現在の位置:TOP>名古屋まちづくり紹介>まちづくりあれこれ>開業5周年を迎えた「ゆとりーとライン」 WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

開業5周年を迎えた「ゆとりーとライン」
 毎朝の通勤に使っているゆとりーとラインが今年の3月で5周年を迎えた。ゆとりーとラインは、国内で初めてガイドウェイバスシステムを採用しており、交通渋滞の多い区間は専用の高架専用軌道=ガイドウェイを、交通渋滞の少ない郊外部は一般道を連続して走行する。最終バス(大曽根駅発23時20分)まで10分間隔で走行し、朝のラッシュ時では若干定刻より遅れる日があるものの、高架区間をほぼ3〜5分間隔で運行している。また、冬の晴れた日には、西は養老の山々、北は御嶽山まで見通せるなど車窓からの景色がよいので、平日の通勤、休日のレジャーと快適に利用している。

 ゆとりーとラインは、名古屋市北東部の志段味地区開発のために先行的に整備されたが、当初は開業前の利用者の想定を大幅に下回っていたようで、開業後)単年度で5.9億円の赤字を出した年もあった。しかし、沿線のイベント情報を積極的にPRしたり、沿線の小学校の協力により児童の絵画を大曽根駅に展示したり、小幡緑地駅に併設して子育て支援の「ピジョンゆとりーとランド」を誘致するなど運営会社が経営努力を重ね、郊外の志段味地区での都市化やナゴヤドームに隣接して大規模ショッピングセンターがオープンするなど沿線で開発が進み、名古屋市営地下鉄名城線の環状化によってアクセスが向上したこともあり、2001年度193.0万人→2004年度274.8万人と順調に利用者を伸ばしている。一利用者としては、このままの調子で赤字を解消し、良好な経営を続けてもらいたいものだ。

 なお、名古屋周辺では、ゆとりーとラインのほかにも、愛知万博に合わせて開業したリニモ(2005年2月、約8.9km)、名古屋駅から名古屋港の金城ふ頭まで整備されたあおなみ線(2004年10月開業、約15.2km)と相次いで新たな公共交通が開業しているが、新聞報道を見る限りでは利用客が伸び悩んでいるようである。特に、名古屋郊外の小牧市内を走る新交通システム桃花台線(2001年3月、約7.4km)が開業後15年で廃止決定(2006年10月1日予定)となったこともあり、これらの新たな路線も利用者の拡大が課題であろう。


●導入区間  
[高架区間] 大曽根〜小幡緑地 (名古屋市内)約 6.8km
[平面区間] 小幡緑地〜中志段味(名古屋市内) (名古屋市交通局)
小幡緑地〜高蔵寺(春日井市)、小幡緑地〜瀬戸みずの坂(瀬戸市)

(JR東海バス、名鉄バス)       

●適用法規  高架区間−軌道法 、平面区間−道路運送法
●経営主体 名古屋ガイドウェイバス株式会社(高架区間)
●事業費 約 375億円

資料:名古屋都市センターホームページより一部加工

大曽根駅で停車中のバス

高架区間では、案内装置を出して走行する
ので、運転手のハンドル操作は不要

(2006.6.7/浅野 健)