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ものづくり文化の道の活動拠点「ナゴノスペース(Nagono Space)」がオープン
/名古屋市西区

 名古屋市西区名駅二丁目27番6号にナゴノスペースがオープンしました。そこは交通局の旧那古野車庫であり、東京建物(株)が中心となって開発した名古屋プライムセントラル(9,700uの敷地に延床面積約5万uのオフィス棟と134戸の住宅棟)の立体駐車場の一角にあります。地下鉄名古屋駅から歩いて5分くらいの時間距離。ちょうど名古屋駅前のビジネスゾーンと西区に拡がる「ものづくり文化の道」の接点にあたる場所です。
場所は分かったけれど、一体ナゴノスペースって何?「ものづくり文化の道」って何?と思う人は多いことでしょう。

@ものづくり文化の道とは
 「ものづくり文化の道」については、このメールマガジンで何度も取り上げているので、簡単に紹介するにとどめます。このエリアは、江戸時代から軽工業や手工業が盛んで、現在でも友禅・扇子・和凧といった伝統的なものから菓子・革製品・楽器などの産業まで、さまざまなものづくりが行われています。さらに、ものづくりの歴史を残す施設として、トヨタグループの発祥の地となる「トヨタテクノミュージアム産業技術記念館」と近代窯業の発祥の地となる「ノリタケの森」の2つの拠点施設があります。また、こうした「ものづくり」を育んできた特有の歴史的な町並みや歴史文化があります。東海道と中山道を結ぶ連絡路として大きな役割を果たしていた美濃路、堀川端には築城とともに清洲越しを中心に形成された名古屋商人の旧商家が軒を連ねる四間道(しけみち)、さらには、全国的にも珍しい屋根神様(庇の上に載る小さな祠〔ほこら〕)などがそれです。ここで暮らす人々や働く人々の日常生活を支える円頓寺商店街なども街の発展とともに大きくなっていきました。
「ものづくり文化の道」とは、ものづくり名古屋の源流がここにあり、名古屋駅から最も近い観光エリアであると言うことができます。同時に、手ごろな費用で手作りの製品が入手できる暮らしは、豊かな生活を提供することになります。観光エリアと生活エリアのバランスが重要です。

Aナゴノスペースとは
 ナゴノスペースは「ものづくり」をテーマに人々が交流し、「ものづくり文化の道」について情報を発信する拠点です。防災備蓄倉庫(約30u)を含めて約170uの空間を持っています。地域の賑わいと交流を促すコミュニティスペースです。これまではこのような拠点がなかったため、イベント時に「ものづくり文化の館」と称して、「ものづくり文化の道」の展示やものづくり実演による紹介を行ってきましたが、これからは常設できるようになります。
 ここには靴づくりを学んだり、靴づくりのプロセスを見せたりする靴工房と靴店舗(シューズボナンザ)、菓子製造業や問屋が集積している当地域ならではのお菓子展示販売スペースを常設として、週替わり、月替わりで展示内容を変えていく交流展示スペース(30u)があります。この交流展示スペースはものづくりにかかわるできるだけ多くの人々に利用してもらいたいと考えています。

Bオープニングイベント
 平成21年5月23(土)にナゴノスペースのオープニングイベントを実施しました。この地域で製造されている大正琴(ナルダン楽器)で澄音会(大正琴の普及と演奏指導)メンバーによる演奏をスタートに、組み飴づくりの実演、「ものづくり文化の道」内を巡るスタンプラリーを行いました。主催は「ものづくり文化の道」推進協議会と名古屋商工会議所です。実施にあたっては、名古屋開府400年のキャラクターである、「はち丸」「だなも」「エビザベス」が駆けつけ、盛り上げてもらいました。
 組み飴とは聞きなれない言葉ですが、一般的には金太郎飴と呼んでいます。最近でこそテレビで製作過程を見せる番組が登場してきましたが、テレビで見るのと生で見るのとでは大違い。編集されていないので、飴が冷めないうちに飴を組んで引き伸ばして転がす作業を迅速丁寧に行う様は、現場ならではの緊張感があって楽しいし、はじめて見る人々にとっては感動ものです。これもものづくりです。
スタンプラリーは、できるだけ「ものづくり文化の道」を歩いて知ってもらおうと企画したものです。現地へ行けば何らか特典サービスがつくようにしてあります。点数された箇所数をまわって、ある得点以上を巡ったものに対し、粗品を提供しました。一般的な景品では面白くないので、西区で製造されているお菓子ばかりを詰めあわせて、スタンプラリー完歩者にお渡ししました。懐かしいお菓子がいっぱい詰まっています。250名の参加者が「ものづくり文化の道」を得ることができました。

Cこれからが本番
 無事スタートを切ったナゴノスペースもこれからが本番です。
 このナゴノスペースは東京建物(株)として、「地域の賑わいと交流を促すことを目的とした無償提供スペース」なのですが、「ものづくり文化の道」推進協議会は任意の団体であるため、人格ある組織として協議会メンバー(一部)と地域の人々が出資する(株)ものづくり文化の道を設立し、利用にあたっての協定書を双方で交わしています。あえて株式会社方式にしたのは、協議会が公益的活動を展開しているので、新たな組織がNPO法人では屋上屋を重ねることになります。また、活動拠点ができたのですが、無償ボランティアの運営だけでは持続性がありません。人件費が払えるかたちで運営していくことが求められ、攻めの展開をしていきたい、そのための株式会社です。ただし、協議会の活動目標からズレることなくナゴノスペースを運営していくために、株式会社と協議会とで協定を結んでいく方針です。
 皆さまのご支援・ご協力を是非お願いいたします。


名古屋プライムセントラル全景。右がオフィス棟、左がマンション棟。ナゴノスペースは各棟の背後にある。


幅の広い公開空地に接したオープン前のナゴノスペース


ナゴノスペースの展示交流スペース。名古屋友禅や扇子、和凧などが展示されている。
今後はこの半分ぐらいのスペースが展示空間となる予定である。


お菓子の展示風景


靴工房シューズボナンザ。オープニングには「はち丸」も駆けつけてくれた。
草履から革靴に履きかえるつもり?

 


オープニング記念イベントとして澄音会により大正琴の演奏が行われました。


オープニング記念イベントに集まった人々。赤十字マークのテントで組み飴づくりの実演が行われた。


巻き寿司の原理と同じ。ただし、引き伸ばす前の組み飴は丸太のような太さだ。


組み飴が固まる前に引き伸ばして棒状にしていく。それを切れば終了。飴の表も裏も同じデザインとなる。


オープニング記念スタンプラリー。地図を持ってエッチラオッチラ。店によっていろいろ特典がある。


完歩してナゴノスペースにもどれば西区でつくられたお菓子が景品としてもらえる。遠くの施設まで行けば、さらに特典がつく(クッピーラムネの袋がそれ)。「はち丸」と「だなも」と一緒に記念撮影。
(2009.6.9/井澤知旦 )