秋晴れの10月19日(日曜日)、第2回桑名ワンデイウォークが開催された。昨年に続く、2度目の今年は「歩桑名(あるくわな) 乗って歩けば御台所」と銘うち、まず三岐鉄道北勢線を利用して七和駅まで移動。そこから昔の濃州街道から東海道を通って、御台所祭が開催されている城下町までの約10キロを歩いた。
5歳から83歳まで約200名の参加者が普段通らない道をのんびり歩き、昔ながらの街道の風景や秋の野山の風景を楽しんだ。ゴールの城下町で開催されている桑名の殿様御台所祭は平成元年よりはじまった桑名の食文化と歴史をアピールする市民の手づくりイベント。本統寺境内では豪商料理大会、料亭の風情あふれる川口町ではグルメレストランがあり、ゴールで疲れた参加者の空腹を満たしてくれた。この日は敦賀から桑名までの110キロウルトラランニングも開催。さまざまな形で多くの市民が秋の1日を楽しんだ。
健康への関心が高まる中で近年、ウォーキングがブームとなっているが、この桑名ワンデイウォークは「歩いて暮らせる街」にするためのきっかけづくりとして取り組んでいるものであり、桑名市の都市計画課が事務局となり、市民参加の実行委員会において議論しながら企画をとりまとめ、運営を行った。したがって通常のウォーキングとは異なり、「地元との交流を中心とするまちづくり系ウォーキング」「様々な活動をしている人をウォーキングを通じてつなげていく」「様々な要素を組み合わせることで多様な人々が参加できるようなものにする」ということをコンセプトとしてあげている。
今回は、地元行政と沿線住民の力によって存続することができた北勢線をテーマとして取り上げるとともに、生活に密着してきた古い街道を歩き、その沿線にある地場産業なども見てもらうことによって、まちを見なおしてもらうことをねらいとした。七和駅からの参加者のための受付場所としてしょうゆ醸造業のヤマモリさんの工場をお借りしたのはそんな意図があった。
昨年はPR不足であったことから、今年は三岐鉄道の駅や車内にポスターを掲示してもらうなどした結果、参加者は倍増したが、まちを歩き慣れていない参加者が増え、道に迷ってしまうという苦情が多くみられた。地図を見、まちをじっくり見ながら歩いてもらうことを期待していたわけだが、純粋に歩くことを楽しむ参加者は地図を見ずに案内標示や道案内人を頼りにする。様々なタイプの参加者に楽しんでもらうためには、きめの細かい配慮が必要だということだろう。
来年からはこのワンデイウォーク開催のための市の特別の予算がなくなる。そのような状況の中でいかに参加者に満足してもらえる企画を提供できるか。桑名ワンデイウォークの真価が問われるのはこれからだ。
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北勢線を利用。
車内にはワンデイウォークのポスターも見える。
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川沿いの大きな榎のある道
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古い町並みの残る街道を歩く
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ゴール付近では御台所祭りが開催中
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