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万博を契機にやきもののまち瀬戸が変わる 
〜パルティ・せと/瀬戸蔵 2つの拠点施設が完成〜

愛知県瀬戸市

 1300年にわたるやきもの歴史がある瀬戸では、愛・地球博の開催に向けて、市の中心部において拠点施設の整備を着々と進めてきた。その集大成ともいえるのが、万博開幕直前にオープンした「パルティせと」と「瀬戸蔵」である。シンボルの瀬戸川をはさんで北側に「パルティ・せと」、南側に「瀬戸蔵」が建ち、瀬戸川沿いの風景は一変した。

パルティせと

  瀬戸川沿いの北側に、尾張瀬戸駅前において2005年2月19日にオープンした。1978(S53)年に尾張瀬戸駅の駅舎改築の話が持ち上がったのが事業の発端で、完成までに四半世紀も費やした。株式会社黒川紀章建築都市設計事務所が基本設計・実施設計を担当し、第二種市街地再開発事業で整備。施設内容は、2000年度に行われた市民参加による「駅ビル検討ワーキンググループ*」による提言が元になっている。1-2階に店舗、観光インフォメーション、3階に瀬戸周辺6大学の大学コンソーシアム、市民交流センター、4階の会議室、5階のアリーナ、フィットネスジムなどからなる。パルティ・せとは、市民交流の拠点の位置づけである。
*:「駅ビル検討ワーキンググループ」については、スペーシアホームページ「名古屋のまちづくり」で紹介している。

パルティ・せと全体


1階:市民プラザ

3階:市民交流センター窓口



5階:フィットネスジム


瀬戸蔵

  瀬戸川沿いの南側に2005年3月19日にオープンした。観光客が集まる瀬戸蔵ミュージアムや物販・飲食店舗と、市民会館の後継施設としてのホールもある。瀬戸蔵ミュージアムでは、2001年に解体された尾張瀬戸駅、明治以降の窯業製品の大量輸送を支えた「瀬戸電」、せとものの店などがジオラマ復元されているほか、猿投から瀬戸、美濃にかけてのやきものの歴史が展示紹介されている。

瀬戸蔵全体



1階:エントランスホール


2階ミュージアム:昔の尾張瀬戸駅の改札口



やきもののプレートが埋め込まれた案内板

 瀬戸では、ソフト面でもまち全体を博物館や美術館に見立てた「せと・まるっとミュージアム」事業により、市全体を回遊するイベントが継続して取り組まれている。現在、万博開催に合わせて「せとやきもの世界代交流」が開催中で、万博会期中100余の催しが行われ、市内を巡回するバスが運行されている。
市中心部の拠点施設の整備は一段落した。今後は、万博を契機とした、やきものを生かした観光まちづくりのより一層の展開が期待される。

(2005.7.7/浅野 健)