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三重県のブロードバンド革命で
地域活性化を推進するZTV
 三重県の津市は、隣接する河芸町とともに、津市北部から河芸町西部に及ぶ区域において、産業・高次都市・居住の各機能を有する新都市として、「中勢北部サイエンスシティ」の開発をめざしてきた。 平成6年3月には、地方拠点法に基づき、当サイエンスシティの区域の一部が、「業務拠点地区」に位置づけられた。その一角に、平成12年に完成した第三セクターである(株)ZTV本社(元津ケーブルテレビ)がある。

 今回、ZTVを訪れたのはケーブルテレビの加入率が全国1位の三重県で、今後どのように行政と市民とでスクラムを組み、インフラ事業のほかにコンテンツ事業の展開を目指していくかのヒアリングをするためである。話によると現在、三重県下の小中学校大学のすべてをCATVでつなぐ教育ネットワークの構築を目指しているとのこと、近い将来、三重県内の小学校が無い地区の子供たちの遠隔授業や、三重県内の大学の単位互換をスムーズに行うための遠隔授業システムを開発中とのことである。また、愛知県下では大口町がヤフーと共同で力を入れているIP電話より、さらに音質が良いVoIP(ボイス・オーバー・インターネット・プロトコル)の市民レベルでの利用にも力を入れており、全国でもさきがけて商用化のスタートが期待できるとのこと。

 ZTVでは地元の有力企業や行政のイントラネットシステムを社内のデータセンターで管理しているために、産学共同で進められるこのようなシステムの構築や実験などが非常にスムーズに進んでいるようである。担当者のよると、今後は市民をいかに巻き込んでのコンテンツづくりが鍵であり、より市民がインターネットに理解を示し、事業に参加してくれる雰囲気づくりをすることがZTVの使命でもあると感じているとのこと。ITバブルがはじけた後、地に足がついていなかったITベンチャー企業はどんどんと倒産していく。ZTVが今後、第三セクターの役目をもちながら、ベンチャーのリーダー格としてどのような活躍をみせてくれるのか多いに期待したい。

 気になることではあるが、広大なサイエンスシティではありながら、建物があるのは業務拠点地区でさえもZTVを含むわずかであり、ほかに工事を行っている様子はほとんどなかった。今後この地区がITの集積地区として世界的に機能していくためには、さまざまな企業誘致が必要であろう。ZTVに今後の可能性が期待できるだけに、他の企業あるいは団体の誘致に行政も、また市民も力をいれてほしいところである。
(2002.11.5/藤澤 徹)