春日井市の高座(たかくら)校区防犯協会は、市民による防犯団体である。もともと、高蔵寺区(「区」というのは、春日井市内の行政区の単位)で運営していたものを、平成9年に分離独立して現在に至っている。活動範囲は、高蔵寺駅周辺である高蔵寺区の約3500世帯である。
設立時の会員は、25名程度。それが、会員が個人的に声をかけながら仲間を増やし、現在は48名の個人と9団体が所属する。市民手づくりの防犯活動をコツコツと積み上げており、実にきめ細かい活動を展開している。
主な活動として行っている、地域安全パトロールでは、7、8人がチームを組み、地区内を徒歩でパトロールする。問題を発見した場合は、その都度関係先に問題解決の依頼をする。年間30回パトロールしている。
防犯協会だけではとても全域に手が回らないため、「高蔵寺区内安全パトロール」として、各地区の組長に呼びかけて、月に1〜2回町内で自主的にパトロールをしてもらっている。防犯協会は、備品の貸出などでサポートしている。地区内には、103の組があるが、そのうち54組、400名の区民が自主参加した。
その他、中学生手づくりの防犯啓発看板制作、ひったくり防止キャンペーン、高蔵寺駅構内における防犯を啓発する展示、防犯研修会などを行っている。
現在は、青色パトロール隊に取り組もうとしているところである(通称「青パト」)。青パトとは、青色回転灯を装備した自主防犯パトロール車の俗称であり、運輸局、県警の認可が必要となっている。9月30日に認可がおり、10月5日から活動を開始する予定だ。
活 動のための資金は、高蔵寺区からの協力金と、春日井市役所から公園管理の委託を受けて得る収入をあてている。こういった資金を使って、会員揃いのユニホームなどを購入している。
活動の効果としては、地域の人と顔をあわせる機会が増えるので、コミュニティづくりに役立っている。犯罪自体は高蔵寺駅周辺は非常に多いのであるが、会長さんによれば、「パトロールによる効果は確実に出ていると思う」ということであった。
中心的に活動しているのは、定年退職した60歳代の方達だということであるが、企業での仕事をリタイアした後、このような形で地域に関わるというのは、当人にとっても地域にとってもよいことだと思う。これからも息長く活動を続けていってほしい。
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高蔵寺区内安全パトロール
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青色パトロール発進準備整う
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