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高島屋南地区再開発情報第2弾
  59号(2002.10.07)において岐阜市内の高島屋南地区(約0.6ha)で、中心商店街・柳ヶ瀬地区の活性化をめざして再開発準備組合が設立されたことを報告した。
 その後、平成16年度内での都市計画決定をめざし、理事会を中心に事業計画の検討が進められている。地方都市において、保留床処分型の市街地再開発事業が行き詰まる中、身の丈にあった自力型の再開発の必要性が叫ばれている昨今であるが、再開発を必要としている衰退地区の中で、それを可能とする地区は、かなり限られるのではなかろうか。本地区でも、権利者数が多数存在し、その大半が零細で高齢な権利であるため、権利者自らが建設資金を投ずるような事業フレームでは合意が得られず、最低限の権利確保を保証できる保留床処分の成否が事業推進上の必須条件となっている。
 しかし、本地区は、全国の中心市街地と同様に、地価の下落が急速に進み、国が公表する相続税路線価により算定した平均地価が、再開発を検討し始めた平成10年当時の値に比べ、平成14年のそれは約4割程度の水準にまで落ち込んでいる。このため、保留床価額が下がり、床処分性は増大したものの、権利変換条件が悪化し、権利者の必要とする最小限の従前機能確保もままならない状況になっている。
 そこで、本準備組合では、地区の立地的・歴史的特性を活かし、他の商業地にないソフト一体型の再開発を模索し、高付加価値の施設を生み出すことで、矛盾する課題を解決しようと、その内容の検討を深めるとともに、事業趣旨に賛同し協力の得られる関係機関の呼び込みと働きかけを強めている。2003年早々には、民間企業6社に対して、事業企画案の提出協力を依頼、民間の人的・技術的支援を仰ぐことで、事業推進体制を強化し、新しい展開を図ろうとしている。準備組合の活動方針に賛同し、惜しみない協力を提供してくれる企業が現れることに期待したい。




(2002.12.24/浅野泰樹)