繊維問屋街として知られる長者町通で、毎年恒例となっているイベント、『ゑびす祭り』を見学した。長者町通は、地下鉄伏見駅と丸の内駅に南北を挟まれるように立地する約400mの区間であり、祭りの開催中は歩行者天国となり、通りの両側に様々な店がずらりと並ぶ。2008年は第8回の開催であり、11月8日(土)、9日(日)の2日間であった。
長者町の繊維問屋による出店の他、手づくりの品を売るクリエーターや、古本屋、野菜市、屋台などいろいろ。通りのあちこちで大道芸人によるパフォーマンスや、神輿行列などが行われ、常ににぎやかである。しかし、圧倒的な存在感を示すのはやはり地元の問屋による「激安」衣料品販売であり、こまごまとした日用品がとにかく安く売られており、子供、青年、お年寄りまで色々な人が店に立ち、売り込みをしている。売られているものの一例を挙げると、靴下、化粧品、下着、布団カバー、衣類、靴、ペット用品など。お客さんはというと、若い人もいるが、高齢の方もかなり多く、お買い得品を見つけて購入している。まるで、昔から続く地域行事のような趣さえ感じさせる。
私は土曜日に見学したが、あいにくの雨で閑散としているかと思いきや、とても混雑しており驚いた。この雰囲気が気に入って毎年来る人が多いのかもしれない。長者町の方によれば、このイベントはもともと、「長者町50年祭」をきっかけに始められたもので、最初の目的は、長者町を多くの人に知ってもらうことだったそうである。問屋街であるため、それ以前は一般の人の受け入れ体制はなかったというが、50年祭を機に多くの人に楽しんでもらえる街へと方向転換がはじまっている。50年祭が多くの人を集めたことで、翌年からゑびす祭りが恒例行事として定着した。売っているものは「べらぼうな安さ(ゑびす祭りホームページ)」なので、店の儲けに貢献する部分は少ないと思われるが、一般市民に対する長者町のPRという点では、とても効果的なイベントになっている。
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火を噴くストリートパフォーマンス
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八百屋のトラックがライブステージに
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クリエーターの作品が並ぶ |
激安衣料などが並ぶ |
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