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2006年も大須から

 中部国際空港の開港と愛知万博開催に沸いた2005年も終わり、新年を迎えた。昨年頃からの景気は、消費者の購買力や企業の設備投資が盛んで上向き傾向にあるような話題が多くなってきた。そんな中、大須にある「OSU301ビル」では、先月オープン二周年を迎えた。大須商店街全体での人通りは相変わらず多いが301ビルの集客状況は厳しく、この二周年を機に集客力回復につながるイベントが不可欠となっていた。そこで、12月3日、4日にオープン二周年記念事業が実施され、301ビル誕生に関わった関係者の一人としてイベントにも携わった。今回の記念事業は、企画段階から301ビルの権利者でもある商店主をはじめ、テナントで組織されたテナント会の代表者も加わり内容、運営方法、備品・人員の手配等の準備がされてきた。当日のメインイベントは、全長が10メートル近くもある黄金色の龍が商店街を練り歩く「ロンロン蛇踊り」で、途中の広場では勇壮な舞も披露された。また、店内では胡弓の演奏会が開かれ、多くの買い物客がその幻想的な音色に耳を傾けていた。その他、クイズラリーや幸福を招く中国絵文字の実演など、子供も楽しめる中国色溢れるイベントが実施された。

 今回のイベントは、301ビルの知名度の回復と集客効果、テナントの売り上げアップを狙ったものだったが、ビルのイベントというより商店街のイベントのように思われたところもあり、蛇踊りに目を留めた商店街のお客を301ビルの集客へとつなげる何かもう一工夫があればよかった。この点は次回の課題でもある。しかし、関係者の話を聞いた中ではテナントの売り上げは比較的好成績の店が多かったようで、限られた予算と時間の中で練り上げられたイベントとしては成功したといえるだろう。

 今年は、この地域で昨年のような大規模プロジェクトはないが依然として栄地区の商業集積はブランドショップをはじめとして高くなる傾向は変わらない。今後も301ビルと大須中華街を今まで以上に盛り上げていくためには、今回の経験を活かし様々な集客イベントを実施していく必要がある。301ビルは、商店主らにより組織された組合施行の再開発事業として誕生し、その後の管理運営も自主管理を基本として今日に至っている。自らの店舗の経営とともにビルの管理運営に携わる役員は大変だろうが、商店街と連携した魅力あるイベントを実施し、301ビルの活性化がはかられることを期待したい。 
 なお、現在301ビルでは抽選で豪華商品が当たる全店共通のポイントカードキャンペーンを実施中。詳しくはHP(http://www.osu301.com)にて。

 (2006.1.8/村井 亮治)