8月6日・7日、浅間町にあるホテル ウェスティナゴヤキャッスルで開催されたアートフェアをレポートする。アートフェアとは、複数のギャラリーが集まり、選りすぐりのアートを展示販売する美術見本市である。コンテンポラリーアートのアートフェアは名古屋でも`88から`03までの16年間開催されていたが、ここしばらくは休止状態であった。今回は、ホテルの1室をギャラリーに見立てて開催するホテルスタイルのアートフェアで、名古屋で初となる。これはアメリカなどではよく見かけるカジュアルなスタイルで、展示場などを借りて開催するものよりも出展料が安いため、若いギャラリーも参加しやすく掘り出し物も期待できる。作品は、部屋の壁はもちろんベッドの上やバスルームにも展示されるため、各ギャラリーの展示の工夫も見所である。今回の出展ギャラリー数は25店で、ホテルの9階のフロアーを貸し切って開催された。\1000の入場料にも関わらず、予想以上のお客さんが訪れ、通路には部屋に入れない人があふれかえるほどの賑わいを見せていた。
さらに9月には、8日〜11日に松坂屋で「VARIA ナゴヤアートフェア 2011」も開催される。長らく休止していたコンテンポラリーアートのアートフェアが、今年になってにわかに活気付いて来たのは、やはり昨年開催された「あいちトリエンナーレ2010(以下 あいトリ)」の影響と言えよう。あいトリの期間中、ギャラリーの人にその影響を聞いてみたが、当時はあまり良い答えは返ってこなかった。しかし、今回のイベント見ると徐々にではあるが着実に効果が現れてきており、いったん衰退した市場の起爆剤となったのは事実のようだ。あいトリの会場となった長者町だけでなく、裾野の広い活性化に結びついてほしい。
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