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外国人在住者の目から見た愛知県の産業観光資源
 これまで愛知県といえば工業都市のイメージが強く、観光についてはあまり取り組まれてこなかったが、来年には中部国際空港が開港し、2005年日本国際博覧会(愛・地球博)が開催されるため、国内外からの訪問客を受け入れる体制づくりが急ピッチで進められている。そのような中、今年の3月に、愛知県内の産業観光資源に、県内在住の外国人の方々(英米系・中国・韓国)を案内する機会があった。訪れた先は、2000年の歴史があると言われる熱田神宮、絞りで有名な有松、やきもの産地である常滑・瀬戸、トヨタ自動車の関連施設など。

人気のあったところは、常滑、有松、ものづくり文化の道(名古屋市西区)など日本の生活や文化が感じられるところ。観光ボランティアガイドや現地住民の方などに案内をお願いしたため、外国人の方々に知られていない一面を見せることができた。トヨタ自動車関連の産業観光施設も人気が高く、特にトヨタ博物館では4ヶ国語対応の携帯式音声ガイドなど対応が充実しており、車に興味がない人でも楽しめたようである。

外国人の方の不満としては、案内板やパンフレットなどで外国語表記がされていない場合が多い、飲食店・買い物できる店・休憩施設などが不足している、といった指摘が多く聞かれた。また、神社での手の洗い方や参拝の仕方、日本の家屋を見るときに脱ぎやすい靴を用意するなど日本独特の文化の説明や歴史背景なども合わせて伝えてほしいといった意見もあった。

外国人に限らず観光客が訪れたくなる地域は、住んでいる人々にとっても暮らしやすいまちであるといえ、観光面の課題を地域のまちづくりの中で解決する動きも出てきている。在住外国人の方々が増えてきており、今後は地域のまちづくりにこれらの方々が参画し、課題を解決する場づくりが必要になってくると思う。


熱田神宮にて、神社では入口での手洗い、参拝の方法が話題に

有松・鳴海絞会館にて、産業観光では買い物ができるところも必要



有松・竹田邸にて、当主の説明を聞く



常滑・やきもの散歩道にて、ガイドボランティアの方の話を聞く


産業技術記念館にて、自動織機から自動車の製造までの歴史の説明を聞く

トヨタ博物館、4ヶ国語対応の携帯式音声ガイド


四間道(名古屋市西区の堀川沿い)の伊藤邸にて、江戸時代の庄屋だったころからの話を聞く

瀬戸・窯垣の小径資料館にて


(2004.4.27/浅野 健)