現在の位置:TOP>名古屋まちづくり紹介>まちづくりあれこれ>知多木綿の歴史が色づくまち 岡田地区(愛知県知多市) WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

知多木綿の歴史が色づくまち 岡田地区(愛知県知多市)

 愛知県知多市岡田地区は、知多木綿発祥の地として、江戸時代に端を発し「ガチャ万」と言われた昭和40年代まで栄えていたところである。岡田地区については、ずいぶん前にスペーシアホームページでも紹介しているが、木綿蔵のような日本の伝統的な建物もあれば簡易郵便局のような洋風建物もある。さらには伊勢神宮の遷宮材を授かった茅葺の岡田神明社、知多四国72番札所の慈雲寺、料理旅館、防空壕跡など様々な時代の移り変わりや往時の繁栄を体感することができる。先日、地域のボランティア団体「岡田ゆめみたい」のメンバーの方にまちを案内していただく機会があった。
「岡田ゆめみたい」は、平成13年に「岡田まちづくり準備会」として発足したのち、ワークショップ、岡田いろはカルタ作成・市販、カルタ大会開催、岡田村誕生四百年記念写真集の作成を行ってきている。平成19年には現在の「岡田ゆめみたい」に改称、知多市の提案・委託事業に採択され、平成20年にガイドボランティア養成講座、平成21年には親子が参加し街並み見学や昔の暮らし体験ができる「岡田三世代雅休塾」や景観ガイドマップの作成を行ってきている。
また、世界企業となったトヨタの創業者豊田佐吉が、織機の技術を知るために岡田に来たそうであり、佐吉が滞在したとされる弘法宿「旧岡田屋」が現存している。平成19年には「岡田ゆめみたい」の事業で文化講演会「豊田佐吉とトヨタ源流の男たち」を開催した。
まちづくりの活動に目を向けると、対外的に知られているのは「岡田街並保存会」で、平成6年に設立後、建物の保存・活用に関わる活動を地道に行ってきている。また、知多木綿を使った機織りの体験ができる3つの拠点、手織りの里「木綿蔵・ちた」、手織り工房「やまもも」、伝承知多木綿「つものき」も地域のグループが運営を担い、来訪者はここで機織りの体験をすることができる。
このまちを巡って魅力だと感じたことは、街並み景観巡りのコースは地域の人々の生活道であり、観光地というよりは生活の場所として息づいていることである。飲食店はまだ少ないが、県道沿いのおかき屋を拠点とし、地区内にはお好み焼屋や古民家を活用した喫茶&食事処などもある。寒い日のまち歩きで、小学生前の子どもには少々酷だったが、「木綿蔵・ちた」でお茶とお菓子をもらえ、温かいもてなしはありがたいものだった。
今回はできなかったが、次回は機織りも体験してみたいと思う。家族連れでも楽しめるので、ぜひ一度足を運んでいただきたい。

竹之内資郎邸
長屋門のある竹之内資郎邸
岡田の街並み
岡田の街並み
慈雲寺
知多四国72番札所の慈雲寺
旧岡田屋
豊田佐吉が滞在したとされる旧岡田屋
岡田神明社
昭和32年に伊勢神宮の遷宮材を授かった茅葺の岡田神明社
(2011.2.14/浅野健)