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問屋町西部南街区市街地再開発事業

 問屋町西部南街区第一種市街地再開発事業では、組合設立後、ただちに保留床処分先を確定させるため、分譲住宅取得者としての参加組合員及び業務床等の処分責任をもつ特定業務代行者の選定手続きに入った(2008年3月 31日発行第202号に掲載)。
 住宅については、組合設立以前より協議を重ねてきた4社から参加組合員に関する最終的な回答書を受け、専門家を含めた部会での審査を経て、1社に絞り込むことができた。また、特定業務代行者については、保留床として新たにホテルを提案し、業務床と合わせて自社取得による処分責任を明確にした建設会社が、専門家と理事で構成された審査会にて、まちの賑わい創出にも繋がるとの評価を得て選定された。
 これを受け、理事会は、8月にそれぞれの社と詳細な条件の詰めに入ることを決定した。事業成立要件の大きな要素である保留床処分の目処がつき、再開発事業は、大きく進展するかに見えた。
 しかし、夏以降の建設費の急騰とサブプライムローン問題に端を発する秋以降の株価の急落や不動産市況の急激な悪化により、これまで事業の中で積み重ねてきたことは、全くその意義を失い、保留床処分条件の大幅な見直しを迫られることとなった。2、3ヶ月の間で一変した経済情勢は、早期工事着手をめざしていた組合の事業計画に大きな影響をもたらした。
 組合では、住宅参加組合員及び特定業務代行者(共に予定者)と事業成立の途を模索することとなった。工事費をはじめ事業費の圧縮策や床効率の向上など、多面的な検討・協議を重ねた。その結果、事業改善が図れたことや建設資材価格も徐々に下がり始めたことから、当初の事業採算性には到達していないまでも、なんとか組合と2社との間で目標とすべき事業計画を確認するに至った。そこで、組合は、昨年12月18日に臨時総会を開催し、2社と事業参画を前提とする協定書締結を決め、組合の事業スケジュールを公表した。
 分譲マンション市場に回復の兆しが見えない中で、まだまだ100%と言える事業の組み立てができていないものの、今年の秋頃の除却・着手をめざし、組合、住宅参加組合員、特定業務代行者及び行政ほか、事業関係者の努力が続いている。

(2009.2.2/浅野泰樹)