現在、JR勝川駅付近では鉄道高架事業が急ピッチですすめられ、それに関連する勝川駅南口の土地区画整理事業(密集住宅市街地整備促進事業との合併施行)も徐々にその姿を見せてきている。昨年の11月には賃貸住宅や市の子育て子育ち支援館、立体駐車場、商業施設からなる立体換地ビルがオープンし、南口駅前広場も暫定ではあるが供用が開始された。かつて、老朽した木造住宅が密集していた南口の状況が一変し、北口と変わらぬ明るい表情をみせつつある。しかしながら、事業に伴う住み替えによって、地区内の人口は減少し、15年前と比べると世帯数は半減したという。ただし、この状態も現在が下限であり、今後は徐々に増えてくるだろうとみられている。
このような中で、これからの地区のまちづくりを住民自身で考えようという取り組みが昨年度から始まっており、中部大の佐藤研究室とともに、当社もそのお手伝いをさせていただいている。まちづくり総合支援事業を活用したまちづくり活動支援であり、数年間のプログラムの中で住民のまちづくりに対する機運を高め、かつ利用しやすく、愛着の持てるまちづくりを行っていくことをねらいとしている。
昨年度は、ワークショップをはじめて経験するということもあり、ワークショップによる公園づくりを行った名古屋市港区の築地公園の見学会を開催するとともに、暫定オープンを控えた駅前広場をテーマとして、夢や期待を出し合い、簡単な模型を使いながら、整備のアイデアを出し合った。この年は、はじめての取り組みであったことから、ワークショップというものがどういうものかを体験してもらうことを主眼とした。
2年目の今年度は、地区内に新しく密集住宅市街地整備促進事業で整備が予定されている集会所とポケットパークをテーマとして、ワークショップを開催し、計画づくりを進めている。住民が4つのグループに分かれて討議し、簡単な模型を使って集会所の間取りやポケットパークの計画づくりの作業しながらアイデアを出し合った。住民にとって身近な施設であり、かつ、平成16年度には完成するということもあり、非常に活発な意見交換が行われた。「今の公民館は少し狭いので広いスペースがほしい」「気軽に会話ができるようなコミュニケーションスペースがほしい」「縁側空間をつかって、集会所(内部)とポケットパーク(外部)とのつながりを考えよう」「集会所らしくないシャレた建物にしたい」など。
住民それぞれの思いを1つの形にしていくことは、非常に難しいことであるが、住民の期待は高まっている。このワークショップでの議論が、今後の運営にもつながっていくことを期待したい。
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現地の形状を確認。敷地と南側道路との
高低差の処理をどうするかが課題に
(第1回WS)
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自分の考えに近いイメージ写真を選び、
集会所とポケットパークのキーワードを議論した
(第1回WS)
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簡単な模型を使って集会所の間取りを検討
グループの考えを発表しあった
(第2回WS)
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ポケットパークや集会所の外部空間
についても検討 このような模型が4つできあがった
(第3回WS)
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