも好評で、スタッフ自身も非常に楽しく取組むことができた。
建物紹介もお話を聞くという形ではなく、1月に発足したばかりの墨会館ボランティアガイドの取組みとして位置づけていただき、“「世界のタンゲ」丹下健三からの挑戦状”と銘打ち、グループに分かれて建物を回りながらクイズに応えるという形で実施。この建物謎解きツアーも詳しく紹介したいところだが、今回は体験講座の折り紙建築のことを紹介したい。
折り紙建築とは紙に切り込みをいれ、折り紙のようにして建物をつくるもので、できたものは折りたたむことができ、折った紙を広げれば”飛び出す絵本”のように立体になる。建築家であり、愛知登文会の理事でもある筧氏に4つの建物(すべて一宮市内の建物で、3つは登録有形文化財)の折り紙建築を考案いただき、氏の指導を受けながら折り紙建築づくりを実施した。
私も指導の手伝いをしなければと、事前に作成してみた。結構細かい作業も必要で時間のかかるものもあるのだが、中には3つの作品を完成させた子どももいて驚いた。今回は、著名建築家の作品であることから、建物そのものを対象とした体験講座として折り紙建築を取り上げてみたのだが、実際に作ってみることで建物のことをより身近に感じてもらうことができたのではないだろうか。
愛知登文会のオリジナルな取組みとして他の登録有形文化財でも実施できればと思う。 |