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公園に手づくりの絵タイルを 愛知県春日井市松河戸地区

 住民主体のまちづくりを進めていく上で重要なのは、住民がそのまちに対して愛着を持つことだろう。まちへの愛着がまちをよくしたいという行動に結びつく。公園づくりのワークショップが各地で行われている。住民のアイデアでよい公園をつくりたいという意図がこめられているが、私は計画の中身よりも、計画づくりのプロセスに住民が関わったことが、その公園に対する愛着となり、その後の利用につながり、そこにワークショップに取り組む大きな意義があると考えている。さらに施工の段階でも、住民が何らかの形で参加できれば、その効果は高まるだろう。

 春日井市松河戸地区の段下公園における絵タイルづくりはそんな思いで取り組んだ私にとっては3回目の企画であった。年度内にワークショップによる計画づくり、実施設計、施工を行うという厳しいスケジュールの中での取り組みであり、限られたことしかできなかったが、絵タイルづくりは多くの子供達も参加する楽しい取り組みとなった。簡単な取り組みであり、他地区でもぜひ実施していただけばと思う。
 絵タイルづくりの対象としては、いろいろなものが考えられるが、今回は施工期間が短く、現地での実施が難しかったことから、室内で作った絵タイルを後日、専門業者に現場に園路に設置してもらうこととした。また、過去2回の絵タイルづくりではクラッシュタイルを用いたが、今回は園路に設置することから耐久性に優れた18mm角のモザイクタイルを用いた。作成の流れは下記のとおりである。1)、2)がワークショップでの取り組みであり、3)以降は専門業者による作業である。

 1)発砲スチロールで作成した30cmの型枠の中に、モザイクタイルを自由に配置し、好きな形をつくる。
 2)形を固定するため、糊で専用紙を貼って固定する。
 3)舗装面を切り取り、絵タイルを設置する分の穴をあける。(今回は4枚分をまとめて設置)
 4)下地モリタルの上に絵タイルを設置し、固定させる。
 5)水を含ませ専用紙をはがす。
 6)モルタルで目仕込をした後、表面のモルタルをふき取り完成。

 4月に入り、完成した公園を訪れたところ、ちょうどワークショップに参加してくれた住民の1人が孫が作った絵タイルを探しにみえていた。できたての公園は樹木が小さく、まだまだよそよそしい感じがするが、住民の人々に使われることによって味のある公園に変わっていくことだろう。そのきっかけに絵タイルがなってくれることを期待したい。


絵タイルづくりの様子

絵タイルづくりの様子


絵タイルの設置された園路

絵タイル


公園の全景


(2006.4.17/石田 富男)