市街地再開発事業により、平成17年1月に着工した岐阜シティ・タワー43は、現在、工事が最上階の43階まで進み、JR岐阜駅前に際立つ高さの全貌が現れてきた。15階から42階の分譲住宅243戸は、平成17年5月に即日完売し、岐阜県住宅供給公社が参加組合員として取得した6階から14階の住宅「ラシュールメゾン岐阜」(※ラシュールとは、フランス語で「安心させる、安心感」という意味)も好評にうちに先月27日に募集受付を終了した。
この住宅は、1LDK(約44u)から2LDK(約57u)の6タイプ、108戸で、60歳以上の単身者か夫婦(夫婦のどちらかが60歳以上)を対象とした高齢者向け優良賃貸住宅である。3階に併設されるデイサービスセンター、訪問看護ステーション、診療所等の福祉・医療等施設との連携により、高齢者が安心して暮らせる住宅として、建設当初より市民に注目されていた。
入居のための1月当たり経済条件が家賃95千円から135千円、共益費12千円(予定)、支援管理費10千円(予定)と決して安いとは思えないが、108戸に対して205件の申し込みがあり、家賃が高い住戸ほど人気があったという。申込者の多くが、70歳代で、岐阜市内とのことであるが、県外よりの申し込みもあったと聞く。
一般的に戸建て志向が強いといわれる地方都市においても、高齢者にとって利便性の高い地区で、安心して暮らせる住宅ならば、賃貸マンションの需要が充分あることが証明された。
若い時に、郊外で終の棲家として階段式の分譲マンションの4階を購入した知人は、定年を間近にむかえ、さらに年を重ねれば、階段の昇り降りがきつくなり、住み替えざるを得ないと話している。高齢社会が現実となる昨今、こうしたことを切実に感じている者は知人ばかりでなく、相当数に上ると思われる。岐阜駅西地区の市街地再開発事業は、今後のまちづくり・再開発に大きな示唆を与えたと言えよう。
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