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お嫁入り普請の残るまち 大垣市・中山道赤坂宿
 大垣市北西部に位置する赤坂地区は、かつての中山道69次の56番目の宿場町・赤坂宿であった所である。この赤坂宿は江戸末期、幕府の公武合体政策として、朝廷から将軍家へ皇女和宮が降嫁した際に、その一行が宿泊した地として有名である。またその宿泊直前には、街道沿いにあった古い建物50数軒が急造されるなど独特の歴史も持っている。今もそのとき建て直された数軒が残されており、「お嫁入り普請」と呼ばれ、貴重な地域資源となっている。ほかにも家康がつくったお茶屋屋敷の跡、国登録文化財の邸宅や、大正期の開業当時のままの美濃赤坂駅駅舎、古くからの社寺なども多くあり、歴史あるまちとしての雰囲気を感じられるまちである。

 しかし、その歴史的な景観も、建物の老朽化や建替え、空き家の増加などにより、時代とともに徐々に失われつつあるのが現状である。地元では、それに危機感を感じ、後世にもまち並みを残していこうと、数年前からまちづくりが動き出した。イベント(中山道赤坂宿まつり)や有志による観光ボランティアは以前から行われていたが、平成14年度になって、住民主体のまちづくり団体「中山道赤坂宿まちづくりの会」が組織され、街道沿いのまち並み調査や定期勉強会、お嫁入り普請として残る建物を借り上げて改装し、資料館(お嫁入り普請探訪館)として一般公開するなど、景観を意識した活動が展開されるようになった。

 このような動きを受けて、大垣市は平成17年度、地元に働きかけ、将来のまち並み形成の目標をまとめるために、アンケート調査をはじめ、まち歩きなどのワークショップ、専門家を交えた協議会などを開催した。そして最終的に「中山道赤坂宿まちなみ形成プラン」として地区の将来像や今後の施策、役割などをまとめるに至った。当社ではそのお手伝いをさせていただいた。今後はこのプランをもとに具体的な展開が進んでいくことと思われるが、まだまだまちづくりに足を踏み出したばかりの地域であり、どのようにまちづくりが展開されていくのか大いに期待していきたいと思う。

 また、大垣市はこの平成18年3月27日付でに景観法に基づく景観行政団体になり、新制度のもと、どのような景観行政が展開されていくのかにも注目していきたい。


中山道沿いのまち並み

国登録文化財(矢橋家住宅)



お嫁入り普請探訪館

宿場町中心部にある道標


(2006.3.27/櫻井高志)