武豊町は、半田市、常滑市に挟まれて知多半島ではあまり目立たない存在であるが、訪れてみるとなかなか魅力的な町である。2002年度に中心市街地活性化基本計画策定のお手伝いをしたのがご縁で、中心市街地の散策マップづくりに関わることになった。商工会が発案したもので、役場もサポートしてくれている。
商工会からの呼びかけで、地元の商店主など約10名が参加し、マップの内容を話し合っている。2003年度は素案づくりをするため、6月、7月、9月の3回にわたって集まりを持った。
6月の第1回にはマップのテーマなどについてアイデアを出し合った後、第2回で実際に歩くコースを考えた。7月の第2回には早朝から集合し、地区内を歩いて写真撮影をするなど情報収集を行った。地元に住んでいる方々でも、少し離れた地域だとじっくり歩いたことはなく、とても新鮮な体験だったようだ。特に、古くから醸造業が営まれている大足・里中地区は、黒塀、黒壁の続く昔ながらの路地の風景が今も残されており、特色がある。現在は地区内に5軒のみそ蔵があり、伝統的なみそ・たまりをつくり続けている。ちなみに、最盛期は町全体で50軒以上の蔵元があったということである。創業160年になる丸又商店の蔵を見学させてもらったところ、ちょうど土用の前でうなぎのタレづくりで忙しくしていた。蔵の中に巨大な木の樽が立ち並ぶ風景は圧巻である。また、名鉄駅とJR駅の間にあるみゆき通り商店街は、明治天皇が通ったことに名前が由来するという歴史ある商店街で、一見するとさびれた感じがするが、店の中に入ってみると個性的な店が多い。うなぎを焼く名物おばあちゃんのいる店や、レトロなミシンで裾上げしてくれる衣料品店、太巻きの美味しい店などがある。
9月の第3回では、第2回の結果を受けて実際にマップに盛り込む情報を考えるとともに、マップの大きさや表現方法をどうするかについて話し合った。第3回を終えて、かなりマップのイメージが固まってきた。
今年度は内容を固め、来年度にデザイン、印刷をする予定になっている。武豊の魅力的な場所をもっと多くの人に知ってもらうきっかけになるとよいと思う。
マップをつくるというのは、その地区のよさを見直すために非常に有効な方法であると思う。今後、色々な地域のマップづくりのお手伝いができたらよいと思っている。
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大足・里中地区の路地にて
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丸又商店の蔵の中
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樽の中
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津島神社、秋葉神社が多い
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みゆき通り
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みゆき通りの衣料品店のレトロなミシン
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歩いた結果をまとめる
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