10月の週末は各地でお祭りやイベントが数多く開催されている。そのため、見に行きたい祭りやイベントが同じ日に重なってしまい、あきらめなければならないこともあると思う。しかし、「美濃焼窯場めぐり」という、杯の市之倉(多治見市)、タイルの笠原(笠原町)、とっくりの下石、どんぶりの駄知(ともに土岐市)と特色ある4つのやきもの産地の工業組合が協力して、同じ日に開催している陶器まつりがある。
10月2日(土)、3日(日)の開催2日間のうち、私が訪れた土曜日は雨が時折ぱらつくというあいにくの天気であった。まず、土岐市駅から無料のシャトルバスに乗って、駄知どんぶりまつりを訪れることにした。陶器市、窯元めぐりなど様々なイベントが用意されていたが、一番興味を引かれたのは、体育館の会場で行われていた「どんぶり積み上げコンテスト」である。子どもが2人1組になって制限時間内にどれだけどんぶりを積み上げていけるかという非常にシンプルなゲームであるが、どんぶり産地の駄知ならではのイベントである。思ったような記録が出なかったり、自分の記録が破られたりした子どもが再挑戦を要望するなど盛り上がりを見せていた。積み上げられるどんぶりの横には大人が付き添い、参加する子どもにはどんぶりが割れてしまった際に目を保護するためのゴーグルが着用させるなどの配慮も見られた。
次に会場間をつなぐシャトルバスに乗り、下石どえらあええ陶器祭りに訪れた。130の窯元の作品を一同に展示している一窯一徴展や窯元めぐりなど、駄知と同様に様々なイベントが用意されていた。下石の取り組みとして興味深かったのは、「窯元もろ板陶器市」である。もろ板とは、窯元内でやきものを載せる板のことで、普段私たち消費者が見ることは無いものである。窯元が売っているという雰囲気を作るためにもろ板に載せてやきものを販売している。やきものだけでなく、その下にある年季の入ったもろ板も眺めてみると面白いと思う。
のんびりと回っていたため、2つのまつりを訪れるのが限度であったが、主要駅と会場をつなぐバス、会場間をつなぐバスは無料である上、長時間待たされることも無く非常に便利であった。無料シャトルバスのネットワーク化同様、まつり開催期間限定の地域通貨「陶器のコイン」の取り組みも今年も続けられていた。
来年は、市之倉と笠原を訪れてみたいと思う。「美濃焼窯場めぐり −陶の里フェスティバルin市之倉・かさはら窯ぐれ祭り編−」をお楽しみに。 |
どんぶり積み上げコンテスト |
もろ板を加工して作った台でやきものを販売
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