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spectra[nagoya](スペクトラ ナゴヤ)〜名古屋城でのアートイベント〜
 spectra[nagoya](スペクトラ ナゴヤ)とは、「あいちトリエンナーレ2010」の一環として9月24日、25日に名古屋城 二の丸広場で開催された光と音のインスタレーションである。64台のサーチライトによる強力な白色光と、10台のスピーカーから出力される正弦波を組み合わせた作品で、作者は電子音楽の分野では日本を代表するアーティストである岐阜出身の池田亮司氏である。サーチライトによる巨大な光のタワーを名古屋の中心部に突如出現させてしまったインパクト強烈で、新聞社には「不思議な光が空に伸びている」「UFOでは」といった問い合わせが相次いだそうだ。この光は成層圏まで届くそうで、計算上では半径375km離れた所からでも見ることが可能という。このイベントでは、ホームページ上でspectra[nagoya]の写真を投稿するサイトを立ち上げ、全国からの投稿写真によるマップを作成している。
(→http://www.atsc2010.com/tue/spectra.htm
 それによると、さすがに東京や大阪からの投稿はないが、北は長良川の忠節橋から、東は土岐の三国山からの写真が投稿され、夜空にはっきりと青白い光のタワーが浮かび上がっている姿が確認できる。
 私も二の丸広場で間近に体験した後、自宅に帰り車で瀬戸の定光寺へと向かった。定光寺のある山には名古屋方面を一望できる小高い丘がある。紅葉シーズンには何度も訪れている所だが、夜中に行くのは初めてである。というのも、そこへ行くにはお墓を通り抜けて行かなければならないので、夜景の名所とは言い難い所なのだ。しかし、行ってみるとその美しさに興奮した。この日は雲ひとつ無い絶好のコンディションで、水平に広がる街の光の中心から、垂直に伸びる光の筋が天高く宇宙に消えるところまではっきりと見ることができた。名古屋の夜景をわざわざ見に行くこと自体、今回が初めてのような気がするし、定光寺からの夜景がこんなにきれいだとは思いもよらなかった。普段生活していると気が付かない名古屋の魅力が、アートを通じていろいろな形で発見できるのはとてもうれしいことである。
光のタワー
名古屋城をバックに光のタワーが出現
光のタワー
強烈な光は成層圏まで届く
定光寺からの名古屋の夜景と光のアート
定光寺からの名古屋の夜景と光のアート
(2010.10.25/堀内研自)