愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会の視察会で「下呂交流会館アクティブ」を訪れた。「下呂交流会館アクティブ」は、平成22年3月にオープンし、下呂市で初の本格的な文化ホール「泉ホール」、各種コンベンションやスポーツ大会が開催可能な「温(ほっと)アリーナ」、ホールとアリーナをつなぐ多目的室等からなる「棚田テラス」が一体となった複合施設である。
平成16年、市町村合併によって下呂市が誕生し、施設建設が本格的に動き出すことになり、基本設計の段階から市民ワークショップなどを重ね計画された。当初、文化ホールは、花道がある伝統芸能を行うことが考えられていたが、利用しやすいホールということで、現在の文化ホールの形になっている。基本理念に「下呂をもっと『元気』にする施設」として、観光資源としてのまちづくりにも取組んでいる。現在、施設利用は、スポーツ合宿、音楽系合宿の利用が多くみられるとのことである。
また、下呂交流会館アクティブは、アクティブ・サポーターズとして下呂市民が参加しおり、「たくみ隊」「もてなし隊」「ささえ隊」の3つがある。「たくみ隊」は、施設での文化・スポーツ事業やコンベンション事業、交流事業などの企画提案、「もてなし隊」は、会館主催事業開催時に受付、チケットもぎりなどのイベントボランティア、「ささえ隊」は、舞台・音響・照明などの専門技術など、舞台スタッフである。「たくみ隊」では、「シナジーナイト」として、小ホールを利用した100人規模のコンサートやショーなどを開催し、身近に感じてもらうおうと取組みが行われている。
施設の運営は、現在は市直営で行っているが、平成25年度を目途に指定管理((財)下呂ふるさと文化財団)へ移行予定である。現在、市直営であるため、事業は市民のニーズに沿った企画を実施しているが、指定管理へ移行後、採算を考えた事業に偏らないか危惧される。そのために、現段階から財団職員がスタッフに入り、移行後を見据えた事業展開を行っている。
下呂交流会館アクティブは、スポーツ・音楽の合宿での利用が多いとのことであるが、下呂のような観光地では、文化施設も観光資源として活用しているよい例となっていくのではないかと感じた。下呂コンベンションビューローが行う助成金を活用して、より多くの団体を呼び込むことで、下呂の活性化につながっていくことを期待したい。
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